三枝成彰の中高年革命
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プーチンは国際法廷で裁かれるべき 武力による主張は共生の時代にそぐわない
旧ドイツや日本の指導者たちは第2次世界大戦の敗戦後、戦犯容疑者として拘束され、連合国の軍事裁判で人道に対する罪などで裁かれた。プーチンも同様に、ウクライナでの虐殺について国際法廷で裁かれるべきだ。 …
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プーチンを狂人とするのは西洋の価値観 ロシアは欧州から見下されている
ロシア連邦はウラル山脈を境にヨーロッパとアジアに分けられていて、実は領土のほとんどがアジア側にあり、その面積は1310万平方キロと連邦全体の77%を占めている。そのため英国やドイツ、フランス、イタリ…
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プーチンの姿は時代錯誤の極み どの国も自国の軍隊で戦争できなくなっている
もはやアメリカは戦争ができず、日本が頼りにすることもできないのだろう。 今回のプーチンの命令によるウクライナへの侵攻は、2003年にアメリカが起こしたイラク戦争とよく似ている。当時のG・W・…
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欧米では政治と芸術は不可分 プーチンはロココの時代にバロック的な軍事侵攻を行った
西欧では政治と芸術は不可分に結びついている。しかし、本来なら、歴史に残るアーティストは決して体制と寝ることはしないものなのだ。 ロシアの世界的指揮者ワレリー・ゲルギエフがミュンヘン・フィルハ…
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大ロシア復活を夢見るプーチン ウクライナ侵攻と1938年のナチスの各地への侵攻は似ている
1938年、ナチスはドイツ系移民の多く住むチェコスロバキアのズデーテン地方(現在のチェコ)に侵攻した。翌39年、ナチスはポーランドに、そしてフランスに相次いで侵攻した。チェコやポーランド在住のドイツ…
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試験が人生のすべてではない! 人生100年時代誰でも挑戦できる時代
試験が人生のすべてではない。たとえ落ちても、めげることはない。あきらめずにやり続ければ、必ず道は開ける。 私が最初に経験したのは小学校受験だ。千葉大学の付属小学校を受けたが、不合格。「1個の…
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オリンピックに「西洋文化の超克」を考える…称賛され尊敬される“洗練”とは何か
オリンピックを見て思うのは、西洋文化を乗りこなすことの重要性だ。オリンピックはスポーツの祭典だが、世界へのプレゼンテーションの場でもある。どれだけ「かっこいい」と思わせるかで、センスの有無が測られる…
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コロナとどう向き合うべきか 同調圧力に与することは恥である
このコロナの騒ぎを見ていると、日本人の精神性は戦前と変わっていないのではないかと思う。 江戸時代、領主の命令で庶民が組織させられた「五人組」は、役人が彼らを監督しやすいよう、相互監視と連帯責…
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河瀬直美さんの在野精神はどこへ…アーティストは未来の評価を気にかけるべきだ
河瀬直美さんが総監督を務めた東京五輪の記録映画撮影に密着したNHKの番組が波風を起こしている。 番組では開催反対のデモに参加したとされる男性の映像に「実はお金をもらって動員されていると打ち明…
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ネットフリックスという“黒船”は日本の政治を変えるかもしれない
動画配信サービス「ネットフリックス」で、オリジナルドラマの「新聞記者」を見た。感じたのは、日本のマスコミが変わり、政治が変わるかもしれないということだ。米国資本でつくられ、有料会員への配信のためCM…
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混声合唱曲「最後の手紙」への思い…戦火のなかで書かれた人生最後のメッセージを作品化
今月17日の「三枝成彰 80歳コンサート」で2作品を初演する。 1つは日本の若手ピアニストを代表するおひとりの辻井伸行さん委嘱による新作のピアノ協奏曲。もう1つは混声合唱曲の「最後の手紙 T…
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36年ベルリン五輪でナチスが増長 自由と民主主義を守るためなら外交的ボイコットも必要だ
2月に行われる北京冬季オリンピックにアメリカが「外交的ボイコット」を表明した。日本政府も12月に「政府関係者を派遣しない」と発表した。 アメリカは中国の新疆ウイグル自治区での大量虐殺や人権侵…
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岸田首相による安倍元首相への意趣返し? アベノマスク問題と森友改ざん裁判強制終了の狙い
今回の臨時国会でにわかに取り上げられたのが、「アベノマスク」の不良在庫問題だ。現在も某物流会社の倉庫に115億円相当の8000万枚が眠っており、保管費用は今年3月時点で6億円にのぼっているという。 …
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岸田総理の「優柔不断」は柔軟さの表れ…安倍・菅時代が異常だった
私個人は、岸田さんはなかなかいい総理大臣だと思っている。国会中継を見ていても、野党の質問に対して、安倍さんや菅さん時代のような木で鼻をくくったような受け答えをせず、一生懸命に誠実に答えようという姿勢…
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驚きがない「万博」に開催の意義があるのか? 一過性のイベントではなく文化の育成に予算を割くべき
2025年の大阪万博と、2030年に計画されている札幌冬季オリンピック。どちらも、このご時世における開催にどんな意味があるのか? 徳川幕府と佐賀藩、薩摩藩も参加した1867(慶応3)年のパリ…
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西洋人にとって日本人の価値観は謎 酔うことは悪魔に隙を与えること
先日の当コラムで、日本で人気のチャイコフスキーやラフマニノフの甘くて美しい音楽は、西洋ではほとんど評価されないと書いた(私は好きだが)。オペラ「蝶々夫人」などで有名なイタリアのオペラ作曲家プッチーニ…
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瀬戸内寂聴さんは勇気のある表現者…一貫して「反戦・反権力」の人だった
瀬戸内寂聴さんは終始一貫して反戦・反権力の人であり、希代のアナキストだった。体制側につかず権力によりかからず世間の常識に異議を唱えることは、弱者・マイノリティーの側に立つことだ。反戦・反権力や弱者救…
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甘さや美しさよりも重要なのは、新しさやメッセージだ 日本の音楽家はもっと壊すべき
先日のショパン国際ピアノコンクール2位の反田恭平さんは日本の若手を代表する素晴らしいピアニストだ。本選の演奏も素晴らしく、1位のブルース・シャオユー・リウさんを超えていた。 あくまで私の見立…
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なぜ立憲民主党は議席を減らしたのか 国民が悪い政治を受け入れるのはなぜなのか?
先日の衆院選で、立憲民主党が議席数を109から96に減らした。魅力ある政策を打ち出せなかったこともあるだろうが、共産党との連携が拒否反応を招いたのかもしれない。 【写真】この記事の関連写真を見…
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国民は最高裁裁判官の何をどう審査すればいいのか…ベールに包まれたキャラクターの判断材料を
衆院選の投票に行くたびに、疑問に思うことがある。最高裁の裁判官の国民審査だ。信任しない裁判官の氏名に「×」を付けろという。自戒を込めて言うが、面倒くさくなって未記入にしたり、カンで「×」をつけている…