企業深層研究
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住友林業<下>住宅事業で同グループの住友不動産と競合
世界遺産の「仁和寺」(京都市)は、境内にある空き家だった旧家屋「松林庵」を「高級宿坊」に改築した。1泊100万円(税別)で、訪日富裕層をターゲットにする。住友林業グループが改修した。 住友林…
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スルガ銀行<下>金融庁の森長官が「モデル銀行」と絶賛
スルガ銀行は岡野家の銀行である。数少なくなった同族経営である。 ユニークな頭取は3代目の岡野喜一郎。希代のコレクターとして、美術界に大きな足跡を残した。 喜一郎は戦後、彗星のごとく登…
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スルガ銀行<上>「かぼちゃの馬車」への不正融資疑惑なぜ?
女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズ(東京都中央区)が破産した問題で、大半の所有者に融資したスルガ銀行は5月15日、社内調査結果を公表した。米山明広社長は、「営業部門がスマ…
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パソナグループ<下>「平成の政商」と呼ばれた南部代表
パソナグループ代表の南部靖之は、1952年、神戸市生まれ。関西大学工学部在学中の76年2月に人材派遣会社テンポラリーセンター(現パソナグループ)を設立した学生起業家だ。 90年代末のベンチャ…
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パソナグループ<上>東京駅前の本部に「大手町牧場」の奇策
人材派遣大手のパソナグループは2017年8月9日、東京都千代田区の東京駅前の本部が入居するビルの13階に「大手町牧場」を開設した。牧場の広さは約1000平方メートル。牛、豚、アルパカ、ヤギ。さらには…
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丸井グループ<下>親子3代そろって業態転換に踏み切った
丸井グループは創業家の親子3代がビジネスモデルを大きく転換してきた。 創業者は青井忠治。1904年、富山県生まれ。18歳で上京、新宿の月賦販売の丸二商会に就職。10年後に暖簾分けの形で独立。…
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丸井グループ<上>脱アパレルで成功した「博多マルイ」
丸井といえば「赤いカード」を武器に若者に割賦販売を普及させ、デザイナーズブランドなどで若者ファッションの代名詞ともてはやされた。だが、「ヤングの丸井」は過去の姿だ。 丸井グループ社長の青井浩…
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森永製菓<下>「大森永」の誕生を阻むドンたちの根深い確執
森永製菓と森永乳業の経営統合が幻となった。 2017年3月30日、両社は統合の見送りを発表した。製菓と乳業の統合話は今回が初めてではない。 創業者・森永太一郎の孫の剛太(現・会長)は…
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森永製菓<上>安倍昭恵夫人のルーツに“創業パートナーの絆”
安倍晋三首相夫人の安倍昭恵は政局の陰の主役である。森友学園「瑞穂の国記念小学院」名誉校長だった。安倍昭恵という存在が財務官僚の忖度を引き起こし、安倍1強体制を揺るがしているとの指摘がある。 …
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積水ハウス<下>会長解任劇…脈々と流れるお家騒動の遺伝子
因果応報という言葉がある。歴史は繰り返すという。カール・マルクスは「歴史は繰り返す。1度目は悲劇として。2度目は喜劇として」と看破した。 積水ハウスのお家騒動は、いずれの言葉もが、ぴったりと…
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積水ハウス<上>実力会長を「解任」で内紛は収束したか
積水ハウスは1月24日の取締役会で首脳人事を決めた。2月1日付で和田勇会長(76)が取締役相談役に退き、阿部俊則社長(66)が会長、仲井嘉浩取締役(52)が社長にそれぞれ就任した。 2月20…
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日本ハム<下>球団が導いたハム・ソーセージ業界トップ
日本ハムの2018年3月期の連結決算(米国会計基準)の売上高は1兆2700億円で前期比5・6%の増収。営業利益は人件費の上昇の影響で520億円と3・3%の減益で、最終利益は5・7%増の370億円とな…
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日本ハム<上>空港で破廉恥…部下のセクハラ発言で社長辞任
日本ハムは1月29日、臨時取締役会を開き、末沢寿一社長(63)が取締役となり、畑佳秀副社長(59)が社長に昇格する同日付の人事を決めた。末沢氏は3月31日付で取締役も退任する。 末沢氏は「一…
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ほぼ日<下>株主が期待する“糸井プレミアム”という株高
2017年11月26日の日曜。「ほぼ日」は、東京・新宿の日本青年会館ホテル8階の「カンファレンスルーム イエロー」で株主総会を開催した。17年3月にジャスダックに上場し、8月の本決算を発表。株式公開…
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ほぼ日<上>マルチ人間・糸井重里社長の上場までの日々
糸井重里(69)はマルチ人間である。コピーライター、エッセイスト、テレビタレント、作詞家。妻は女優の樋口可南子。そして株式会社「ほぼ日」の代表取締役社長だ。 「ほぼ日」は2017年3月16日、…
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串カツ田中<下>倒産寸前から復活した「二人三脚経営」
串カツ田中の創業社長、貫啓二(47)は大阪府三島郡の生まれ。父は町工場の職人、母は編み物の先生で2人兄弟の弟。小学校から硬式テニスを始め、中学2年の時には身長180センチを超えた。 1989…
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串カツ田中<上>意外なインバウンド効果 大阪から世界進出
2017年の外食売上高は3年連続で前年を上回ったが、居酒屋だけは9年連続のマイナスだった。居酒屋市場は若者の酒離れ、“ちょい飲み”の浸透で逆風が吹き付けている。 しかしこうした環境下でも、低…
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三菱マテリアル<下>土壌汚染を隠しマンション販売の過去
三菱マテリアルは、1990年に三菱鉱業セメントと三菱金属が合併して誕生した。三菱鉱業セメントの前身は三菱鉱業。三菱鉱業の金属部門を継承して戦後、設立されたのが三菱金属だ。つまり、旧三菱鉱業が素材メー…
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三菱マテリアル<上>不正公表の遅れ…隠避体質が浮き彫り
子会社3社が製品の検査データを改ざんしていた三菱マテリアルは12月19日、3社のうち三菱電線工業で新たな不正が判明したことを発表した。携帯電話の電子部品などに使う平角マグネットワイヤで性能データ改ざ…
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大林組<下>談合で指名停止のペナルティーが待ち受ける
高度経済成長期は大物“仕切り屋”の時代だった。中央談合組織「経営懇話会」の会長を務めた飛島建設会長の植良祐政には談合の総元締という称号がついた。建設族のドン・田中角栄元首相と強い結びつきがあったから…