スクープドッグ咆哮記「高倉健」編
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<最終回>健さんを看取ったのはTさんひとりだった
健さんの闘病に付き添う養女のTさんは、担当医から最後の手段であるモルヒネ投与を告げられたという。 「私自身、本人の前では絶対に悲しむような顔は見せるつもりもありませんでしたし、気丈に振る舞うこ…
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<第8回>養女のTさんが言葉を選びながら語り始めた
プライベートを切り売りすることをよしとせず、最後の最後まで「俳優・高倉健」としての美学を貫いた健さん。彼が“自分の死”以上にひた隠しにしてきた重大な秘密――。それは“養女”がいたことだった。 …
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<第7回>「健さんの養女はTさんという50歳の元女優ですよ」
《諸行無常。》 この言葉で始まる、文藝春秋2015年新年号「高倉健が病床で綴った最期の手記」は大反響を呼んだ。健さんが、亡くなる4日前に完成させたという手記は、8月15日の終戦、比叡山延暦寺の…
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<第6回>「健さんの遺骨はどこにあるのか…」編集部の会議ではその話題が繰り返されていた
高倉健 ドキュメント「最後の日々」――。週刊文春2014年12月4日号は、グラビアと特集で全45ページにわたる追悼特集を組んだ。反響は大きく、私も引き続き取材を続けていた。 ところが出張先の…
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<第5回>健さんの素顔をファインダー越しに見たカメラマンのエピソードが胸を打った
《春に春に追われし 花も散る 酒ひけ酒ひけ酒くれて どうせ俺らの行く先は その名も網走番外地》 締め切りまでの時間がないというのに、眠い目をこすり健さん主演映画「網走番外地」を見ていた。 …
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<第4回>親族は誰も知らされていなかった健さんの病状
「健さんが病気だったことは、実の妹も知らされていなかったんです」 取材が難航するなか、健さんの出身地、福岡・筑豊地方を取材していたO記者から驚くべき報告が上がってきた。 「え、そんなこと…
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<第3回>女性記者の熱意が通じた王貞治さんのスクープコメント
「事務所はまったく対応しないようだね。お別れの会をするという話もない。それにしても健さんの遺骨はどこにあるんだろう」 「健さんが懇意にしていた中華料理店オーナーのJさんのところですかね。自宅に祭…
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<第2回>片っ端から人脈を当たると、健さんの晩年を知る人物にやっと行きついた
プライベートを切り売りせず“銀幕のスター”の美学を貫いてきた健さん。それは最期まで厳格なほど徹底していた。赤坂の高倉プロモーションに取材しても対応はなく、報道陣は事務所のあるビル前で立ち往生だった。…
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<第1回>どこで亡くなったのか。誰が看取ったのか。最期の容体は――。すべてがわからなかった
「俺は鉄道員みたいにひっそりと誰にも知られず逝きたいんだ。だから、頼むから派手な葬儀はしないでくれ」 高倉健は、闘病中のベッドで近親者にこう告げたという。2014年11月10日、多くのファンか…