企業深層研究
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大林組<上>リニア不正入札疑惑 談合認める社風がアダに
談合の大林組は健在なり――。 JR東海が発注したリニア中央新幹線の関連工事の入札で不正があったとして、東京地検特捜部は12月8~9日未明、偽計業務妨害の疑いで大手ゼネコン大林組の本社などを家…
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武田薬品<下>外国人社長の誕生で日本人幹部は少数派に
2014年6月27日、武田薬品工業は定時株主総会を開いた。1781(天明元)年の創業以来、初めて外国人社長を選ぶという歴史的な総会だ。英製薬大手グラクソ・スミスクライン出身のフランス人、クリストフ・…
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武田薬品工業<上>3度目の挑戦となるか 海外M&Aの成否
武田薬品工業は3度目の海外大型M&A(合併・買収)に勝負を懸ける。 米ナスダック上場で、がん治療薬を手がける製薬会社、アリアド・ファーマシューティカルズ(マサチューセッツ州)を54億ドル(約…
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産業革新機構<下>設立を主導した「JDI」の経営は泥沼化
産業革新機構による日の丸液晶メーカー、ジャパンディスプレイ(JDI)への支援は行き当たりばったり。袋小路に迷い込み出口が見えない。 革新機構は2009年7月、先端産業の育成を目的に生まれた。…
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産業革新機構<上>東芝メモリ争奪戦の陰の主役だった
東芝は米投資ファンド、ベインキャピタルを中心とする日米韓連合と半導体メモリー子会社・東芝メモリの売却契約を結び、10月24日に開催した臨時株主総会で承認された。売却額は2・1兆円。混迷を極めた争奪戦…
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神戸製鋼所<下>現実味を増してきた「事業再編シナリオ」
神戸製鋼所はメーカーでありながら、ものづくり出身者はトップになれなかった。このような特異な企業体質が形成されたのは、1969~70年代に起きた内紛劇による。 神鋼は尼崎製鉄(尼鉄)を吸収合併…
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神戸製鋼所<上>不正隠蔽の代償「賠償金」請求に苦しむ
神戸製鋼所が11月10日に公表した検査データ改ざん問題の報告書は、最終的な結論を外部調査委員会に丸投げするという、全く不十分なものだった。それでも、収益評価に偏った経営と閉鎖的な組織風土、品質軽視の…
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アサツーディ・ケイ<下>高額配当金を続けた裏事情とは?
アサツーディ・ケイ(ADK)は1999年に旭通信社と第一企画が合併して誕生した。 旭通信社を一代で築いた故稲垣正夫は広告業界の有名人だ。 「大手と同じことをしていてはダメだ」との大方針…
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アサツーディ・ケイ<上>米投資ファンドによるTOBの行方
広告代理店国内3位のアサツーディ・ケイ(ADK)は10月2日、同社株式の24.96%を保有する世界最大の広告グループ、英WPPとの資本提携関係を解消すると同時に、米投資ファンド・ベインキャピタルによ…
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資生堂<下>国内工場36年ぶり新設 一方で“改革”のひずみも
マーケティングの「プロ経営者」魚谷雅彦の陣頭指揮で、資生堂の業績は好調だ。17年12月期上半期(1~6月)の連結決算の売上高は前年同期比15%増の4721億円、営業利益は同74%増の346億円、純利…
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資生堂<上>プロ経営者が仕掛けた若い女性シフトが奏功
資生堂と動画配信サービス運営のCチャンネル(東京・港区)は10月20日、若い女性向けに共同企画したヘアカラーを発売した。商品名は「S ヘアチョークパレット」。5色あって価格は各1058円。Cチャンネ…
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エフピコ<下>創業者の「売れるトレーをつくれ」で復活
エフピコ会長兼CEO(最高経営責任者)の小松安弘は今年5月23日、肺炎で亡くなった。享年79。 先見の明のある経営者だった。 1937年、岡山県井原市の生まれ。日本大学経済学部を卒業…
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エフピコ<上>電子レンジ対応の耐熱トレーで業界トップ
中食ブームが追い風となって、エフピコの快進撃が続いている。スーパーやコンビニなどで使用される食品トレーのトップメーカーだ。 中食とは、外食と内食(食材を購入して家庭で手作りする食事)の中間に…
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ゼンショーHD<下> ワンオペ廃止でブラック企業の汚名返上
外食業界のトップに君臨するゼンショーホールディングス(HD)の小川賢太郎会長兼社長は異色の経歴の持ち主だ。東京大学の全共闘(全学共闘会議)の活動家として安田講堂攻防戦を闘った。東大を中退し、横浜港で…
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ゼンショーHD<上> 傘下企業の惣菜店がO-157で閉鎖の悪夢
ゼンショーホールディングスは売上高で外食業界のトップに立つ。2017年3月期のそれは5440億円。ファミリーレストランすかいらーくの3545億円(16年12月期)、ハンバーガーチェーン日本マクドナル…
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SGホールディングス<下> 佐川急便は“スキャンダルの宝庫”
SGホールディングス(以下、SG)の東京証券取引所第1部への新規上場、傘下の佐川急便と日立物流の経営統合が秒読みの段階に入った。 懸念材料はコンプライアンス(企業統治)の問題だ。この言葉には…
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SGホールディングス<上>上場で億万長者の社員が続出?
宅配便大手の佐川急便を傘下に持つ持ち株会社SGホールディングス(以下SG、京都市)が早ければ9月にも東京証券取引所第1部に新規上場する。時価総額は3000億~4000億円規模と推定されており、ヤマト…
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フリージア・マクロス<下>会長が関与する企業は50社超
富士通を相手に大立ち回りを演じた佐々木ベジ氏は、バブル紳士の生き残りのひとりだ。 1955年9月26日、伊豆諸島最南端の東京・青ケ島の生まれ。村長を務めていた父親、奥山治氏が菜食主義者であっ…
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フリージア・マクロス<上>富士通とのTOB合戦に勝利
「秋葉原の風雲児」が富士通に勝った。ジャスダック上場の電子部品商社、ソレキアをめぐるTOB(株式公開買い付け)合戦で、東証2部上場のプラスチック押し出し機製造のフリージア・マクロスの佐々木ベジ会長が富…
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ドンキホーテHD<下>時価総額でユニー・ファミマHDに並ぶ
「億万長者の安売り王」 ドンキホーテホールディングス(ドンキ)の創業者、安田隆夫氏(68)はこう呼ばれる。既に引退し、肩書は創業会長兼最高顧問。岐阜県大垣市の出身。慶応義塾大学法学部に進んだが…