「すごい!へんてこ生物<ヴィジュアル版>」NHK「へんてこ生物アカデミー」制作班監修
現代人から見ると、うらやましく映るのがナマケモノ。1日に20時間も眠り続け、動く時は平均時速900メートル。変温動物で自分の体温を調節できないため、日中の体温は36度だが、夕方には33度になってしまう。
だが、エネルギー消費が少ないので、1日数枚の葉っぱを食べれば十分。ジャングルの木の上で生活して、1週間に1度、排便のために木から下りる。そのフンにクリプトセスという蛾が卵を産み、孵化(ふか)するとナマケモノの毛の中にすみつく。その蛾がナマケモノの毛の上にフンをすると、それを栄養分として藻が成長する。ナマケモノは自分の毛に生えた藻を食べて生きるという、究極の自給自足生活をしているのだ。
ほかに、捕食者の目を逃れるためにヘビの頭そっくりに擬態するイモムシなど、奇妙だけれど合理的な生物の生態を紹介。
(祥伝社 1100円)