HOT Interview
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「ひとりの覚悟」山折哲雄氏
釈迦は80歳で、親鸞は90歳でこの世を去った。今年88歳を迎える著者は、思想の恩師らの年齢に近づいてきたことで、具体的に安楽死について考えるようになったという。 「人生100年時代というけれど…
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「老人ホーム リアルな暮らし」小嶋勝利氏
「子供の反対を押し切り、自らホームに入居し、死期も自覚していたかのように穏やかに息を引き取った83歳の女性もいれば、夫婦ともに認知症で入居した元官僚の男性は、過去の浮気が原因で妻から居室で虐待され続け…
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「7袋のポテトチップス」湯澤規子氏
漬物、アンパン、冷凍食品、バナナ、チョコレートなど、庶民にとってごく身近な「食」を通して戦後の日本社会が歩んできた歴史をダイナミックにひもとく“胃袋の現代論”だ。 「前作『胃袋の近代』では大阪の飯…
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「『承認欲求』の呪縛」太田肇氏
SNSで「いいね!」をもらうことに必死になったり、不適切動画をネットにアップして書類送検されてしまう――。こうした、世間の注目を浴びたい「承認」を求める人々の行動が問題になっている。 「目立ち…
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「生き抜くための俳句塾」北大路翼氏
俳句ブームが続いている。しかし、俳句の上達には「技術だけ勉強しても無駄」と一刀両断するのが、新宿・歌舞伎町を拠点とするアウトローな俳句グループ「屍派」の家元である著者。夜な夜な開かれる句会には“生き…
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「救いの森」小林由香氏
近年、子どもの虐待事件が後を絶たない。一時は保護されながらも両親の虐待で死亡した野田市の少女などは記憶に新しい。本書は、多くの人が関心を寄せる児童保護を題材にとった4章からなる小説だ。 「高校…
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「リバタリアニズム」渡辺靖氏
オバマにもトランプにも共感しない。保守のように銃規制や社会保障費増額には反対するが、同性婚や中絶には賛成。ナショナリズムやイラク戦争には反対……これまでの左右対立におさまらない、アメリカの若い世代に…
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「アンダークラス」橋本健二氏
あなたの周りにも、パートやアルバイトで目いっぱい働いている人たちがいるのではないだろうか。つまり、非正規雇用の人々。今、その数が急速に増大している。 著者は、非正規雇用で働く階級を「アンダー…
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「日本の『中国人』社会」中島恵
日本で暮らす中国人は、2017年末時点でおよそ73万人。在日外国人全体の3分の1を占め、鳥取県や島根県の人口を大きく上回っている。 「驚くのは人口の多さだけではありません。在日中国人の実像は、…
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「昆虫は美味い!」内山昭一氏
近年、昆虫食ブームだ。昆虫を食べると聞くと、イナゴのつくだ煮や蜂の子など昔ながらの料理、あるいは東南アジアの屋台に並ぶ料理を思い浮かべる人も多いだろうが、このブームはさにあらず。世界中がある理由から…
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「手帳と日本人」舘神龍彦氏
手帳の歴史から日本人の時間感覚や仕事観、そして精神史をあぶり出す、異色の日本論だ。本書によると、日本人は手帳が大好きらしい。このデフレ期、さらにグーグルカレンダーなどデジタルクラウド上でのスケジュー…
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「この先をどう生きるか 暴走老人から幸福老人へ」藤原智美氏
著者によるベストセラー「暴走老人!」では、コミュニケーション不全など誰もが持つ暴走老人になり得る原因を探った。そして本書では、どうしたら暴走老人にならず、生きがいのある老後を送る“幸福老人”となれる…
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「ゆかいな認知症」奥野修司氏
今、先進国の中で日本人が一番多いという認知症。もはや国民病といった様相だが、もし認知症になったら、何も分からなくなってしまう――。こんなふうに思っている人は少なくないだろう。 「もう20年も前…
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「『日本の伝統』という幻想」藤井青銅氏
「日本古来の伝統」「先祖代々のしきたり」といわれると、守らなければと思いこみがちだ。実際には、昔からやっていたのか疑わしいモノも多い。 「初詣に成人式、重箱のおせち……伝統的といわれる儀式やしき…
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「AI監視社会・中国の恐怖」宮崎正弘氏
凄まじい勢いで進化する中国のデジタル監視社会、その実態と闇を描いたノンフィクションだ。 本書によれば、中国では交通警官のサングラスに顔識別装置内蔵で犯罪者を即座に識別、街中の監視カメラは当然…
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「日本が売られる」堤未果氏
市場開放や規制緩和など、聞こえのよい言葉を隠れみのにして進む外資への「日本売り」。その魔の手は日本の公的資産にまで及び、政府によって叩き売りされている。本書では、大手マスコミが報道しない日本解体の舞…
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「居酒屋甲子園の奇跡」桑原才介氏
今年も11月に、パシフィコ横浜で、5000人もの観客を前に「居酒屋甲子園」が開かれた。 覆面調査などで地区予選を勝ち抜いてきた全国の繁盛店5店の店長やスタッフら15~30人が、壇上で自店の取…
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「凡人のための地域再生入門」木下斉氏
久々に帰省したら地元が驚くほど寂れていた。空きテナントに売り地、シャッター商店街。住人はいるものの、活気は皆無。あるいはのどかだった田舎の風景が激変し、どこの地域でも同じような大手系列店だらけ。 …
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「雨上がりの川」森沢明夫氏
魅力的な登場人物たちが織りなす温かな人間模様から、読者が改めて自分の人生を振り返り、身近な幸せに気づく。そんな小説を数多く手がけてきた著者の最新作である。 「以前知人から、奥さんがスピリチュア…
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「時代」本城雅人氏
平成が来年4月末で終わる。「たった30年」と捉えるか、「激動で濃密な30年」と振り返るか。 本書は、昭和から平成にかけて、同じ職に就いた父と息子たちのそれぞれの物語である。伝統ある家業を継ぐ跡取…