シェブロン選手権Vの西郷真央に味方した「2つの珍事」はなぜ起きたのか
西郷真央のシェブロン選手権優勝はGW期間中のため、このコラムも2週間お休みでした。あの試合は「なぜだ?」というシーンがいくつもあり、ゴルフの怖さを改めて認識させてくれたので、ここで振り返りたいと思います。
まず、5人ものプレーオフが1ホールで決着することなど普通は考えられません。舞台のパー5で西郷の前に4人がバーディーを取れなかったことも想像外でしたが、優勝争いではゴルフファンが「なぜプロが?」という大きなミスが2つありました。
1つ目は、首位A・ジュタヌガーンが1打リードで迎えた18番(472ヤード)パー5でやった“空振り”です。第2打がグリーンオーバー。ラフからのアプローチでクラブが芝にくわれボールは数ミリ動いただけ。3打目はピンを4メートルオーバーし、パーパットが入らずのボギー。優勝を目前にした信じられないミスがプレーオフになった大きな要因でした。
2つ目の「なぜ?」はプレーオフで唯一2オンに成功したイン・ルオニンの3パットです。第2打はピンまで213ヤード。グリーン手前のカラーに落ちてピン奥3メートルに乗せるスーパーショットでイーグルチャンスにつけました。この距離ですから「ファーストパットを外してもバーディーは堅い」と誰もが思ったでしょう。ところが、約2メートルもオーバーし、返しのパットも外してパーでした。