金子勝の「天下の逆襲」
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中央銀行の役割崩壊 日本銀行「3つの政策手段」が機能不全
いまや日本銀行は中央銀行としての役割を壊してしまった。教科書的に言うと、中央銀行は、銀行の決済システムの中枢にあって、3つの政策手段を行使して金融政策を実行する。 1つは、政策金利を通じた金…
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異次元緩和に限界…「金利急騰」市場に翻弄される黒田日銀
海外の金利上昇の下でも無理な「異次元緩和」を続けてきた黒田日銀が、いよいよ「市場」に翻弄され迷走を始めた。日銀の「金融政策決定会合」が開かれた7月30日、31日を挟んで日銀を試すように金利(国債利回…
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エネルギー政策は支離滅裂で…カジノが成長戦略の安倍政権
先週で通常国会が閉会した。しかし、これほど議会制民主主義の劣化をあらわにした国会はなかった。 モリカケ疑惑は、決定的な証拠が次々に出てきたのに、昭恵夫人、加計孝太郎氏らの証人喚問は拒否され、…
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国債が売れず…ついに売買不成立が今年6回目の異常事態
国債市場に異変が起きている。7月4日、長期金利の指標となる「10年モノの新発国債」は、値がつかず取引が成立しなかった。売買が成立しないのは今年になって6回目だ。 売買の不成立は、2001~1…
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国立大学の予算がカットされ加計学園が優遇される愚
大学の研究教育が危機的な状況に陥っている。とりわけ地方の大学は深刻だ。 地方の国立大学は、10年以上、毎年1%ずつ予算をカットされている。ざっと1割のカットである。そのため、教員の確保も研究…
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異次元の金融緩和から5年…地方の金融機関が壊れ始めた
異次元の金融緩和も実施から5年が経ち、いよいよ副作用の懸念が強まってきた。 先日、金融庁が、昨年の決算を踏まえて「福島銀行」と「島根銀行」に業務改善命令を出した。業績が悪化したためだ。いまや…
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これは深い病だ…文書やデータの改竄に社会が驚かない異常
いまの日本社会は、文書やデータの改竄が当たり前の社会になっている。 ここ最近だけでも、東洋ゴム、旭化成建材、東芝、神戸製鋼、日産、スバル、三菱マテリアル、東レ……と日本を代表する名だたる大企…
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「モリカケよりも」の安倍応援団 政策論争で困るのは誰か
安倍応援メディアから、「モリカケよりも政策論争をやるべきだ」という論調が盛んに聞こえてくる。たしかに政策論争は大事だ。では、安倍政権の政策を一つ一つ見てみよう。 安倍政権が掲げた「経済政策」…
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リーマン前と酷似…米国の金利上昇はバブル崩壊の前兆か
米国の長期金利が、4年3カ月ぶりに3%台に達した。4月24日のニューヨーク債券市場で、10年物国債の利回りは3・00%で取引を終えた。この長期金利の上昇を受け、NYダウは一時600ドル超も下落し、結…
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似た者同士も…トランプ大統領にあって安倍首相にないモノ
安倍首相が訪米した。内政に行き詰まると毎回、安倍首相は外遊する。外交で成果を上げたように演出し、支持率アップを狙うお決まりのパターンだ。 国会答弁を聞けば分かるように、安倍首相は論理的にモノ…
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異次元緩和の大罪 外交力が落ちたのは国力が低下したから
メディアが絶賛していた「安倍・トランプ」の蜜月関係とは、何だったのか。 予想通り、アメリカは鉄鋼・アルミニウムに輸入関税をかけることを決定した。EUや韓国などは適用除外とされたのに、日本は除…
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オスプレイは1機200億円 生活保護費160億円減は必要なのか
国会が空転していたため、2018年度予算案の審議は十分に行われていない。この予算案には貧困を拡大させる大問題がある。 生活保護の生活扶助費の見直しだ。生活扶助費とは、食費や光熱費など、生活保…
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「高プロ制度」導入に執着 財界人の無能の証明ではないか
世論の批判に屈して、安倍首相が「裁量労働制の拡大」を断念した。大手メディアは、これで一件落着したかのように報じているが大きな間違いだ。「裁量労働制」の権化のような残業代ゼロの「高度プロフェッショナル…
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「黒田続投」も株価下落 行き詰まったアベノミクスの末路
年頭から急上昇していた株式市場が一気に不安定化している。1月23日に付けた高値2万4124円から、わずか1カ月足らずで2000円近くも下落した。特徴的なのは方向感がなく、乱高下していることだ。市場が…
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安倍政権の看板政策 労働生産性アップで幸せになれるのか
いま安倍政権が「働き方改革」を打ち出し、「労働生産性の向上」が話題になっている。 「労働生産性」は、<分母が就業者×労働時間、分子がGDP>で計算する。本来、労働生産性の向上は、国の経済規模が…
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日本は原発輸出も 世界で普及が進む再生可能エネルギー
総額3兆円という日立のイギリスへの原発輸出プロジェクトについて、安倍政権は政府系金融機関が出資し、メガバンクの融資についても政府保証をする方針だという。原発の再稼働も進めるつもりだ。 しかし…
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アベ・クロを信用できない 国民の熱狂なき“株高バブル”
2018年は、日本も米国も、根拠のない株高と戦争扇動でスタートした。NYダウは過去最高値を更新し、日経平均株価も大発会で741円も上昇した。 だが、この株高バブルに、国民は熱狂することなく、…
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「政治に期待してもムダ」 国民を無気力にする安倍政治
いま世界の政治は、トランプをはじめ極右ポピュリズムが席巻している。 なぜポピュリズムが蔓延するのか。これまであったコーポラティズムの政治体制が崩壊したことが大きい。コーポラティズムとは、労組…
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会計検査院の報告でさらに長期化する籠池前理事長の拘留
これまで政府は森友学園への国有地売却価格を「適正」だと強弁してきたが、会計検査院が事実上「不適正」だったと判断を下した。この調査結果が公表されたことで、いわゆる“森友疑惑”は局面が一変した。 …
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電気自動車の成否 自動車業界は成功体験を捨てられるのか
よく言われることだが、過去の成功体験や仕組みに固執すればするほど、大きな失敗を招く。 東芝が典型例だ。3.11福島原発事故が起きた時、もはや“原発ビジネス”に将来性がないことに誰もが気づいた…