プロ野球スカウトの“逆襲”
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重要なのはドラフト下位選手 ライバルは11球団に限らない
プロ野球選手にとって12、1月がオフだなんてのは昔の話。シーズンが終わって10日くらいノンビリしたら、翌年に向けたトレーニングをスタートする選手は多い。特に投手はフォームが崩れたり、指先の感覚が鈍っ…
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人が見ていない場所で手を抜く選手は指名リストから外す
ドラフトが終わったからといって、オレたちはひと息入れるどころじゃない。 担当する選手の仮契約や入団発表には立ち会わなきゃならないし、ついこの前まで高校と大学の明治神宮大会と、社会人の日本選手…
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強豪校と争奪戦 メジャー球団が日本の中学生を狙っている
日本にいる協力者から聞いた話だ。 あるメジャー球団のスカウトが日本の中学生を狙っているという。 シニアに所属している選手なのか、ボーイズなのかは分からない。投手か野手か、ポジションも…
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ライバル球団が即戦力の社会人投手を売り込んできた意図
ドラフト会議の2、3日前だった。 自宅で一杯やって、ボチボチ寝ようかって時間に携帯が鳴った。相手は他球団の同僚だった。球場で会えば挨拶くらいはするけど、特別、親しいわけじゃない。そんなヤツが…
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事実と証言が足りず ベテランスカウトがクビになった顛末
居酒屋でウチの部長から聞いた話だ。 部長がまだ、ヒラのペーペーだったっていうから、かなり前だね。 ドラフト会議当日。控室でベテランのスカウトが、貧乏ゆすりをしながら盛んにたばこをふか…
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酷使がたたって高校生が故障したらベンチは責任取れるのか
9月上旬、カナダに飛んだ。 U18で米国のドラフト候補をチェックするのが主な目的だったが、日本の高校生も見たかった。中でも情報提供者が「メジャーのドラフトでも上位指名は確実」と興奮気味に話し…
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U18日本代表の清宮、中村、安田…プロ向きの性格は誰か
ウチのエライさんときたら、とにかく清宮にゾッコン。パソコンの数字をのぞき込んでは、「出塁率と長打率を加えたOPSが出色だ」なんて、普段、ブスッとしてるのがニヤニヤしてるから薄気味悪くてしょうがない。…
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剛腕の逸材を発見 カナダでは広陵・中村捕手を追い掛ける
「10年以上、甲子園大会を見てるけど、久々にものスゴい強肩の持ち主を見たよ。ポジションは捕手。二塁送球時のボールの軌道なんか、まさに矢のようさ」 久々に日本の情報提供者から連絡があった。 …
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夏の甲子園 高校生投手をふるいにかける「3つの条件」
「おまえさ、選手にとって何より大事なのは素質だってこと、もちろん分かってるよな?」 週明けから夏の甲子園が始まるし、メシでも食おうって部長に誘われて付いていったら、こんなことを言う。 …
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数値の高い選手をふるいにかけて本物か偽物かを見分ける
週末にかけて、平塚で行われている侍ジャパン大学代表の合宿に行ってきた。 なにしろえりすぐりの大学生だ。ウチのエラいさんなんて、「実力を示す数値が抜けている4年生のドラフト候補がごまんといるじ…
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実績の割にメジャーの評価が高い日ハム・有原航平の馬力
先だって、日本ハムの大谷翔平を見に千葉の鎌ケ谷まで行ってきた。 なにしろ、この風体だ。到着するなり、新聞記者たちに囲まれて、少しビックリした。「どこのスカウトだ?」「日本にはいつ来た?」「大…
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大学選手権は結果の出なかった投手から掘り出し物を探せ
大学選手権準々決勝が行われた8日の神宮球場のネット裏は朝から賑やかだった。 12球団はもちろん、メジャーのスカウトも含めて同業者であふれ返っていたから、嫌でも前後左右の会話が耳に入ってくる。…
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ナックルのように揺れるパーム 掘り出し物の決め球を隠せ
先週末、北信越の高校生投手を見てきた。 仏頂面のエラいさんが得意のパソコンで見つけた左腕さ。オレは担当じゃないんだけど、「おまえはあの学校の監督の大学の先輩で顔が利くじゃねーか。良かったら、…
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数字では判断できない 素質を生かすも殺すも“性格次第”
「おかしいなぁ。素質はピカイチなんだけど……」 先日の神宮球場。一塁側スタンドで東都の試合を見てるとき、たまたま隣り合わせになった他球団の同僚が、しきりにクビをひねってる。 グラウンド…
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センバツ高校野球は「打高投低」だから投手を探す
だれが言ったか、今年の春のセンバツは「打高投低」だってさ。 清宮幸太郎(早実)、安田尚憲(履正社)、西巻賢二(仙台育英)、西浦颯大(明徳義塾)……主な注目選手は野手だから、本物か偽物か、彼ら…
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「キャンプが自分たちの目を鍛え直すいい機会」
いやね、今度という今度は、さすがにマイッタよ。キャンプ地に来て早々、部長から大目玉を食らったんだからさ。 キャンプに行くのは何も首脳陣や選手だけじゃない。2、3日だったり、10日間だったり、…
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寒空の下でグラウンドに足を運ぶ「本当の理由」
いまのドラフトは逆指名じゃない。1位選手の交渉権はくじ引きで決まる。にもかかわらず、去る5日、早実の練習始めには中日、ヤクルト、DeNA、西武、オリックス、ソフトバンクの6球団のスカウトが清宮幸太郎…
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プロ入りは「蛍雪の功」じゃムリ いまどきの親御さん気質
新人の入団発表は、その選手が、どんな環境でどんな育ち方をしてきたのかを見極める格好の機会だ。 球団が本拠地に選手と親御さんを招待。エスコート役はオレたち担当スカウトさ。選手の親御さんたちと食…
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早実・清宮幸太郎をドラフト1位候補にできない根拠
フロントのエラいさんなんか、いまから早実の清宮幸太郎に腰浮かせてるよ。「久々に出てきた国産の大砲候補だ!」ってね。 高校2年秋の段階で76本も本塁打を打ってるんだ。オレにはよく分からないけど…
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SB1位 創価大・田中正義の右肩痛はやはり情報操作だった
オレも長いことスカウトやってるけど、今年ほど選手に関するさまざまな情報が錯綜したドラフトは久々じゃないかな。 オレのケータイも、午後5時開始の会議直前まで鳴りっ放し。メールもごまんときたよ。…