観ずに死ねるか
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太陽がいっぱい(1960年 ルネ・クレマン監督)
最近のスキャンダル報道ではショーンKと舛添要一が面白かった。この2人のジタバタから見たくなったのが本作だ。 米国人のトム(アラン・ドロン)はフィリップ(モーリス・ロネ)の父から「息子をイタリ…
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ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実(1974年 ピーター・デイビス監督)
先日死去したモハメド・アリは兵役拒否で知られる。人殺しに加担したくなかったそうだ。彼はこの件でボクサーの資格を剥奪された。 本作はそのベトナム戦争を掘り下げたドキュメンタリー。公開は米国が完…
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忍びの者(1962年 山本薩夫監督)
昔の子供はチャンバラが好きだった。玩具の刀を持ち、黒頭巾をかぶって忍者ごっこに興じたものだ。戦前から続く忍者ブームの流れを変えたのがこの「忍びの者」だった。全8作のうち1作目の本作と「続・忍びの者」…
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洲崎パラダイス 赤信号(1956年 川島雄三監督)
川島雄三の代表作のひとつ。今月24、25の両日、23時から飯田橋ギンレイホールでオールナイト上映される。「女であること」「暖簾」との3本立てだ。 舞台は「洲崎パラダイス」と呼ばれた東京の色街…
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13/ザメッティ(2005年 ゲラ・バブルアニ監督)
拳銃の弾倉に弾を1発込め、こめかみに向けて引き金を引く――。「ディア・ハンター」で知れ渡ったロシアンルーレットを題材にした映画だ。 セバスチャン(ギオルギ・バブルアニ)はグルジア移民の職人。…
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スミス都へ行く(1939年 フランク・キャプラ監督)
名匠F・キャプラの代表作。先週、本作と「我が家の楽園」をセットにしたBDが発売された。 米国のある州。急死した上院議員の後継として政治に素人の青年スミス(ジェームズ・スチュアート)が指名され…
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激突!(1971年 スティーブン・スピルバーグ監督)
S・スピルバーグは1946年12月生まれ。本作の公開時、まだ24歳だった。若くして天才ぶりを発揮したと言えよう。 本作のストーリーはご存じの通り。中年男のデイビッド(デニス・ウィーバー)がド…
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(500)日のサマー(2009年 マーク・ウェブ監督)
男には絶対に近づいてはならない女がいる。「恐怖のメロディ」や「危険な情事」の狂った暴力女ではない。本作のヒロインのように虫も殺せぬ愛らしい顔をして気まぐれな性格で男を破滅させる女だ。 コピー…
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眠狂四郎 女妖剣(1964年 池広一夫監督)
漫画「じゃりン子チエ」にチエが母親の若いころの話を聞く場面があった。「眠狂四郎」をよく見たという母はチエから「エッチな映画や」と指摘されて顔を赤らめる。「眠狂四郎」はタイトルだけで人をエッチな気分に…
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ショーシャンクの空に(1994年 フランク・ダラボン監督)
刑務所が舞台の映画ではJ・ベッケル監督の「穴」やC・イーストウッド主演の「アルカトラズからの脱出」などが有名だ。両作品は物語の中心が脱獄だった。これに対して「ショーシャンクの空に」はほとんどが獄中生…
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悪い奴ほどよく眠る(1960年 黒沢明監督)
ワイロ口利き疑惑の甘利明前経済再生大臣は1月28日の辞任以来、姿をくらましたまま。睡眠障害で療養中だそうだ。眠れないと言いたいのだろう。本作はその反対で政治家はよく眠る。 主人公は土地開発公…
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ジョゼと虎と魚たち(2003年 犬童一心監督)
障害者の映画は主人公が懸命に生きるとかラストで死ぬパターンが一般的だが、この「ジョゼと虎と魚たち」はやや趣が異なる。 主人公は大学生の恒夫(妻夫木聡)と自分をジョゼと呼ぶ歩行困難のくみ子(池…
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ニュー・シネマ・パラダイス(1988年 ジュゼッペ・トルナトーレ監督)
第62回アカデミー賞最優秀外国語映画賞など数々の賞を獲得。6日、ブルーレイボックスが発売された。 戦後間もないシチリア島の村。父親のいない11歳の少年トト(サルヴァトーレ・カシオ)は「パラダ…
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セブン(1995年 デビッド・フィンチャー監督)
「羊たちの沈黙」以後、ハリウッドのミステリー映画は猟奇性を増した。「ハンニバル」「ソウ」「消えた天使」など。この「セブン」も同じだ。 ベテランのサマセット刑事(モーガン・フリーマン)と若手のミ…
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パルプ・フィクション(1994年 クエンティン・タランティーノ監督)
冒頭の解説によれば「パルプ」とは「質の悪い紙に印刷された扇情的な内容の出版物」とか。 物語の中心人物はギャングのボスのマーセルスの手下、ビンセント(ジョン・トラボルタ)とジュールス(サミュエ…
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ときめきに死す(1984年 森田芳光監督)
暗殺者の映画といえば「ジャッカルの日」「暗殺者のメロディ」「ニキータ」などが有名。邦画では市川雷蔵の「ある殺し屋」や松田優作の「処刑」シリーズか。暗殺は映画の大きなテーマだ。 本作の主人公は…
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デルス・ウザーラ(1975年 黒沢明監督)
黒沢明は1970年に自宅を抵当に入れて「どですかでん」を撮り、商業的に失敗。翌年、自殺未遂騒動を起こした。その4年後、ソ連に渡って撮ったのがこの「デルス・ウザーラ」だ。本作は登場人物を黒沢本人に置き…
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プラトーン(1986年 オリバー・ストーン監督)
ベトナム戦争を題材にしたヒット作といえば、1978年の「ディア・ハンター」と79年の「地獄の黙示録」。「ディア――」はベトコンが捕虜を賭博の道具にするなど米国を被害者として描いた印象が強い。「地獄の…
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遠雷(1981年 根岸吉太郎監督)
ヌードを披露しながら、あまり評価されなかった女優は少なくない。「新・雪国」の笛木優子や「いちげんさん」の鈴木保奈美、「松ケ根乱射事件」でヘアを見せた川越美和ら。メグ・ライアンは「イン・ザ・カット」で…
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アパートの鍵貸します(1960年 ビリー・ワイルダー監督)
上司や重役に協力してとんとん拍子に出世する映画といえば、日本では1960年代にヒットした植木等の「日本一」シリーズが有名だ。松田優作主演の「蘇える金狼」(79年)も似たような展開だった。 こ…