日本外交と政治の正体
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武器弾薬の支援はすでに減少…ウクライナの全面勝利があり得ないこれだけの理由
ウクライナ戦争は極めて特異な戦争である。 戦う場所はウクライナ。戦う兵士はウクライナ兵とロシア兵だが、ウクライナは自国生産の兵器・弾薬で戦っているわけではない。NATO諸国が兵器・弾薬を提供…
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神宮外苑の樹木伐採計画に対する「3.5%の反対運動」を大手企業も見過ごすことはできない
英国で「シカモア・ギャップの木」と呼ばれていた一本の木が切られた。樹齢は数百年だった。 9月28日に突然、伐採され、16歳の少年が容疑者として警察に逮捕された。この事件を英メディアが報ずるの…
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国民の支持を失った岸田政権…女性議員の起用は支持率向上にならず
内閣改造が行われた場合、国民は「新内閣は(政治や経済にとって)プラスのことを行ってくれるであろう」と期待するため、通常であれば支持率は上がる。しかし、報道各社の世論調査は、見事と言っていいほどに上昇…
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神宮外苑再開発で歴史を重ねた「杜」を壊す蛮行は許されるか
イタリアの日本学者マライーニ氏が伊勢神宮を訪れた時、日本人の感性の鋭さについて、こう感じたという。 「大きな建物、柱、塔などがあるのではないかと探したが、そういうものは特にない。しかし、周りは…
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元公安調査庁職員・菅沼光弘氏の死…北朝鮮情勢に精通した人物の一人
公安調査庁本庁調査第二部長(国際情勢分析担当)を経て、1995年に退官し、その後も活発な言論活動を展開した菅沼光弘氏が2022年12月30日に死去した。87歳だった。 私は外務省情報調査局分…
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マクロン大統領の「同盟は家臣ではない」、日本国民はどう考えるか
世界で今、最も深刻な問題はウクライナ問題である。同国の兵士がウクライナで戦い、死者を出し、国土が荒廃しているが、この戦闘は実質、米国を先頭とする西側諸国対ロシアの戦いである。 西側諸国の兵器…
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日本の国連安保理常任理事国入りはないと考える、これだけの理由
日本外交の柱のひとつに国連安全保障理事会(安保理)常任理事国入りがある。しかし、その可能性は今や消滅したと言っていい。理由は2つある。 1つは「主要国首脳会議」(G7)以外の国の台頭である。…
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歴史の空白「緑十字機遭難事件」を考える 不時着は作為的だった可能性も
静岡県磐田市で20日、「緑十字機を語り継ぐ会」主催の会合で講演した。「緑十字機を語り継ぐ」は何を語り継ぐのか。 1945年8月20日深夜、軍機が鮫島海岸(磐田市)に不時着した。沖縄の伊江島飛…
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森喜朗元首相「ロシアが負けることは考えられない」発言の正当性
森元首相が会合で「ロシアが負けることは考えられない」「(日露関係について)せっかく積み立ててここまで来ているのに、こんなにウクライナに力を入れてしまっていいのか」と発言し、袋叩きにあったことを記憶さ…
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アメリカでは金融支配の崩壊が始まった
格付け会社フィッチ・レーティングスが、米国の長期外貨建て発行体デフォルトの格付け(IDR)を、最上級の「AAA」から「AA+」に引き下げたと発表した。 米ブルームバーグのデータによると、フィ…
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バーンズ米CIA長官が中国でのスパイネットワーク崩壊を認めた意味
世界には米国のCIA、英国のMI6、イスラエルのモサドなど、名だたる情報機関がある。 もちろん、彼らが今、どのような工作をしているかは公表されていない。 CIAに関しては、何十年か経…
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岸田政権は短期で終わるか長期化か 首相おろしの動きが生まれない2つの要因
韓国の報道機関が取材に来た。本題を終え、お茶でもという時、「ところで、岸田政権は短期ですか、長期ですか」と問われた。 「残念ながらどうもよく分からないのです」と答えざるを得なかった。 …
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米国によるウクライナへのクラスター爆弾供与で“人道的配慮”の姿勢も示せない日本
クラスター爆弾は、大型弾体の中に多数の子弾を搭載した爆弾である。空中で破裂して子弾が散布され、爆発して広範囲の目標に損害を与える。 目標が不正確なので、一般市民も被害を受ける。不発弾が終戦後…
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安倍元首相は銃撃されて亡くなる前、ウクライナ問題で何を語っていたか
岸田首相は安倍元首相一周忌に際し、「安倍氏の遺志をしっかり継いでいく」と挨拶した。報道では、安倍元首相の遺志として憲法改正や軍備費増強などに言及している。 さて、今、世界の最重要課題といえば…
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バイデン大統領に謝罪を要求 ロバート・ケネディ・ジュニアの勇敢な発言
2024年の米国大統領選に向けて、バイデン大統領の「耄碌ぶり」が激しい。大統領として許されぬ発言を繰り返しているからだ。 会合で「女王陛下万歳」などと意味不明なことを述べたり、中国の習近平主…
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「防衛費増額はバイデン大統領の命令」と聞いても騒がない国民と隷属国家
防衛費が急増している。2023年度防衛予算は22年度当初予算と比べて26%増え、政府は5年間で従来の1.5倍の43兆円程度を充てる計画を掲げている。「反撃能力」などと、もっともらしい理由を述べていた…
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台湾での米中衝突で欧州国民は中立を志向 日本は例外的な米国への隷属国
台湾問題で米中が衝突した時、欧州がどう対応するかは、日本の安全保障に関わる重要な問題である。前回、このコラムでマクロン仏大統領の対応をみた。マクロン大統領は4月訪中から帰途した際、「最悪の事態は、欧…
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マクロン仏大統領は反中同盟加入を拒否「米国の同盟国は米国の臣民ではない」
米国の基本戦略は、①ウクライナという対立軸をつくり、NATOを対ロシアに対峙させ、ロシアを弱体化させる②アジアでは台湾という対立軸をつくり、西側諸国を対中国に対峙させ、中国を弱体化させること――にあ…
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緊張続く今日の米中関係と「トゥキディデスの罠」
米中両国間の緊張が続いている。 私はこの緊張は心理的側面が強いと見ている。 日本では、十分認識されていないが、中国の米国に対する追い上げは激しい。米国情報機関CIAが公開しているサイ…
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今もなお続く1957年砂川事件の意味 まさに今日の台湾問題に該当する
砂川事件は1957年に起きた。 在日米軍が東京・立川基地の拡張を求めたことについて、反対する住民が「砂川基地拡張反対同盟」を結成。同年に政府が強制測量を実施したことに対し、一部のデモ隊が阻止…