HOT Interview
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「ひとりが要介護になるとき。」山口道宏氏
下流老人、老老介護、行き場のない寝たきり老人、孤独死……老後の暗いニュースが駆け巡る昨今、不安に思わない人はいないだろう。特に貯蓄も年金も少ない独居老人ならなおさらだ。 本書は、介護福祉士や…
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「店長がバカすぎて」早見和真氏
「実はずっと書店員が苦手だったんですよ。本屋大賞のせいです。デビュー当時は本屋大賞がちょうど盛り上がってきた頃で、某大御所作家が賞をもらうために書店員を食事接待漬けにしている、なんて噂も広まっていまし…
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「体感訳 万葉集」上野誠氏
新元号・令和が万葉集からとられたことを受け、改めて注目が集まっている万葉集。しかし、実際に読んだことがある人は少ないかもしれない。 「古典で歌集というと難しいイメージを持つかもしれませんが、万…
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「結局、ウナギは食べていいのか問題」海部健三氏
夏、土用の丑の季節になると、世にウナギが出回ると同時に、ウナギの危機が叫ばれる。年々ウナギが高騰する一方で、チェーン店で気軽に食べられるようにもなった。実際、ウナギは食べていいのか? 本当に減ってい…
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「死者の民主主義」畑中章宏氏
民俗学者である著者は、「妖怪たちにも選挙権を」と主張する。 「河童や座敷童子といった妖怪たちは、災害や戦争などで不慮の死を遂げた人々の集合霊であり、生き残った人々の後ろめたさの感情が伝承される…
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「はっとりさんちの狩猟な毎日」服部小雪氏
横浜郊外の閑静な住宅街で、イノシシの骨が軒下にぶらさがり、ベランダには干したシカ生皮、庭ではオスのニワトリが全速力で駆け回る家がある。本書はそんな野性的な暮らしをイラストと共につづったエッセーである…
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「うまい!大衆そばの本」坂崎仁紀氏
「最近は老舗や高級店の十割、八割といった手打ちそばがもてはやされていますよね。でも自分は、敷居が低くてゆるい大衆そばならではの奥深さ、うまさがあるんだぞと言いたい。老舗・高級系のそばは、江戸後期頃から…
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「自動運転の幻想」上岡直見氏
高齢ドライバーによる東京・池袋の暴走事故、滋賀・大津の園児死亡事故など、痛ましい事件が相次ぐなか、「自動運転」への期待が高まっている。その一方で、「多くの負の面が置き去りにされている」と著者は警鐘を…
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「緋の河」桜木紫乃氏
「実は麻紀さんとは釧路北中学の先輩後輩になるんです。それが縁で数年前、対談に呼んでもらい、初めてお会いしたのですが、会った瞬間の麻紀さんの“圧”というか、存在感に言葉を失ったんです。そして23歳離れて…
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「東京凸凹散歩 荷風に習って」大竹昭子氏
永井荷風が大正3年の8月から翌年6月にかけて執筆していた「日和下駄」は、街歩きの草分けとも言える散歩エッセー。「坂」や「路地」や「寺」など、11テーマに分けて街歩きの成果が紹介されており、ただぶらぶ…
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「日本の異国」室橋裕和氏
お隣は外国人――近い将来、そんな話は珍しくなくなるだろう。海外からの移住者は2017年に250万人を超えた。留学生や短期滞在者を入れればその数倍となる。 いつの間にか日本は「移民大国」に変貌…
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「悪の五輪」月村了衛氏
舞台は、五輪開催を翌年にひかえた昭和の東京。公式記録映画監督に決まっていた黒沢明の突然の降板から、後任に市川崑が決定するまでの間に暗躍する者たちのドラマを、実在の大物ヤクザや戦後最大のフィクサー・児…
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「ボダ子」赤松利市氏
「100%実話です」 著者がそう言い切る本書は、境界性人格障害(ボーダー)と診断された娘の父・大西浩平を主人公にした私小説である。この大西こそが著者・赤松氏なわけだが、大西という人間の強烈さ、…
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「プログラミング教育はいらない」岡嶋裕史氏
2020年度から、小学校でプログラミング教育が必修化される。プログラミング言語を操るプログラマーの英才教育が行われるということは、日本からもビル・ゲイツやザッカーバーグのような傑物が輩出される時代が…
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「会計と犯罪」細野祐二氏
オリンパスや東芝の粉飾決算をいち早く見抜き、日本の監査制度が機能不全に陥っていると切り捨てる著者は、異端の元公認会計士である。 シロアリ駆除会社「キャッツ」の粉飾決算を主導したとして東京地検…
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「鳥肉以上、鳥学未満。」川上和人氏
コンビニ各社の「サラダチキン」が大ヒットし、鶏のささみダイエットがはやるなど、脂質が少なく健康にいいと鶏肉の人気は高まっている。日本では年間1人約6羽ほど食べられており、鶏卵は年間300個以上と世界…
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「東京貧困女子。」中村淳彦氏
「僕は20年以上、AV女優や風俗の取材をしてきましたが、2006~07年あたりから、日本はおかしくなっているのではないか、と思うようになりました。それ以前は、AVや風俗といったリスクのある仕事をするの…
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「資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界」佐々木実氏
世界的な経済学者の宇沢弘文東大名誉教授が亡くなったのは2014年9月18日(享年86)。このほど、600ページを超える大著となる宇沢氏の伝記が出版された。 著者が宇沢氏に興味を持ったのは、大…
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「日本の『水』が危ない」六辻彰二氏
「今、このテーブルにお冷やが置いてありますけど、喫茶店で無料の水を出してもらえるのは世界ではごくまれです。水道水を飲めるのは世界でも13カ国しかないし、欧米ではコップ1杯の水にもお金を払うのが常識。日…
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「吃音 伝えられないもどかしさ」近藤雄生氏
自分の意思に反して言葉が詰まり、なめらかに話すことができない「吃音」。日本では推定100万人がその問題を抱えているといわれるが、いまだメカニズムは解明されておらず、確かな治療法もないまま、追いつめら…