著者インタビュー
-
「酒が仇と思えども」中島要氏
剣豪小説や伝奇小説、股旅物など時代小説のジャンルはさまざまあるが、著者が得意とするのは職人や商人などごくありふれた人々の人情を描く市井小説。 そのため舞台は江戸の町でも、まるで隣近所の住人の…
-
「『なんとかする』子どもの貧困」湯浅誠氏
「私が貧困という言葉を使い始めたのは2006年。竹中平蔵氏の『日本に貧困はない』発言に引っかかり、私が『いや、貧困はある』と言ったところから、貧困あるなし論争が起こりました。あれから約10年。09年に…
-
「老人の取扱説明書」平松類氏
年寄りはみんな頑固で偏屈、人の声に「うるさい」と敏感な割に自分は大声で話す、都合の悪い話は聞こえないフリ。そう思い込んでいないだろうか。高齢者の厄介と思われる行動には、実は理由があったのだ。 …
-
「龍馬を守った新撰組」加治将一氏
今年は坂本龍馬の没後150年。そして来年は、明治維新150周年ということになる。幕末維新史は、歴史好きか否かを問わず、多くの日本人の頭に刷り込まれているものだが、実はのちに作られ、歪められた内容が多…
-
「似合わない服」山口ミルコ氏
「治療中ってすごく忙しいんです。手術にはじまり、放射線、投薬などスケジュールが決まっていて、目の前のことを次々とこなしていく感じ。自分が変わってしまうことの怖さもあったし、当時は、ゆっくり考える時間も…
-
「幻の黒船カレーを追え」水野仁輔氏
「カレーはインドから日本に伝わったと思っている人が多いでしょうが、実は、インドカレーが日本に伝わったのは90年前。さらに、60年さかのぼる150年前、文明開化の時代にイギリス経由でやってきたのが日本カ…
-
「警視庁生きものがかり」福原秀一郎氏
先頃最終回を迎えたフジテレビ系列のドラマ「警視庁いきもの係」。渡部篤郎と橋本環奈のコンビが動物にまつわる事件に挑む刑事ドラマだったが、実は警視庁には「生きものがかり」と呼ばれる部署が実際に存在する。…
-
「産まないことは『逃げ』ですか?」吉田潮氏
子供をもたない人が増えている。事情は人それぞれだが、女性で「子を産まない選択」を公言するのは、まだまだ難しい。女性だけでなく男性も、独身や子供のいない人は、やや肩身が狭いというのが現状だ。 「…
-
「母さん、ごめん。」松浦晋也氏
親の介護に悩む人々が絶賛し、話題になっている本がある。親子愛を美化したお涙頂戴モノではない。認知症の母を介護したひとりの男が淡々とつづった、想像を絶する日々の記録だ。そのリアリティーは介護中の人だけ…
-
「ニュータウンクロニクル」中澤日菜子氏
都市部の人口と世帯増加の受け皿として、1970年代初頭にピークを迎えたニュータウン開発。若いサラリーマン世帯を中心に入居が進み、小学校はマンモス校と化し、美しく整えられた街で何不自由なく豊かな暮らし…
-
「キッズファイヤー・ドットコム」海猫沢めろん氏
子育てに疲弊している人が多い。政府は少子化対策だ、子育て支援だ、と口では言いながらも、結局のところ何も変わっていない。本書はそんな現代社会を舞台に、ひとりのホストが、ネット上で多くの人からお金を集め…
-
「医者の9割はうつを治せない」千村晃氏
今や100万人にも及ぶうつ病患者。国民病ともいうべきこの“病”の対策に政府は力を入れているが、患者数が減る気配はない。その理由は何と、タイトルにもあるように「医者の多くがうつ病を治せない」からだとい…
-
「爆買いされる日本の領土」宮本雅史氏
北海道は中国の32番目の省になる?――。表紙オビの衝撃的な言葉が目を引くが、実際、東京ドーム513個分の土地が、中国に買収されているという(昨年12月末現在)。 「北海道は毎年、前年度の水源地…
-
「おっぱいがほしい!」樋口毅宏氏
バイオレンスやエロスが炸裂するハードボイルド作品を生み出してきた著者の最新作は、何と抱腹絶倒の子育てエッセー。週刊新潮の大人気連載の書籍化で、弁護士でありテレビでも活躍中の妻に代わり、育児を一手に引…
-
「スナック研究序説 日本の夜の公共圏」谷口功一氏
日本全国に約7万軒もある「スナック」について、真面目に論じるという、今までに見たことのない本が出た。 「人文科学系研究者ではきら星の面々を集め、夜の公共圏としてのスナックを論じてもらいました。…
-
「dele ディーリー」本多孝好氏
今や自分の分身ともいうべきスマホやパソコン。そこには個人のプライバシーが詰まっているが、自分が死んだ後、家族や他人の目にさらされるとしたらどうするだろうか? 本書は、そんな死後の記録<データ…
-
「グローバリズム その先の悲劇に備えよ」中野剛志氏
TPP反対の論陣を張った評論家がグローバル化の終焉を言い当てた思想家・柴山桂太氏と対談。2人は5年前にも「グローバル恐慌の真相」(集英社)で対談しているが、そのときの見立て通りにグローバル化は行き詰…
-
「東芝解体 電機メーカーが消える日」大西康之氏
かつて日本の家電は“世界一”ともてはやされ、多くの国々で愛用されていたものだった。ところが今、あの頃の栄光は幻と消え、東芝解体の衝撃をはじめ日本の電機メーカーの多くが絶滅の危機に瀕している。いったい…
-
「永遠の道は曲がりくねる」宮内勝典氏
世界の貧困や差別を見つめ続けてきた著者の7年ぶりの新刊である。単独の作品であると同時に、「ぼくは始祖鳥になりたい」「金色の虎」に続く3部作の完結編で、本書の舞台は沖縄だ。 主人公は世界を放浪…
-
「発達障害」岩波明氏
2005年に発達障害者支援法が施行され、人気モデルの栗原類やパリス・ヒルトンが発達障害だと公表したこともあり、発達障害がメディアで取り上げられることが増えている。半面、誤解や誤診も多い。 「空…