金子勝の「天下の逆襲」
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安倍政権 経済も外交も“成果ゼロ”でも高支持率のカラクリ
2016年の安倍政治は、本当にひどかったと思う。少なくとも5つの大罪を犯している。 まず1つは「デフレから脱却しつつある」というウソだ。政権発足から4年が経つのに、日本経済はデフレから脱出し…
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1980年代の再燃か ドル高、金利高による経済危機
トランプラリーによって、日経平均株価が上昇している。1万9000円を突破し、ドル高、円安によって日本の輸出産業の業績も良くなると期待されている。その一方、いつまでも株高は続かないと心配する声も強いよ…
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損失覚悟で国債大量買い 黒田日銀「悪化改鋳」の末路
いま、黒田日銀は“マイナス金利政策”を導入したことによって、いつ債務超過に陥るか分からない危機に直面している。潜在的には、すでに債務超過に陥っているとみていいだろう。 いわゆるマイナス金利は…
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好景気続かない…投資界の大物がトランプのバブルに警告
トランプ大統領の誕生は、日本経済にどんな影響を与えるのだろうか。 当選直後から、アメリカではトランプバブルが起きている。ドル高が進行し、NYダウは最高値を更新している。トランプは選挙終盤の「…
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TPPが国益にかなうのか 安倍首相は高度成長期の発想だ
山本有二農相の暴言によってTPP国会は大荒れになっている。 振り返れば、TPP担当の大臣はそろって疑惑まみれである。西川公也元農相は“政治とカネ”で辞任に追い込まれ、TPPの旗振り役だった甘…
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自民は知事選「5連敗」 民進党はこの結果を教訓にせよ!
新しい政治の潮流が生まれつつある。 2014年7月、滋賀県知事選は「卒原発」を掲げた三日月大造が当選し、同年11月の沖縄県知事選は「基地建設反対」を訴えた翁長雄志が、自民党系候補を破って勝利…
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新潟と福岡 2つの裁判官人事で気になる司法の独立
どこまで正常に機能しているのか、最近、懸念されるのが日本の司法だ。 驚いたのは、新潟地裁所長に都築政則という人物が栄転したことだ。都築氏は、自民党の甘利明が起こした「原発スラップ訴訟」と呼ば…
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なぜメディアは石原慎太郎に甘く舛添要一に厳しいのか
豊洲市場の問題は、この国の“無責任体質”を如実に表している。盛り土がされていなかったことに誰ひとり、責任を感じず、責任を取ろうとしない。 最高責任者だった石原慎太郎元都知事は、盛り土をしない…
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東電、経産省、ゼネコン…3者が得する“原発システム”
福島第1原発を囲っている「凍土遮水壁」は完成したはずなのに、地下水の流入量は変わらない。99%は凍っているという報道が繰り返され、凍らないのは“バケツの穴”程度というニュアンスで広がっているが、1%…
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日銀とGPIF 「官」が上場企業の大株主という異常事態
3年半も「異次元の金融緩和」を続けた結果、日本銀行の国債保有額は400兆円に近づき、ETFと株式の保有額も8兆9000億円に達している。問題は、そのために、国債市場も株式市場も機能不全に陥りつつある…
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自民党はもはや「保守」ではなくなった
天皇陛下が生前退位の意向を示唆された。8月8日付の産経新聞は世論調査を行い、生前退位に必要ならば「憲法改正してもよい」という回答が84・7%に上ったと報じた。天皇陛下の「お言葉」を政治的に利用し改憲…
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政策に疑問符 ほとんど思いつきに見える小池知事の公約
都知事選は事前の予想通り、小池百合子が当選した。しかし、本当にこの結果でよかったのだろうか。 彼女の本質は、EU離脱をあおりながら保守党党首選に出馬しなかった英国のボリス・ジョンソンや、米国…
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都知事選 有権者は“困りごと”を候補者にぶつければいい
都知事選がスタートした。出馬を取りやめた弁護士の宇都宮健児が「政策本位の選挙ではなく、知名度争いになっている」と指摘していた。その通りだろう。 自民党が担いだ増田寛也は、岩手県知事を3期務め…
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欧州の金融危機と日本の年金資産の行方
イギリスのEU離脱はいまだに迷走中だ。「離脱派」の旗手で次期首相候補の大本命だった保守党のボリス・ジョンソン前ロンドン市長(52)が、党首選への不出馬を表明した。ボリス・ジョンソンは、「主権を取り戻…
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マイナス金利で「安定資産」ではなくなった日本国債
今年2月、日本銀行はマイナス金利を導入した。それ以来、日本国債の流通利回りもマイナスに転じ、満期5~40年まで幅広く過去最低を更新している。これでは、銀行は満期まで保有していれば、損失が出てしまい、…
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批判噴出 「安倍1強」は崩れ始めたか
「2017年4月には必ず増税する」――という公約を破って安倍首相が消費税増税の再延期を決めた。1年半前「増税できる経済環境をつくる」とタンカを切った、あの約束はなんだったのか。 アベノミクスの…
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岡田代表 消費税増税の再延期を迫ったのは正しいか
民進党の岡田代表が党首討論で「消費税増税は再延期すべきだ」と、安倍首相に迫った。 たしかに、この経済状態だけに増税はやめるべきだという声は根強いし、参院選を控えた選挙戦術として、安倍首相が再…
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奨学金の返済に苦しむ若者たち
18歳に選挙権が与えられる。この間、若い人は社会の犠牲になってきた。もちろん“下流老人”も大きな問題だが、社会の歪みが、10代、20代、30代に重くのし掛かっている。とくに格差の拡大、貧困問題は限界…
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消費税増税の再延期なら総辞職が当然というもの
新年度に入った4月1日の株価は、594円安の1万6164円と、大幅下落だった。 決算日である3月31日を乗り切るために、日銀は異常な金融緩和とETF購入で必死に株価を買い支えた。決算日を過ぎ…
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原発事故避難計画の“数値”には仰天だ
高浜原発3、4号機の“運転差し止め”を命じた大津地裁の判決について、メディアの掘り下げ方が足りないと思う。 大津地裁の決定は、水俣病判決の法理に基づいていて、とても良くできている。大津地裁は…