第2波に備えよ 新型コロナを徹底検証
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<13>コロナの感染力は高まるも毒性は変化せず 変異に注意
新型コロナウイルスに生じる突然変異は、ほとんどウイルスの性質を変化させない、もしくは感染や複製する効率が落ちるものであるということを6月17日付けの本コラムに執筆した。しかし、例外的に気をつける必要…
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<12>コロナの謎を解く新たな免疫の概念「訓練免疫」とは?
生命科学は日進月歩。特に研究が盛んな分野では、教科書に載っていることですら、数年経てば時代遅れになる。事実に基づき新しい仮説が提唱され、多くの研究者がその仮説を検証していく。 ウイルスに感染…
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<11>本当に「川崎病」を発症させるのか?欧米で相次ぎ報告
発症すれば冠動脈などの血管に炎症が起き大事に至ることがある川崎病。それに似た子供の症例が世界各地で報告されている。新型コロナ感染症流行後、イタリアでは症例数が通常の約30倍に急増しており、このウイル…
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<10>昆虫ウイルスが“証明”した自然免疫の強い抗ウイルス力
蛾などの昆虫に感染するウイルスに「バキュロウイルス」というものがある。バキュロウイルスを哺乳類由来の細胞に接種すると、細胞内にウイルスは侵入するものの、ウイルスのタンパク質を合成することができず、増…
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<9>日本人は相対的に安全の文化を持っている
新型コロナウイルスが世界を席巻するなか、先進国のなかで日本の感染者数の少なさが目立つ。なぜか。「感染症 増補版」(中公新書)の著者で、国立感染症研究所名誉所員でもある、井上栄・大妻女子大学名誉教授に…
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<8>カラオケ、ライブハウスのクラスターに惑わされない
暑くてたまらないのに、マスクを着けなければバスに乗るのもはばかられる世の中だ。これから夏に向けて熱中症リスクは高まる一方だというのに、マスクを強いる社会はおかしいのではないか。公衆衛生に詳しい岩室紳…
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<7>突然変異による重症化の可能性
前回述べたように、極めてまれではあるが、新型コロナウイルスは突然変異によって、より人に感染・増殖しやすいものに変化する可能性はある。では、そのような変異ウイルスはすぐに人の集団に広がるのだろうか。答…
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<6>ウイルスの突然変異が危険とそうでない場合があるのはなぜ(1)
突然変異とは遺伝情報(生物を構築するために必要なタンパク質を適切に作るための情報)が変化してしまうことである。コロナウイルスは遺伝情報の格納にRNAと呼ばれる物質を使っている。 コロナウイル…
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<5>新型コロナはなぜ全身に血栓症を起こす?2つのパターン
なぜ、新型コロナで若い人が亡くなったり、欧米でより多くの人が亡くなったりするのか。その答えとして新型コロナウイルスが全身に血栓を生じさせることが関係しているのではないか、との考えが浮上している。それ…
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<4>なぜ高齢者は感染しやすく重症化しやすいのか?
新型コロナウイルス感染症(COVID―19)を引き起こす新型コロナウイルスの構造は単純だ。ウイルス自体の遺伝子(RNA)とそれを保護する膜でできていて、膜のところどころにスパイクといわれる突起物があ…
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<3>「抗体検査」が陽性でも、だから安心…というわけではない
新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の本当の顔を明らかにするためには、「抗体検査」が重要だといわれている。生体の免疫反応によって作られる抗体を検出する検査で、「これまでに新型コロナウイルスに…
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<2>日本人がウイルスに強いのは生活様式のせいなのか?
新型コロナウイルスによる死者は、5月31日時点で約900人(人口10万人当たり0・7人)。欧米諸国の数十分の一にとどまっている。その理由として、日本人の生活様式が有力視されているが、どうだろうか。 …
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<1>呼吸器だけではない 血液介在の全身感染症だった
弱毒であるが故に感染力が強い、一部は血管に侵入して多臓器を感染させる、症状が治まっても体内からウイルスが消えるとは言えず何かの拍子に再活性化もあり得る――。新型コロナウイルスの特徴を表現するとこうな…