金子勝の「天下の逆襲」
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審議委員が称賛したナチス経済と日銀の政策はそっくりだ
麻生財務相が「ナチスの手口から学べ」と口にしたことを覚えているだろうか。 日銀の原田泰審議委員が「ヒトラーが正しい財政・金融政策をしてしまったことで、かえって世界が悪くなった」「政策をとるの…
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安倍首相が“人づくり”のお笑い 2回生のしつけはどうした
安倍首相は、一体いくつスローガンを掲げれば気が済むのか。 「3本の矢」に始まり「女性活躍」「新3本の矢」「1億総活躍」と、次々とスローガンを打ち出してきた。それまでに掲げていたスローガンが失敗…
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「国家戦略特区」を改革と評価するポスト・トゥルース
日本にも「ポスト・トゥルース」が、蔓延し始めている。 加計学園が「国家戦略特区」の事業者に選ばれたことについて、「岩盤規制に穴をあけるものだ」と正当化する一方、「行政が歪められた」と訴える文…
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日米両トップに疑惑 なぜ違う「議会とメディアの対応」
トランプ大統領の「ロシアンゲート」、安倍首相の「森友&加計疑獄」と、日米両国でトップのスキャンダルが問題化している。しかし、トランプ大統領は軌道修正を余儀なくされているが、安倍首相は完全に開き直って…
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アベノミクスは無関係 「団塊の世代」が招いた人手不足
ヤマト運輸がサービスを縮小し、ファミリーレストランが24時間営業をやめるなど“人手不足”が社会問題になっている。 安倍首相はアベノミクスのおかげで有効求人倍率が上がったと喧伝しているが、まっ…
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アベノミクス崩壊が近づいている 安倍首相が改憲急ぐ理由
いよいよ日本銀行による「異次元の金融緩和」に限界が見えてきた。 ゴールデンウイークの谷間だった5月1日、2日の債券市場は異例の事態に陥った。5月2日の午後までおよそ1日半、「新発10年物国債…
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誰がどう関わったか 東芝と安倍政権の関係を解明すべきだ
監査法人の了承を得られないまま、東芝が四半期報告書を金融庁に提出したことに批判の声が上がっている。たしかに東芝には問題が多い。しかし、東芝を責めるだけでは、なぜ東芝が倒産直前まで追い込まれたのか、真…
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森友問題 予算執行中の書類の「破棄」などあり得ない
安倍首相と昭恵夫人の森友問題への関与は、傍証としては限りなくクロに近い。森友学園に払い下げられた国有地に関して、籠池理事長が昭恵夫人付の女性職員へ送った「要望」の手紙まで出てきた。FAXによる昭恵夫…
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国土を廃虚に…戦前の日本と同じ東芝の「生き残り戦略」
とうとう東芝は、2回目の決算発表延期となった。異常事態である。そもそもの原因は、福島原発事故が起きたのにもかかわらず、安倍政権の“原発ルネサンス路線”に乗っかり、米原発子会社「ウェスチングハウス」(…
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安倍首相がトランプ大統領に言って欲しくなかったこと
日米首脳会談でハッキリわかったことは、日本にとって一番厳しいことは、トランプ大統領から「円安誘導の異次元緩和をやめろ」と批判されることだ、ということだ。もし「異次元緩和」を中止せざるを得なくなったら…
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黒田日銀の行き詰まり象徴 衝撃が走った2月3日の国債下落
1月25日に続き2月3日にも、国債が下落するという事件があった。理由は、日本銀行が超長期の国債だけを買い、中短期国債の購入を見送るという動きを見せたからだ。金融機関が慌てて国債を売ったため、国債価格…
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東芝、日立も…国家プロジェクトという首相の発想は古い
いまアベノミクスの「成長戦略」のコアとなっているのが、原発輸出や武器輸出といった重化学工業中心の国家プロジェクトだ。 こうした国家プロジェクトには、かつて輝いていた重化学企業を復活させる狙い…
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安倍政権 経済も外交も“成果ゼロ”でも高支持率のカラクリ
2016年の安倍政治は、本当にひどかったと思う。少なくとも5つの大罪を犯している。 まず1つは「デフレから脱却しつつある」というウソだ。政権発足から4年が経つのに、日本経済はデフレから脱出し…
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1980年代の再燃か ドル高、金利高による経済危機
トランプラリーによって、日経平均株価が上昇している。1万9000円を突破し、ドル高、円安によって日本の輸出産業の業績も良くなると期待されている。その一方、いつまでも株高は続かないと心配する声も強いよ…
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損失覚悟で国債大量買い 黒田日銀「悪化改鋳」の末路
いま、黒田日銀は“マイナス金利政策”を導入したことによって、いつ債務超過に陥るか分からない危機に直面している。潜在的には、すでに債務超過に陥っているとみていいだろう。 いわゆるマイナス金利は…
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好景気続かない…投資界の大物がトランプのバブルに警告
トランプ大統領の誕生は、日本経済にどんな影響を与えるのだろうか。 当選直後から、アメリカではトランプバブルが起きている。ドル高が進行し、NYダウは最高値を更新している。トランプは選挙終盤の「…
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TPPが国益にかなうのか 安倍首相は高度成長期の発想だ
山本有二農相の暴言によってTPP国会は大荒れになっている。 振り返れば、TPP担当の大臣はそろって疑惑まみれである。西川公也元農相は“政治とカネ”で辞任に追い込まれ、TPPの旗振り役だった甘…
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自民は知事選「5連敗」 民進党はこの結果を教訓にせよ!
新しい政治の潮流が生まれつつある。 2014年7月、滋賀県知事選は「卒原発」を掲げた三日月大造が当選し、同年11月の沖縄県知事選は「基地建設反対」を訴えた翁長雄志が、自民党系候補を破って勝利…
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新潟と福岡 2つの裁判官人事で気になる司法の独立
どこまで正常に機能しているのか、最近、懸念されるのが日本の司法だ。 驚いたのは、新潟地裁所長に都築政則という人物が栄転したことだ。都築氏は、自民党の甘利明が起こした「原発スラップ訴訟」と呼ば…
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なぜメディアは石原慎太郎に甘く舛添要一に厳しいのか
豊洲市場の問題は、この国の“無責任体質”を如実に表している。盛り土がされていなかったことに誰ひとり、責任を感じず、責任を取ろうとしない。 最高責任者だった石原慎太郎元都知事は、盛り土をしない…