保阪正康 日本史縦横無尽
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天皇のためなら何をやっても許されると「大善」を妄信した
軍事指導者たちは何としても、戦争に訴えて局面を打開しようと考えているかに見えるが、現実には戦争それ自体が目的であった。軍人は本来なら、戦争の抑止力としての立場があるが、日本では戦争によって自らの存在…
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「戦争しないと国が滅びる」と天皇に詰め寄った軍人たち
平成の天皇の、平成という時代には戦争がなかったとのお言葉は、むろんご自身の率直なお気持ちの表れであると同時に、昭和天皇への報告という意味も感じられる。昭和という時代の前半は、戦争の時代だったが、それ…
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戦前の軍事指導者は昭和天皇と憲法を“軽視”して暴走した
平成の天皇は在位30年の折のお言葉でも、「平成という時代には戦争がなかった」ことに触れ、声を震わせられた。このお言葉はご自身の在位期間に戦争がなかった事実にのみ触れられているように受け止められたが、…
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「令」は皇太子の「命令書」や「巧言令色」だとの声もある
新元号の「令和」は、国民にはひとまずは受け入れられたようだ。共同通信社の緊急世論調査によると、73.7%が、「好感が持てる」と回答したそうだ。万葉集からの採用については、84.6%が評価すると答えた…
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天皇が神格化し皇国史観が機能した時代の「令」は怖い
首相談話を読んでの感想のもう1つの部分だが、これまで少しふれたのでもあるが、意外な事実が隠されている。それは次の部分である。 「皇室の長い伝統と、国家の安泰と国民の幸福への深い願いとともに、1…
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談話に“2つの鍵” 安倍首相「令和」会見は単なる選挙対策か
「令和」という元号が明らかになった時、私の元に何人かの知人、友人たちから連絡があった。私は定期的に市民講座やカルチャーセンターで講演を続けているのだが、そこの受講生からだ。号令の令や召集令状の令が思い…
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「令和」への首相説明には平成を継承する視点が欠けている
新元号は「令和」と決まった。万葉集から採ったという。これまでは漢籍から採るのが一般的だったのに、今回は初めて日本の古典からというのが典拠だというのである。どうあれいかにも安倍内閣らしいと言っていいだ…
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天皇と政治権力の関係、在り方を冷静に考えてみるべきだ
4月1日、新しい元号が発表された。巷にはさまざまな噂が流れていた。根拠がどこにあるかは知らないが、東京の小、中学生の間では、安心とか安全という語の「安」という一字が入ると言われていた。おおかた、教師…