天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」
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リハビリ期間中の自転車は厳禁
心臓手術を受けた後、日常生活に戻るまでには「リハビリ」が重要だということは先週もお話ししました。 ただし、リハビリに取り組む際に気をつけなくてはならないポイントもあります。まず、自己判断で無…
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リハビリの基本は早く離床し歩くこと
心臓手術が成功し、日常生活に戻るまでにはリハビリが非常に重要です。リハビリを積極的にやった人とやらなかった人では、社会復帰までにかかる期間や、復帰してからのアクティビティーに雲泥の差が出ます。 …
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1年以内の再手術が多い病院は危険
先週に引き続き、感染症対策のお話をしましょう。手術後の傷口に起こる感染症は、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)によるものがほとんどで、患者さんの命を奪ってしまうケースもあります。 現在…
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仕上げの正確さが危険な感染症を防止
医学の発展によって抗生物質が進化した現在でも、「感染症対策」は欠かせません。手術自体がまったく問題なく終わっても、細菌に感染するとさまざまな合併症を引き起こし、命を失ってしまうケースが少なからず存在…
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勝ち方にこだわる外科医が次代の医療を作る
以前、棋士の羽生善治さんの著書「捨てる力」を読んで、プロフェッショナルとして尊敬する部分がたくさんありました。昨年の8月には対談する機会もあり、大いに共感しました。 中でも、考えさせられたの…
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高リスク患者に適した「TAVI」の懸念材料
近年、心臓病の血管内治療のひとつである「TAVI」(経カテーテル大動脈弁留置術)が注目されています。高齢化によって増えている大動脈弁狭窄症の患者さんに対し、カテーテルを使って人工弁を留置する治療法で…
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6つの危険信号を見逃してはいけない
心臓病は早期に対処を行えば、元通りの生活を取り戻せる病気です。「ひょっとしたら……」と感じたら、早めに循環器内科を受診することをおすすめします。放置しておくと、突然、発作を起こして命に関わる恐れがあ…
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症例数クリアする心臓外科医は15人程度
突然、発作を起こして救急搬送されるようなケースは別ですが、心臓病の治療を受ける際には、病院と医師をしっかり選ぶことが大切です。心臓病の治療や手術は、医師の技術や経験によって結果が左右されるケースが多…
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高血圧で肥満体型だと心臓は横向きに変形
心臓病は65歳以上の高齢者が圧倒的に多い病気です。2013年の人口動態統計によると、心疾患で亡くなった人は計19万6723人。そのうち、65歳以上が17万8221人を占めています。 しかし、…
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運動しない人の心臓は筋肉がペラペラ
長時間、座りっ放しの仕事をしていて、普段から運動習慣のない人は、心臓病になるリスクが2倍アップするというデータがあります。運動不足は心臓にとって大敵なのです。 体中に血液を送り出して循環させ…
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正当な手続きを踏まないカテーテル治療も行われている
内科医が行うカテーテル治療は、胸にメスを入れずに済むので患者の負担が少なく、全体的な治療のレベルも上がってきています。手術と同じ治療効果なら、侵襲の少ない治療法が選ばれるべきでしょう。 ただ…
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「まずはカテーテル治療」だけが正しい判断ではない
狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患の血流再開治療には、大きく分けて、内科医が行う「カテーテル治療」と、外科医が行う「冠動脈バイパス手術」があります。 手術が必要かどうかの判断は、病気の進行…
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カテーテル治療は「クスリ」に注意
心臓手術の“入り口”は、手術を行う心臓血管外科ではなく、循環器内科(または循環器科)ということは以前もお話ししました。患者さんはまず循環器内科で検査を受け、診断や治療が行われます。手術が必要かどうか…
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睡眠薬の常用がいちばん困る
高血圧、高脂血症、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病は、心臓病を引き起こすリスクをアップさせます。心臓手術を受ける患者さんは、何らかの合併症を抱えているのが当たり前です。それだけ数多くの経験が蓄積さ…
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プロフェッショナルなら正確無比は当たり前
今回は少しだけ私自身の話をしたいと思います。 これまで、心臓外科医として6500例を超える手術を行ってきました。いまも1日4件の手術をすることがあります。外科医にとって数多くの手術を経験する…
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体調の変化を医師に伝えれば合併症のリスクは減る
心臓の手術が何の問題もなく成功しても、その後で予想外の事態が起こり、病状が悪化してしまうケースもあります。 心臓は生命を維持するためになくてはならない臓器です。全身に血液を送り出し、体中の細…
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「穴馬を狙って一攫千金」の発想はいらない
これまで紹介してきたように、腎臓疾患やがんといった“合併症”を抱えながら心臓手術を受ける患者が増えているのは、心臓外科だけでなく他科も含めた医療全体が進歩したからだといえるでしょう。 いくつ…
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合併症を徹底管理すれば手術結果もいい
これまで紹介してきたように、糖尿病や腎臓病、がんといった合併症を抱える患者さんの心臓手術は、注意しなければならないポイントがいくつもあります。 心臓外科医がそれをしっかり理解したうえで対処す…
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抗がん剤治療に臨むためにまず心臓を治す
がんを抱えている心臓病患者が、がんの手術ができなくても心臓を手術するケースが増えていることについて、もう少し詳しくお話ししましょう。 近年、抗がん剤などの化学療法の進歩によって、たとえがんの…
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がん患者の処置は次の手術を想定する
近年、だんだんと増えてきているのが悪性腫瘍、つまり「がん」を抱えながら心臓手術を受ける患者さんです。がんの治療を受けるために精密検査したところ、心臓の状態が悪かったというケースは少なくありません。 …