2020年東京大会へ 実践五輪批判
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JOCと組織委は五輪精神を蹂躙するベラルーシ政権に一撃を
1993年3月、私はローザンヌの国際オリンピック委員会(IOC)本部にいた。サラエボ救援義捐金を届けるためだ。前年から起こったバルカン半島民族紛争で機能不全に陥ったボスニアオリンピック委員会(BIH…
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10.10の雨に思う…東京五輪2020は遺産を破壊する行為では
今年の10月10日、東京は雨が降り続いた。1964年の同日、世界中の晴天を集めたような東京の空の下、5151人の世界の若人が国立競技場に集まった。スポーツが平和な世界をつくる夢が実現したこの日を記念…
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東京五輪に新たな問題 憲章抵触で米国が出場停止の可能性
去る10月1日、米国下院議会は「オリンピック、パラリンピック、およびアマチュアアスリート法2020年」の強化を採択した。10月13日より前にトランプ大統領の決裁を得ると言う。議会が米国オリンピック・…
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東京五輪 ムダが跋扈する開会式にこそメスを入れるべきだ
オリンピックの簡素化とは何か? 9月25日、IOC調整委員会は52項目の簡素化に大会組織委と合意した。参加する大会関係者の削減、サービス合理化、式典や会場装飾の削減、輸送効率化など、事務局の涙ぐまし…
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室伏2代目スポーツ庁長官の落とし穴 政治の介入は避けよ
スポーツ庁長官に室伏広治氏が就任する。鈴木大地初代長官からバトンを受ける。金メダルリレーだ。2004年のアテネ五輪、ハンマー投げでアジア人初のメダルを獲得し、日本オリンピック委員会(JOC)理事や東…
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JOCも参加 初めて開かれたコロナ対策「調整会議」の意味
テレビ局からIOCコーツ新副会長の発言が波紋を呼んでいるので、解説して欲しいと依頼があった。9月7日、AFP通信の電話インタビューに答えて「東京五輪はウイルスがあろうがなかろうが開催される」と発言し…
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“ミスター卓球”荻原伊智朗さんならどう乗り切っただろうか
私にとって荻村伊智朗は特別な人だ。東京五輪2020が難儀に遭うたびに彼のことを思い出す。難題と一緒に闘ってきた。心が静まらない時には荻村に会いに行く。三鷹にある体育館の一角に彼の偉業を称えたスペース…
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IOCにとって安倍首相は「理想の首相だった」といえる理由
安倍首相の突然の辞任は世界で大きな反響を呼んでいる。数々の外交辞令が飛び交う中、国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長のそれは趣が違った。 「安倍首相の辞任は悲しい。持ち前の強さで病を克服…
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アントワープ五輪は戦禍とスペイン風邪拡大でも開催された
本来ならば今頃、東京オリンピック2020は既に閉会し、パラリンピックが開催されていた。長引くコロナ禍は来年の五輪・パラリンピック開催の希望を幽けきものにしているようだ。 かつて関東大震災で荒…
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政府設定のガバナンスコード 自律なき日本の暴力根絶策は
人権監視機構と訳すべきか。Human Rights Watch(HRW)というNGOがある。人権を守るために世界規模で、広範かつ綿密な調査を行う団体だ。そのHRWが「日本のスポーツにおける子どもの虐…
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五輪憲章50条撤廃論 日本選手が声を上げない由々しき事態
東京オリンピック2020が危機にひんしているように見える。新型コロナウイルス感染拡大のせいではない。五輪憲章第50条の改正を求める動きが拡散しているからだ。第50条とは五輪会場での政治的、宗教的、人…
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東京五輪実現へ 古代五輪の聖苑と修祓が参考になるのでは
近代オリンピックの父、ピエール・ド・クーベルタン男爵が1935年8月にドイツで行ったラジオ講演の記録が残っている。翌年に第4回冬季オリンピック(ガルミッシュ・パルテンキルヘン)と第11回夏季オリンピ…
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東京五輪開催なら…なぜ予算を感染対策につぎ込まないのか
安倍首相は本気で五輪を来年に開催したいと思っているのだろうか? ■IOCからの信頼を損ねるGoToキャンペーン 7月22日から「Go To トラベル」キャンペーンが始まってしまった。…
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日にちも名称も変わった「体育の日」に込められた思いとは
かつて「体育の日」は10月10日と決まっていた。それが知らぬ間に10月の第2月曜日になり、今年からは呼称も「スポーツの日」と変わり、今年に限っては東京オリンピックの開会式のはずだった7月24日が「ス…
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再選した小池都知事の重大かつ新たな五輪開催のミッション
小池百合子氏が第21代東京都知事に当選した。366万票という歴代2位の得票での再選。この結果についてはさまざまな論評がなされているので、オリンピックという視座から考えてみる。 すると、それは…
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オリンピックが選手の「あらゆる政治的表現」を禁じる理由
グローバル・アスリート(Global Athlete=GA)という団体がある。 昨年、選手の声をさらに反映させようと有志が集まって設立された団体で、何人かの著名なオリンピアンも参加しているよ…
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都知事選 延期五輪の現状、オリンピズムを理解する者は?
7月5日が投開票日となる東京都知事選に向け、各候補者の争点は、新型コロナウイルスに対する経済対策に絞られているようだ。候補者たちが誰もが聞くに心地よい公約を述べるのはどの選挙でも同様だ。だからこそ、…
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必死のIOCを尻目に…森組織委会長に見る政治家の五輪音痴
6月10日にIOCはリモートで理事会を開催し、史上初となるオリンピックの延期に対して、組織委が示した基本方針とロードマップを承認した。焦点となったのはオリンピック自身の簡素化だ。これは振り返れば20…
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現実味を増す ウエイトリフティングの東京五輪からの除外
もう30年前になる。1989年3月、私はハンガリーのブダペストにいた。冷戦体制崩壊の直前である。日本体育協会は東欧諸国とのスポーツ交流を円滑に進めるためにソ連と東独と2国間スポーツ交流協定を締結して…
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大会縮小は仕方ないが「魂のないオリンピック」を憂慮する
東京五輪2020の延期によって追加費用が3000億円とも3500億円ともいわれ、膨らむ予算のために、国際オリンピック委員会(IOC)と組織委がコスト削減に取り組んでいる。 新型コロナウイルス…