どうする、どうなる「日本の医」
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結果は残念だったが…ライバル薬の比較臨床は有意義だった
4月28日、国立がん研究センターを中心とした研究グループ(JCOG)が、肺がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の第3相臨床を中止したと発表した。解説したい。 まずは臨床試験の概要だ。対象は…
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蓄積データは「宝の山」オンライン診療で世界の医療は大きく変わりつつある
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小児科と精神科は相性がいい 広がり始めた「オンライン診療」の大きなメリット
「オンライン診療って、本当に便利ですね」 患者から、このように言われることが増えた。昨年4月、厚労省が規制を緩和したからだ。従来、生活習慣病の再診で、30分以内で通院可能な患者に限定されていた…
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盛り上がるワクチン不信の世論と政府が発表した「新しい生活様式」への違和感
コロナ対策が変わる。政府は3密回避など「新しい生活様式」を発表し、準備に余念がない。私は、この対応に違和感がある。それは、ワクチン接種が含まれていないからだ。 我が国のコロナ対応は失敗の連続…
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なぜ男子もHPVワクチン(子宮頚がんワクチン)を接種した方がいいのか
「息子が医学部に合格しました」と患者から言われた。私はお祝いを述べ、医学生の心構えを語った後、「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを打っておいた方がいいですよ」と付け加えた。なぜ、男子に勧めるの…
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マスクの効果は限定的で医学的に証明されていない、大きな期待を寄せない方がいい
マスクの着用を巡る議論が盛り上がっている。政府が、5月8日から新型コロナの扱いを2類相当から5類に変更し、室内でのマスクの着用が義務ではなくなるからだ。 マスコミは規制緩和に否定的だ。1月2…
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日本は破傷風大国、発症率は米国の9倍…1968年以前の生まれは要注意 高齢者はワクチン接種を
破傷風ワクチンの接種を希望する60代の女性が、私の外来を受診した。 「なぜ、破傷風ワクチンを打とうと思ったのですか」と聞いたところ、「最近、80代の母が破傷風で亡くなったからです。調べたら、母…
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新型コロナ5類に移行…高齢者はワクチンを打って、普段通りの生活を
コロナ感染による死者数が急増している。昨年10月には全国での死者数は1864人だったが、11月には2985人、12月には7622人とうなぎ上りだ。 この時期に政府は感染症法でのコロナの位置付…
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製薬企業から医師に渡るカネに問題はないのか? 患者への処方を歪める可能性も
昨年12月、写真週刊誌「FLASH」が、広島大学病院の糖尿病・代謝内科長と小野薬品工業との不適切な関係をスクープした。筆者にも取材がありコメントした。 記事によれば、小野薬品が販売する糖尿病…
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オンライン診療は患者にはメリットなのに…日本での普及を阻む抵抗勢力は厚労省技官
「血液検査の結果説明なら、オンライン診療で十分です。予約しておいてください」 私は、外来診療で、このように言うことが多い。オンライン診療は便利だ。特段の理由がない限り、オンライン診療で事足りる…
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世界では推奨されていないのに…「大正製薬」の肥満治療薬の効果と副作用
11月28日、厚労省の専門家部会が、大正製薬の肥満治療薬オルリスタット(商品名アライ)を、医師の処方箋が要らない一般用医薬品として承認することを了承した。多くのメディアは好意的に報じているが、実態は…
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インフルワクチンは筋肉注射にするべきだ 日本だけが皮下注射の弊害
今冬、コロナとインフルエンザの両方が流行しそうだ。専門家は両方のワクチンを接種するように勧めている。実は、この2つのワクチンは接種方法が違う。コロナワクチンは筋肉注射、インフルワクチンは皮下注射だ。…
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第8波懸念「オミクロン株ワクチン」いつ追加接種するのがベストか
オミクロン株対応ワクチンの追加接種が進んでいる。「どうすればいいですか」と聞かれることが増えた。私は、このような質問を受けた時、「すでに3回、あるいは4回接種を済ませているなら、感染が本格化した段階…
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現状に合っていない新型コロナ「2類」扱いの弊害…「5類」への変更が必要だ
臨時国会で議論される感染症法改正の概要が明らかとなった。注目すべきは、新型コロナの扱いについて、2類から5類への変更が見送られたことだ。この仕組みでは今冬の流行には対応できない。 感染症法改…
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「オミクロン系ワクチン」は急いで打つ必要なし 11月以降の接種で感染予防にもなる
オミクロン株ワクチンの接種が始まった。患者さんから「どうすればいいでしょうか」と聞かれることが増えた。 私は「複数回の接種を終えているのであれば、急いで打つ必要はない」と答えることにしている…
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感染研はなぜ隠す? 東京五輪期間中に海外から流入したコロナの実態
東京五輪・パラリンピック(オリパラ)が閉幕し、1年が経過した。コロナ対策の検証結果の発表が続いている。 8月3日、東京大学医科学研究所の井元清哉教授を中心とした研究チームが、オリパラ期間中に…
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コロナ感染で留年処分となった東大2年生ついに提訴…不誠実すぎる大学の対応とは
8月19日、東京大学教養学部理科3類2年生の杉浦蒼大君が、東大が下した留年処分が不当であるとして東京地裁に提訴した。杉浦君は、私が主宰する医療ガバナンス研究所で学ぶ学生だ。私は詳細を知る立場にある。…
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尾身会長また誤り繰り返す…新型コロナ「第7波」による“医療崩壊”の責任
8月4日、厚労省は新型コロナに感染しても軽症なら医療機関の受診を控えるよう呼びかけた。 なぜ、こんなことになるのか。オミクロン株は重症化しにくく、昨年のように、重症患者が巷にあふれているわけ…
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学生がコロナ感染で機会損失の被害 この国は若者に冷たい
コロナ対策で、議論すべき重要な問題がある。若年者の機会損失への対応だ。 なぜ、この問題が重要なのか。それは、感染の主体が若年者だからだ。東京都によれば、7月24日、2万8112人の感染が確認…
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「コロナ再拡大」若年者のワクチン接種の有効性…福島・相馬市発表のデータが興味深い
コロナ感染が再拡大に転じた。この時季の感染拡大は昨年、一昨年と同じだ。過去2年と同様、夏場に大流行するだろう。 今回の流行の主体は、オミクロン株BA.4とBA.5だ。従来のオミクロン株と同じ…