保阪正康 日本史縦横無尽
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兵士になるのを拒否 死を選んだことにして徴兵を逃れた男
私の取材メモから抜き出した戦時下のエピソードの第3話である。戦後あまり語られていない話として、兵士になるのを拒否したケースがあることを、私たちは知っておく必要がある。戦時下では戦場で死にたくない、銃…
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ニューギニアで殺害した学徒兵の手紙に涙した若き日本兵
私の取材秘話の第2話。Tという学徒兵の話である。彼はニューギニア戦線に送られ、前線に立つことになった。ある時、20人ほどの仲間と斥候に出された。ジャングルを抜けると小高い丘があり、その頂上にある見張…
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精神を病み、部下を「スパイだ」と軍刀で斬りつけた大隊長
私はこれまでに昭和陸軍の将兵、軍属など、延べ2000人余に会い、戦史に書かれていない史実や伏せられているスキャンダルなど数多くの事実を聞かされた。むろん、書かないという約束の上でである。軍事はきれい…
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記者を激戦地に 東條英機は戦場を私的な処刑の場に使った
アメリカを中心とする連合国は、日本の軍閥がいかに国民を欺いていたかを伝えることを目的にしていたが、ほぼ1年余で放送を中止している。 調査を十分に行う余裕がないということもあるだろうが、東京裁…
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「中野正剛は資金を受け取っている」とウソを報告した
中野正剛の自決について、「真相箱」が説明していない事実(私の調べた範囲だが)をさらに記述する。ほとんど明かされていない事実である。 大正末期、中野の満州視察を尾行していた当時の憲兵隊員の報告…
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憲兵隊は中野正剛をソ連のスパイだと信じ込まされていた
中野正剛の自殺に納得できない東方同志会の会員や中野に私淑していた門弟、あるいは東條の異様な弾圧を受けた民間人は、戦後に相応の仕返しを行った。そのことは密かに語り伝えられている。戦前、戦時下の弾圧が激…
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東方同志会の会員は中野を取り調べた元憲兵を土下座させた
中野正剛の自決に関して、「真相箱」は東方同志会の会員が東條暗殺を考えたことをその一因と挙げているが、これについては確たる事実がない。東條の側は暗殺計画があるとでっち上げるのが常套手段だった。それによ…
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東方同志会の中野正剛 なぜ突然の割腹自殺を遂げたのか?
国民に知らされていない事実について、「真相箱」は丁寧に説明する。例えば戦時議会で独自の言論活動を続けていた東方同志会の中野正剛は、戦時下に突然自殺を図り、国民を驚かせた。なぜ彼は自決したのか。国民に…
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昭和10年ごろから学校教育に軍事が介入するようになった
日本占領という現実を前にして、アメリカはこの国をどのような国家にしていこうかと考えたが、実はすでに1943年ごろからアメリカ国務省、あるいは軍事責任者たちはこの問題の研究を始めていた。そのことは各種…
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征服者の夢に駆り立てられた責任は「日本人自身」にある
昭和17年6月のミッドウェー海戦などを取り上げて、事実の隠蔽を指摘する。 この海戦では航空母艦4隻が沈められたにもかかわらず、事実は知らされなかった。その後も多くの戦線において敗れ、海軍の戦…
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日本は戦時指導者の無能によって戦争に負けたとするも…
日本が今次の戦争において敗れたことについては、「日本は上級司令部の失敗で敗れました」とし、 「日本がアメリカに不意打ちを加えれば、アメリカは武装して応戦するいとまもなく敗れるであろうとの予想の…
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GHQは軍国日本とそれに騙された庶民という二元論を試みた
GHQは日本人に対して、2つの指導方針を持っていた。ひとつは庶民は善良で真面目、与えられた場で懸命に働くと褒めるのである。半面のもうひとつは、そういう庶民を欺いた指導者の責任を問うのである。つまり「…
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天皇はマッカーサーに「国民の望みに逆らう天皇はいないでしょう」と語った
匿名の日本海軍の将官は、本当は日本は戦争を止めることができた。しかしそのような人物は存在しなかった、と証言する。その上で「真相箱」のナレーションは、 「陸海軍は政治に関与してはならぬ、政治と軍…
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山本五十六は戦争に反対も海軍省は開戦の側に立っていた
東條英機元首相は、昭和19年7月にサイパンが陥落して退陣したが、その内幕は国民には知らされていなかった。そこで「東條政権の崩壊について真相を教えてください」という質問が意味を持ってくる。 答…
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GHQは関東軍の暴力的支配を説き「東條英機は国民の敵」と
この答えは、まずジョン・ガンサー(アメリカの著名なジャーナリスト)の発言を最初に説明する。それは「日本を支配していたのは軍部ではあるが、その中の関東軍が支配していたと言っていい」との意見である。その…
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伊藤博文の改革は朝鮮人に歓迎されず数多くの人命が犠牲に
「真相箱」では、伊藤博文の統監としての施策について、次のように書かれていた。 「伊藤公の提議した諸改革なるものは、一見頗る独創的なるものと思われる。しかしながらそれは、ある程度強権を以て実行せら…
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時に声色を真似て東條英機を演じた声優に脅迫状が殺到した
「真相はこうだ」は昭和21年2月10日までの10週間にわたって、週1回の放送であった。この放送は、あえて少年を聴取者代表に加えて分かりやすい質問をさせ、それに答えるという形をとっている。時には声優が東…
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GHQは戦争の真実を伝える連載記事とラジオ放送を開始した
太平洋戦争の終結から74年が過ぎた。戦争体験者、なかんずく戦場体験者が極端に少なくなっているが故に、戦場の恐怖や飢え、その残酷さが次第に伝わらなくなっている。 むろん戦争は語り継がれなければ…
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共産党は昭和天皇を筆頭に1571人の戦犯名簿を発表した
戦後のGHQによる民主化政策の初期は、市民的自由を認めることで旧体制を打破する点に主眼が置かれた。その結果どうなったか。共産党勢力は日本社会のあらゆる封建勢力を駆逐する主人公として扱われることになっ…
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巣鴨プリズンから勝手に帰宅する戦犯者もいた
もしこの戦争責任者裁判が、日本側の手で行われていたらどうなっていたであろうか。私の予想では、戦勝国の手前、相当派手に弾劾が続いたと思われるのである。しかし、アメリカなどの目の届かないところでは、かな…