「テレビ的教養」佐藤卓己著

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 テレビの歴史を、教育・教養の視点から振り返った論考。

 そもそも放送局の免許条件として、一般局は「教育」10%以上、「教養」20%以上で常時編成することが明示されているという。放送教育のはじまりは、1933年に大阪で始まった学校向けラジオ放送にさかのぼる。国民意識の一元化という壮大な試みを担った戦時下の放送教育の構想は、戦後の民主教育においても引き継がれたという。

 ラジオ放送時代から放送教育に携わり、戦後の教育テレビ局設立や放送大学開設に尽力した西本三十二氏の功績をはじめ、1960年代以降の放送教育運動の軌跡、そしてテレビが情報弱者のメディアとなった現代まで俯瞰しながら、日本人にとってテレビとは何だったのかを考察する。 (岩波書店 1540円+税)

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