<13>コロナの感染力は高まるも毒性は変化せず 変異に注意

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスに生じる突然変異は、ほとんどウイルスの性質を変化させない、もしくは感染や複製する効率が落ちるものであるということを6月17日付けの本コラムに執筆した。しかし、例外的に気をつける必要がある突然変異として、スパイク(突起)タンパク質の614番目のアミノ酸が変化する変異についても取り上げた。最近、その変異について日本を含め世界各地の研究グループから解析報告が相次いでいるため、本コラムではそれら最新の知見を取り上げる。

 コロナウイルスの名前の由来ともなった「王冠」のような形状の突起は、スパイクタンパク質が3つ束になったものである。スパイクタンパク質はタンパク質分解酵素によってS1とS2という2つのサブユニットに切断され、S1サブユニットがヒト細胞の受容体ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)と相互作用し、S2サブユニットがヒト細胞との膜融合、すなわちヒト細胞への侵入に関与することが知られている。S2サブユニットはウイルスの膜に貫通しているが、S1サブユニットはウイルス粒子そのものとは直接結合しておらず、S2サブユニットとの相互作用によってウイルスの一部となっている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」