がんと向き合い生きていく
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また2カ月生き延びた…通院で定期検査を受けるがん患者の心境
2年ほど前に大腸がんの手術を受けたDさん(73歳・男性)のお話です。 定期の病院受診のため、寒いなか朝早く家を出ました。隣の空き家の庭の木が赤く咲き始めていました。「あるじなしとて春な忘れそ…
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白血病を克服した池江璃花子選手の復活は患者にとって大きな励みになった
最近の明るい話題として、競泳の池江璃花子さん(23歳)が、今年8月に開催されるパリ五輪への出場を決めたことが挙げられるでしょう。 2018年、池江選手は抜群の強さをみせ、期待されていました。…
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前立腺がんの治療後、下腹部に不快感が出ると心配になる
Aさん(65歳・男性)は、5年前、人間ドックでの採血の結果PSA値が高く、某がん拠点病院泌尿器科を紹介され、生検で「前立腺がん」と診断されました。 がんは限局していて中リスクに分類され、「手…
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戦争、病気、災害…年が明けてあらためて考えさせられた
ロシア・ウクライナ、イスラエル・パレスチナ、毎日、戦争の報道が続いています。現地の人たち、子供たちはかわいそうです。国境なき医師団も悲惨な現状を訴えています。 新聞記事の切り抜きを整理してい…
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被災地でがん治療を受けている患者に必要な対策はいくつもある
能登半島地震の災害で、亡くなられた方、負傷された方、たくさんの被災された方に心からお見舞い申し上げます。 「地震に備える」とは、まず身の安全、火災予防、避難場所の確認等々が考えられますが、東日…
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日進月歩の医学分野について生成AIに質問してみた
おかげさまで新しい年を迎えることができました。昨年は、戦争をしている国に比べたら平穏な日本でしたが、新型コロナ5類移行、夏の平均気温過去最高、沖縄の基地問題など安全と平和、議員の裏金疑惑、旧統一教会…
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これからは75歳以上のがん医療についてもっと検討しなければならない
がんの予防には、「1次予防」と「2次予防」が考えられています。 1次予防では、予防可能ながんリスク因子である生活習慣(食生活、身体活動、喫煙および受動喫煙等)の改善と、がんを発生させる感染症…
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貝原益軒の「養生訓」を読んだ医師「いかに持続的に実行できるか」
A医師は1カ月ほど前から、お昼近くになると上腹部にきりきりとした痛みがありました。先週、思い切って仕事を休んで、胃と大腸の内視鏡検診を受けました。 内視鏡検査医からは、「胃と十二指腸に赤い糜…
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年内に手術をしてほしい…そう希望するがん患者の気持ちは理解できるが
12月に入って、友人のB君から電話があり、こんな相談を受けました。 「知人の36歳になる息子さんが、検診で肺がんと診断されて、しかもリンパ節転移があるらしい。A病院を受診して、検査を行った後、…
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30年前にボリビアで出会った少年はいまどうしているだろうか
前回に引き続き、30年ほど前にボリビア外科学会に招待されて出席した時のお話です。 ボリビアのサンタクルス市を訪れた際、日本から同行した○○先生と私は空軍基地のようなところに連れていかれ、小型…
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人生初の海外学会だったボリビアでただただ白い湖に案内された
ずいぶん前、30年ほど前のことですが、ある大学の某教授から次のような依頼の電話がありました。 「ボリビア外科学会から特別講演を頼まれたのだけれど、他の学会と重なって自分は行けなくなってしまいま…
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「治った~」という掛け声とともに患者たちとの体操が始まった
私と同級だったO君は、大学に入学して間もなく休学しました。当時、三浦綾子さんの「氷点」が1000万円懸賞小説に入選し、映画にもなるなど大きな話題となっていて、O君の休学は懸賞小説を書くためではないか…
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「キノコががんに効く」は過去の歴史…かつて研究した友人の結論
高校で同窓だったB君が、小さな日本料理屋に連れて行ってくれた時のことです。小皿に3個、料理されたキノコがのっていました。私は「友人の田舎の庭にたくさん生えていたのと同じだ。これはきっとニワシメジだね…
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「がんだったとしても何もしない」…妻にそう宣言した知人から電話があった
小さな庭の、細い金網で囲った垣根に、アケビの伸びた枝、葉が絡まって、実が50個ほどなっています。アケビの実は割れ目ができて、皮は青、一部は茶色で、きれいな紫色もあります。実の中は白いゼリー状で、小さ…
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免疫チェックポイント阻害薬でがんが消えて5年経過…本人も周囲も驚き、喜んだ
進行したがんでも、手術後再発なく5年を過ぎると、医師からこのような言葉をかけられる場面が多いのではないでしょうか。 「おめでとう。良かったですね。もう、再発することはないと思います」「これまで…
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前立腺がんだった知人が急に亡くなったという知らせが届いた
もう、10年はお会いしていないOさん(75歳・男性)ですが、「半年ほど前に某病院で前立腺がんと診断され、尿道カテーテルを入れて蓄尿の袋を持って通院している」と、ご家族から聞きました。ご自身ではいろい…
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子宮頚がんワクチン…男性の接種も費用負担が減るかもしれない
今年9月、東京都の小池百合子知事が、子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)接種を男性が受ける際は自費となることについて、「男性のがん予防や集団免疫の効果が期待でき、区市町村への支援を検討する」と述べ、…
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妻が乳がんと言われ…ほとんど覚えていない同級生から電話がかかってきた
ある日、自宅に電話がかかってきました。 「同級生の○○です。覚えてる? 以前、入院していた親戚のことで、相談いただいたことがあるのだけれど……」 「○○君?」 だんだん思い出して…
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88歳の夫を86歳の妻が介護…いつまでがんばればいいのか
ご近所の老夫婦のお話です。ある日、88歳の夫が突然自宅で倒れ、意識のない状態で救急病院に運ばれました。急性心筋梗塞でした。幸い一命を取り留め、意識も回復。徐々に一般状態が良くなり、医師からは「退院し…
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7年前に大腸がんの手術を受けた男性が、熱中症の疑いで来院したが…
このところようやく暑さが和らいできたように感じますが、今年の夏は暑い日が続き、テレビやラジオでは「熱中症の予防には喉が渇いてからでは遅い」「こまめに水分補給を」「コップ1杯の水を」と盛んに注意を呼び…