日本外交と政治の正体
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習主席のサウジ訪問は単なる儀礼訪問にあらず…世界を変える可能性も
近年の論調を見て感じるのは、今の日本人の多くが「中国嫌い」ということである。中国に利のある報道はほとんど見られない。 習主席がサウジアラビアを訪問した際、ロイター通信は<習主席の車は、両国の…
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「技術戦争」で米国は抑え込めるか 研究開発は中国が量質の両面でトップに
ソ連の崩壊後、世界は米国の一極支配となった。 アリソン・ハーバード大学ケネディ行政大学院初代学長は、この状況について、「世界における複数の勢力圏が一つの勢力圏(米国の勢力圏)にまとまりを見せ…
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ウクライナ戦争でロシアの「完全敗北」がなくなった背景
ウクライナ戦争を「ウクライナ軍対ロシア軍の戦い」と見なすと本質を見失う。確かにロシア軍と戦っているのはウクライナ軍である。だが、この兵器は自前のものではない。ほとんどは米国が提供するものである。 …
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「ポーランド着弾ミサイル」をめぐるゼレンスキー大統領の嘘
対米追随がしみついた今の日本では、すっかりみられなくなった姿だが、国民性の根底には「判官びいき」や、弱者を応援する機運がある。 それがもろに出たのがウクライナ問題であり「悪いヤツ」=ロシアの…
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米国は信頼する指導者を持てぬ国になった 近年まれにみる混戦が意味するもの
米中間選挙は「2024年の米国大統領選にどう影響するか」が大きな関心であった。 中間選挙では、予備選挙でトランプ前大統領の支援する共和党候補者が次々と既存の政治家を破り、下馬評通り、同党が大…
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ロシア軍とプーチン大統領の溝 核兵器使用を抑えられるのだろうか
西側諸国では10月、ロシアのウクライナへの核兵器利用への言及が続いた。米国のバイデン大統領は6日、「キューバ危機以来の核兵器の脅威」「戦術核兵器を安易に使ってアルマゲドン(世界最終戦争)にならずに済…
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中国共産党大会が閉幕「習近平体制」は米国との対決姿勢を強める
5年に1度の中国共産党大会が22日に閉幕した。最大の特色は習近平体制が一段と強固になったことである。 中国は独裁体制になることを嫌って、国家主席のポストは2期10年までとしていたが、このルー…
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ウクライナへの核兵器攻撃の可能性に言及したプーチン大統領の狙い
日本は1945年8月6日に広島、同9日に長崎の両市に原爆が投下された。なぜ投下されたのか。 米国は日本の降伏を目指したが、日本は本土決戦を目指していた。本土決戦になれば大量の米兵が亡くなる。…
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ムハンマド皇太子の意思表示 サウジはもはや「米国のジュニアパートナーではない」
7月中旬に米国のバイデン大統領はサウジアラビアを訪問した。この訪問で、バイデン大統領はサウジで実権を握るムハンマド皇太子と会談した。 米国では総じて、この訪問を厳しく評価していた。米国に在住…
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ウクライナの東・南部4州併合で自ら退路を断ったプーチン大統領
ロシアのプーチン大統領は9月30日、ウクライナの東・南部4州を併合する演説を行い、各州の代表と併合の文書に署名した。 留意しなければならないのは、この併合はロシアが攻め入り、有利な状況の下で…
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「日本沈没」に目を閉じる国民と、誤った方向に歩みを進める政府の行く末
最近の国民の関心は、安倍晋三元首相の「国葬」をめぐる是非、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党との関係に集中していた。だが、日本が今、真剣に取り組まなければならないのは「日本の沈没」への対…
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印ロ首脳会談でモディ首相が口にした「戦争の時ではない」の意味
インドのモディ首相とロシアのプーチン大統領が、ウズベキスタンのサマルカンドで開かれた上海協力機構首脳会議後に会談。モディ首相は「今は戦争している場合ではない」「解決策を見つけないといけない」と発言し…
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安倍元首相の国葬とエリザベス女王の葬儀 運命のいたずらか必然の皮肉か
英国のエリザベス女王が滞在先のバルモラル城で死去した。多くの英国人がバッキンガム宮殿やバルモラル城周辺、あるいはトラファルガー広場に集まり、弔意を表した。 夕暮れ時バッキンガム宮殿の上に虹が…
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安倍元首相の国葬で「弔問外交」は機能しない 小渕元首相の時よりも格落ちになるだろう
安倍元首相の葬儀を国葬にすることについて、政府は「可能なかぎり首脳会談などを行い、いわゆる弔問外交を通じて、各国などと関係強化を図る」との考えを示し、弔問外交を国葬にする理由のひとつに挙げている。 …
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武器を与え「戦争ヤレヤレ」とあおった西側をインフレが襲う想定外
ロシアのウクライナ侵攻以降、米国が主導する西側の政策は明確だった。 ウクライナに武器支援を行い、ロシアが勝利しないよう、かつ、ロシアを完全撤退させるまでやっつけない。そして戦争を長期化させ、…
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岸田首相の「聞く力」は国民に向いているか 世論調査では「説明不足」89.5%
昨年10月4日に岸田内閣が発足した際、多くの国民はこれを好意的に迎えた。 岸田首相は自民党総裁選で、「私は人の話を聞くことが信頼の原点だと思っている。『聞く力』は誰よりも優れている」と強調。…
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現代に「大逆事件、二・二六事件、ゾルゲ事件」を振り返る意味
岐阜県恵那市の恵那文化センターで8月13日、「戦前戦後史人権フォーラム」が開かれた。 このフォーラムでは、1910年に明治政府が社会主義者らに対して行った弾圧事件の「大逆事件」や、1936年…
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【特別寄稿】台湾有事をめぐり米中が軍事衝突すれば、負けるのは米国だ
台湾を訪問した米国のペロシ下院議長が蔡英文総統と会談した際、「台湾と世界の民主主義を守るという米国の決意が揺らぐことはない」と述べた。この動きに対し、中国は激しく反発。王毅外相は談話で、「米国の一部…
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無関係を装う自民党と「安倍元首相が旧統一教会票の仕切り役だった」という証言の意味
安倍元首相の銃撃事件では直後、日本メディアの報道姿勢に不可解な事態が発生した。産経新聞が「県警は(犯人が逮捕容疑についての)認否を明らかにしていない」と報じていたにもかかわらず、朝日、共同、日経、読…
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対中東政策のもくろみ外れ…勢力圏が縮小する米国はサウジ懐柔にも失敗した
中東外交の帰趨を決める上で、サウジアラビアの占める役割は極めて大きい。米国は1970年代の石油危機以降、サウジとの関係の強化に努め、米国の対中東政策の拠点としてきた。 安全保障政策では、(1…