佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず
「以前と比べ、明らかにストライクをよくとれている。その結果、長いイニングを投げられる。少しずつ自信がついてきているように思う」
ドジャースのロバーツ監督がこう言った。
日本時間27日のパイレーツ戦で5回3分の2を投げて、5安打3失点だった佐々木朗希(23)に関してだ。
メジャー6度目の登板も初勝利とはならなかったが、開幕当初より明らかに投げる割合の増えている球種がある。スライダーだ。
開幕から4試合は12.8%だったのが、この日は23.7%。ここ2試合は26%に上昇している。
佐々木の日本時代の球種(速球、フォーク、スライダー)を数値化したドジャースが、最も評価したのはフォークで、次が速球。この2つの球種の質はメジャー平均を上回っているものの、スライダーは平均以下だった。
最も質の落ちるスライダーの割合を増やすようにしたのは、すなわち質の良いフォークと速球を思うように操れないからに他ならない。
ロバーツ監督はこの日の試合前、佐々木の球速が上がらない理由に関して「制球を意識し過ぎて、(球速を)あえて抑えている部分もあるようだ」と言った。開幕から1カ月経ってもメジャー球が手につかないのか、160キロ超の速球を投げれば制球が定まらない。そのため、あえて力をセーブしている。速球の質が低下すれば、フォークの威力も半減するうえ、この日はフォークがすっぽ抜けるシーンがしばしばあった。要するに思うように操れないフォークをスライダーでカバーしているのだ。