「がんだったとしても何もしない」…妻にそう宣言した知人から電話があった
小さな庭の、細い金網で囲った垣根に、アケビの伸びた枝、葉が絡まって、実が50個ほどなっています。アケビの実は割れ目ができて、皮は青、一部は茶色で、きれいな紫色もあります。実の中は白いゼリー状で、小さな種が無数にあります。このゼリーを口に含むと甘く、種をペッと吐き出します。妻は、この皮を小さく切って、ひき肉とナス、キノコ、味噌などと一緒に油で炒めてくれます。これが、独特の苦みがあっておいしいのです。酒の肴にはもってこいです。
玄関先にカリンの木が電柱に負けじと大きくなりました。昨年は、2、3個だった実が、今年は30個以上もあります。一つ一つ、リンゴほどの大きな果実は、いつ見ても不思議だと思います。リンゴ、柿、ミカンなどが枝にぶら下がるのとは違って、果実の尻が上を向いているのです。地球の重力に反しているようにも思えてしまいます。実がたくさんできても、そのまま食べられるわけでもないのが残念です。昨年、焼酎でカリン酒をつくりましたが、ほとんど残っています。
そんなカリンを眺めていたら、親しい知人のAさん(75歳・男性)から電話がかかってきました。お話の概略は次のような感じでした。