五木寛之 流されゆく日々
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連載11376回 難民・棄民・流民の時代 <1>
若い頃、といっても1950年代の後半のことだ。 当時、ラジオの仕事をしていて、録音構成の番組づくりを手伝っていた時代がある。 なにか変ったテーマで一本作ってみたいと企画書を書いた。 旧満…
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連載11375回 昭和の歌声は遥かに <4>
(昨日のつづき) 題名は忘れたが「ラバウル航空隊」の歌があった。また、「ああ 特幹の太刀洗」という歌も記憶に残っている。<特幹>というのは<特別幹部候補生>のことだろうか。 なんといっても広く…
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連載11374回 昭和の歌声は遥かに <3>
(昨日のつづき) 日本軍の軍歌は、おおむね短調で作曲されている。 そのために、ただ勇壮なだけでなく、一抹の哀愁が背後に流れていて、そこが国民にも受けた理由だろう。 『加藤隼戦闘隊』にしても、…
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連載11373回 昭和の歌声は遥かに <2>
(昨日のつづき) 戦後、というのは昭和20年夏、敗戦の日からはじまる季節だ。 敗戦直後は、私は外地にいた。だから引揚げてから後が私の戦後である。 仁川から米軍のリバティ船に乗って、博多港に…
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連載11372回 昭和の歌声は遥かに <1>
昭和歌謡がときどき話題になることがある。年輩者だけでなく、若い人にも昭和歌謡のファンがいるという。本当だろうか。なんとなく作り話のような感じがしないでもない。 ときおり、たまたま回したチャンネル…
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連載11371回 「悪人正機説」とプーチン
先日、小さな出版社の編集者であるQくんが訪ねてきた。 50歳以上も年が離れている若者なので「くん」づけで呼んでもおかしくないだろう。 Qくんの出版社は、真面目で値段の高い本を刊行している。私…
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連載11370回 更年期を遠く離れて
70の壁、80の壁、ということが話題になっているらしい。しかし、こちらは90歳の壁を目前にして、ただなすこともなく日を過ごしている。 若い頃、「男にも更年期はある」 と、主張して専門家の医師…
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連載11369回 「非常識健康論」のすすめ <4>
(昨日のつづき) 遠方を凝視したり、細かい文字を読んだりしたあとは、逆のことも行ったほうがいい。 ぼんやり空の雲の行き来を眺める。雲をちゃんと見ていると、その移動する速さに、あらためて驚くこと…
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連載11368回 「非常識健康論」のすすめ <3>
(昨日のつづき) 知床で遭難した観光船乗客の捜索がきょうも続いている。コロナ、ウクライナ、海難事故と、つらいニュースの連続で、自然と心も萎えてくる日々の連続だ。 疫病、戦争、事故となると、ふだ…
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連載11367回 「非常識健康論」のすすめ <2>
(昨日のつづき) ボケのはじまるきっかけは、情報の遮断である。見る、聞く、触る、この3つの働きが遮断されると、まずいことになる。 視力をどう維持するか。 老眼鏡を使えば、ある程度の視力はお…
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連載11366回 「非常識健康論」のすすめ <1>
昨日、<日刊ゲンダイ>の読者を自称する友人から、 「こないだ『常識的健康論のすすめ』というやつを読んだけど、ぜんぜん常識的じゃない。あれはやっぱり『非常識健康論のすすめ』でやるべきだ」 と、文…
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連載11365回 「常識的健康法」のすすめ <10>
(昨日のつづき) 先週と今週、10回にわたって<咀嚼>と<嚥下>について書いてきた。これは健康に関する入口のあたりである。「噛む」と「飲みこむ」は一体の仕事だ。そのためには、舌が大きな働きをしてい…
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連載11364回 「常識的健康法」のすすめ <9>
(昨日のつづき) 私の健康に関する練習は、必ずしも世間でいう健康のためではない。養生という表現のほうがぴったりくる一種の趣味である。道楽、といってもいいだろう。 面白いからやる。興味があるから…
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連載11363回 「常識的健康法」のすすめ <8>
(昨日のつづき) 話をもどして「飲み込む力」の問題だ。だれも気にしない「飲み込む力」について、私はかなり長い間、自己流のトレーニングを続けてきた。 言ってみれば「嚥下力」とでもいうような作用で…
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連載11362回 「常識的健康法」のすすめ <7>
(昨日のつづき) 週刊誌、新聞、そして単行本も含め、いわゆる健康情報が氾濫している中で、私たちは立ち往生しているというのが実態だろう。 それぞれ医学や栄養学、はては他の分野の専門家をまじえて、…
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連載11361回 「常識的健康法」のすすめ <6>
(前回のつづき) 「噛む」に続いて「飲む」技法について考える。 私たちは物を飲みこむときに、ことさらその過程を意識することがない。なにげなく無意識に飲みこんでいるのである。 「ちゃんと噛む」こ…
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連載11360回 「常識的健康法」のすすめ <5>
(昨日のつづき) さて、ものを飲み込むという作業を、私たちはどのようにやっているのだろうか。 ほとんどの場合、私たちは無意識にその行為を行っている。 喋りながら飲みこむ。テレビを見ながら飲…
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連載11359回 「常識的健康法」のすすめ <4>
(昨日のつづき) ちゃんと噛むということは、やさしいようで結構むずかしい仕事だ。 若いうちはいいが、加齢とともに誰でも歯がいかれてくる。そのために、噛むとき左右どちらかの側に咀嚼が片寄りがちに…
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連載11358回 「常識的健康法」のすすめ <3>
(昨日のつづき) 私の父親は学校の教師だった。 福岡県の小倉師範学校を出て、県内の小学校に奉職した。した、というのは私の推測である。その辺の事情をくわしく聞いておけばよかったと後悔するばかりだ…
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連載11357回 「常識的健康法」のすすめ <2>
(昨日のつづき) <食ハ養生ニアリ>とは昔から言われてきた文句である。 これは健康のもとは食べることだ、という話だ。この言葉に異論のある人はいないだろう。食物は体を動かすガソリンである。最近はE…