大人の基礎ノート 5分でわかる世界史
-
近現代中国の成り立ち(下)崩壊した「国共合作」コミンテルンに翻弄された陳独秀の悲劇
資料①をご覧ください。1921年に中国共産党結成大会が開かれた時の代表者一覧です。「鎌倉殿の13人」ならぬ、「中国共産党の13人」といったところでしょうか。その中には若き毛沢東も入っていますね。この…
-
近現代中国の成り立ち(上)陳独秀とは何者か?「徳先生と賽先生に学べ」に込めた意味
写真①は中華民国の革命家である陳独秀(1879~1942年)です。1915年から始まった新文化運動において、「徳先生と賽先生に学べ」と主張しました。一体、どういうことでしょうか? 陳独秀の前半生を振…
-
スチュアート朝シリーズ(下)英国王チャールズ1世を処刑 護国卿クロムウェルの成功と失敗
資料①をご覧ください。下のリボンには「平和は戦争によって求められる」という標語が記されています。とある人物の紋章なのですが、いったい誰だと思いますか? 実は、イングランド国王チャールズ1世を追い落と…
-
「あべこべ」の時代招いたチャールズ1世の自業自得、議会との対立が内戦に発展
絵①をご覧下さい。この絵は1640年代後半に描かれました。中央の人物は手足があべこべで、ネズミがネコを追いかけ、馬が荷車にムチを与えています。何だかおかしなことばかり描かれていますが、この絵が描かれ…
-
江戸時代の親書から読み解く日英関係史「おふりだんや国」の「ぜめし帝王」は誰?
資料①は17世紀初頭、つまり江戸時代の初めに、禅僧の以心崇伝が著した「異国日記」に掲載されている文章です。それは、とある外国の君主が日本に対して通商を求めた親書を和訳したものでした。 手紙を…
-
十字軍遠征は「聖なる戦い」だったのか…背景にうごめく政治的思惑と利益追求
皆さんは「十字軍」と聞いて最初に何を連想しますか? 「キリスト教の聖地であるイェルサレムをイスラーム教徒から奪回するための聖なる戦い」といったところでしょうか? 果たしてそれは本当なのか、十字軍の背…
-
遊牧世界を統一した「冒頓単于」愛馬も妻も手にかける狂乱のカリスマ?
写真①は「匈奴」の「冒頓単于」です。世界史の教科書に登場する人物の中でも、読み方の難しいひとりです。それぞれ、「きょうど」「ぼくとつぜんう」と読みます。 冒頓単于は前3世紀~前2世紀の初めに…
-
人間とは一体何者か? 原人・旧人・新人が併存…ヒトの本質は混血にあり
■ペーボ博士 写真①は、2022年のノーベル生理学・医学賞を受賞した、ドイツのマックス=プランク進化人類学研究所のスバンテ=ペーボ博士です。授賞理由は「絶滅した人類のゲノムと人類進化に関する発…
-
3度政治の表舞台へ上がった西太后のストロング・ウーマンぶり 首都から脱出後も堂々凱旋(下)
写真①は中央に西太后が、左右に欧米の公使夫人たちが並んだものです。西太后は欧米諸国とどのような関係を結ぼうとしていたのでしょうか? ■清仏戦争 ベトナムの保護権をめぐり、1884~85…
-
皇帝からの親孝行を夢見た西太后「中国3大悪女の一人」説は本当か?(上)
クイズです。「慈禧端佑康頤昭豫荘誠寿恭欽献崇熙皇太后」とは誰のことでしょうか? 漢字ばかりで目がくらくらしますね。これは私たちが一般に西太后(1835~1908年)と呼ぶ人物の正式な名前です(写真①…
-
ロシア支配に翻弄されたシェフチェンコ 国民的詩人が訴えたウクライナ民族の自由
ロシアによるウクライナ侵略から1年。いまだ終わりが見えてきません。今回はロシアに翻弄されたウクライナの国民的詩人タラス=シェフチェンコ(1814~61年)を取り上げます。まずは彼が詠んだ「遺言」(資…
-
ピョートル大帝vs皇太子アレクセイ「帝政ロシア」を揺るがした壮絶な父子の確執
絵①をご覧ください。ロシアのピョートル大帝(1672~1725年)による改革の一コマを描いたものです。一体、何をしているのでしょうか? ■大使節団 北ヨーロッパの大国スウェーデンとの北…
-
身長2m超えの偉丈夫 “暴れん坊皇帝”ピョートル1世が「帝政ロシア」を建てるまで
意外に思われるかもしれませんが、300年前の北ヨーロッパにおける大国はロシアではなく、スウェーデンでした。 特に三十年戦争(1618~48年)にも参戦したグスタフ=アドルフ王は強力な軍隊を率…
-
真珠湾攻撃はこうして「奇襲」になった…米国の暗号解読はなぜ遅れたのか
1941年12月7日、日曜日の朝7時49分(ハワイ時間)に、日本の海軍機動部隊から発した航空機が、ハワイの真珠湾を攻撃しました(写真①)。この時、宣戦布告がないまま攻撃した「卑怯な日本」というイメー…
-
地動説をめぐる闘い ガリレオは「それでも地球は動く」と言っていない?
資料①は「チ。─地球の運動について─」(小学館)という漫画の表紙です。 作者の魚豊氏は、コミックス全8巻に及ぶ作品の中で、世代を超えて継承される意志をテーマに、オムニバス風の大河ドラマを展開…
-
世界最古の遊牧帝国をつくったスキタイ人 黄金の胸飾りから見える東西の文化融合
高校の世界史教員をしていると「世界初の〇〇」や「世界で唯一の△△」などの枕ことばが付くものをチェックするというクセがついてしまいます。今回は「世界最古の遊牧帝国」のお話です。一体どのような人々だった…
-
遊牧民がつくった国際都市の“礎” 「隋の大興城」は現在の中国につながる
皆さんは唐(618~907年)の都をご存じでしょうか。国際都市として栄えた長安です。そこで資料①をご覧ください。興味深いことに、長安は隋(581~618年)の都である大興城を名前だけ改めたものだった…
-
ペレ3度目のサッカーW杯優勝は軍事独裁政権下 彼こそ「ブラジル国民統合」のキング
1984年8月25日、東京の国立競技場において、元サッカー日本代表の釜本邦茂さんの引退試合が行われました。私は運よくチケットを入手し、バックスタンドから釜本選手の姿を目に焼き付けました。しかし、この…
-
「地球4分の3周」が1日で届く 日本と世界をつなげた海底電信ケーブルの歴史
今や私たちの生活に欠かせないアイテムであるスマートフォン。この小さなコンピューターは、家の中でも外でも私たちが世界とつながる窓となっています。ところで、スマホはどういう仕組みで世界とつながっているの…
-
エジソンは「特許王」だった! ジョゼフ=スワンが発明した白熱電球の原理を独占
写真①は「発明王」で知られるエジソン(1847~1931年)です。蓄音機や白熱電球、キネトスコープ(映写機)の発明が有名ですね。 でも、白熱電球は本当にエジソンの発明と言っていいのでしょうか…