「羽生結弦は僕のアイドル」…フィギュア鍵山優真の難敵・カザフの新星の意外な素顔
一騎打ち、ではなかった。
30日に閉幕したフィギュアスケートの世界選手権で、イリア・マリニン(米国)が大会連覇を達成。SP(ショートプログラム)2位だった鍵山はジャンプの転倒などで銅メダルに終わった。
代わりに銀メダルを獲得したのはSP3位のミハイル・シャイドロフ(20=カザフスタン)。4回目の世界選手権挑戦で初めて表彰台に立った。
シャイドロフは世界では「新星」。国内のカザフスタン選手権では5年連続金メダルと敵なしだが、昨シーズンまでは主要な世界大会(シニア)で表彰台に立ったのはGPシリーズ中国杯(3位)とチャレンジカップ(1位)くらい。今シーズンに入り、中国杯で銀、四大陸選手権で金という急成長を遂げている。
この新星が本格的にフィギュアにのめり込んだきっかけは、22年に現役を引退した羽生結弦(30)の演技だった。マスコミ関係者がこう言う。
「父親がフィギュアのコーチだった縁で幼少期にリンクで滑り始めましたが、11~12歳のころにフィギュアを続けるべきかどうか悩んだ時期があったそうです。そんな中、GPシリーズでたびたび記録を更新する羽生の演技にいたく感動。羽生の名プログラムである『seimei』を始め、まるでファンのようにその映像を何度も何度も繰り返し見て、研究を重ねました。カザフの英雄である故デニス・デン(14年ソチ五輪銅)さんの存在はもちろん、羽生の演技がシャイドロフのスケーターとしての原点になっているのは間違いありません」