がんと向き合い生きていく
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進化した大腸内視鏡検査を受け研修医時代と恩師を思い出す
先日、大腸内視鏡検査を受けました。検査2日前からの食事制限や下剤を内服しての前処置などが必要で、それなりの負担はありましたが、検査そのものは苦しいことはまったくありませんでした。 内視鏡検査…
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がんを告知されたシングルマザー 入院中に娘をどうすれば…
Nさん(34歳・女性)は4歳の娘、ゆいちゃんと2人で暮らしています。毎朝、保育園にゆいちゃんを預けてから、近所のスーパーで働いていました。 3カ月前から時々不正出血があり、B病院の婦人科を受…
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手術して今は健康なのになぜ会社を辞めなければならないのか
8年前に乳がんの手術を受けたSさん(45歳・女性)は、週3日勤務の非常勤職員として都内の会社で働いています。2人の子供が小学生になって自由になる時間ができたため、新聞の募集広告を見て勤めてみることに…
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甲状腺がん 放射性ヨウ素の内服療法では4日以上隔離される
「甲状腺ホルモン」は新陳代謝を活発にする働きがあり、われわれが生きていくために必要不可欠なホルモンです。コンブ、ワカメ、海苔などに含まれているヨウ素(ヨード)は甲状腺に取り込まれ、甲状腺ホルモンを合成…
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10年前に手術した腎臓のがんが右眉毛の上に転移して現れた
Aさん(67歳・男性)は30年間、新聞社で社会部の記者として働き、定年退職後は週3日ほど友人の出版社の手伝いをし、週1回は好きなゴルフを楽しんでいました。 ある日、右眉毛の上、額のところに2…
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かつては摘出も…がんになりにくい「脾臓」は残した方がいい
患者さんが病院で亡くなった時、病理解剖(剖検)をお願いすることがあります。 「自分が死んだら、先生から解剖を依頼されると思う。そうしたら必ず応じるように。それが先生へのせめてもの恩返しだから」…
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コロナ禍でのがん検診は「不急」だとしても「不要」ではない
新型コロナウイルスの流行が続き、がん検診を受ける方が大幅に減っています。多くの自治体や企業でがん検診が中止になった時期があったことも影響してか、特に胃がん検診の減少が目立つようです。 検査を…
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卵巣がん治療の相談を…かつての患者の娘から手紙が届いた
かつて私が担当医を務めていた男性患者の娘、Cさん(43歳・女性)から、このようなお手紙をいただきました。 ◆ ◆ ◆ 12年前に父○○が胃がんを患った際に大変お世話になりました…
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大腸がんの同僚を診た医師が自分の腹部にも痛みが出始め…
その地域では中核となるB病院の総合診療科に勤務するA医師(56歳・男性)のお話です。 患者からの信頼が厚い医師で、病院職員からもとても慕われ、B病院の「ベストドクター」に選ばれたこともありま…
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死が迫ったとき、「信仰」は本当に恐怖を和らげているのか
M先生は、出身高校も大学も同じ先輩でした。私が病院に勤めてから初めてお会いし、勤務する科は違いましたが、同じ病院で30年以上たくさんご指導いただき、言い尽くせないほどお世話になりました。 あ…
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「O-リングテスト」がん治療に有効である科学的根拠はない
ある日、高校の同級生から「友人のBさんが電話で相談したいことがあるのでよろしくお願いしたい」というメールが届きました。 Bさん(70歳・男性)は、理系の大学を卒業し、その後は長い間、大学の研…
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食事でがんが消える?肺がんと診断された放射線技師の感想
病院で放射線技師として働いているHさん(49歳・男性)は、肺の検診で要精密検査と判断されました。それを受け、がん拠点病院の呼吸器外科を受診したところ「肺がん」との診断でした。3週間後には右肺の上葉の…
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医師のちょっとしたひと言が気になる胃がん患者の胸の内
運送会社で企画部長を務めているDさん(57歳・男性)は、胃がんの手術を受けて2年になります。胃は出口の方(幽門部)の3分の2を切除しました。 Dさんは2カ月ごとに定期検診を受けていますが、い…
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患者と医者は運命共同体 医師の言葉で気持ちが明るくなった
今年の正月は、Kさん(64歳・男性)の家には誰も来ませんでした。前立腺がんの手術を受けてから2年、妻に先立たれているKさんは、テレビで箱根駅伝を見ながら、ひとりで過ごしました。 娘と孫からは…
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温熱療法は治療中の適切な「温度管理」がきわめて重要
「副作用がない温熱療法はどうですか?」 進行した肺がんの患者さんが、ある診療所で勧められました。 がん細胞は、42度以上で一定時間以上温めると死滅します。体の表面であればそれほど難しく…
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占い師に病院の方角が悪いと言われ…胃がん患者が転院を希望
出版社勤務のRさん(42歳・女性、独身)は、雑誌の編集や原稿の整理などの仕事を、テレワークでこなしていました。今年の春ごろから食欲がなく、出勤しない生活になったためかと思っていましたが、体重が5キロ…
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がんが脳に転移…放射線を「全脳照射」するのはどうしてか
Fさん(70歳・女性)の娘さんから電話がありました。がん治療の相談です。 ◇ ◇ ◇ 今はやめていますが、母は若い頃に20年以上、たばこを吸っていました。3年前に検診で肺がんが見つか…
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「髪の毛が抜けてしまうのは嫌!」叫んでみても気持ちは…
Mさん(57歳・女性)は、長年、山里の農村で猫のミーヤと一緒に畑と庭を相手にして暮らしています。大きなしだれ桜、栗の木、柿の木などがあり、また、近くには大きな川が流れていて、繰り返す四季を楽しんでい…
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介護施設のコロナ対策を見て思い出す日野原先生の「人間力」
ある介護施設の玄関に「ご面会の皆さまへ」と題する掲示がありました。 「手指消毒をしてください。マスクの着用をお願いします。1~2メートルの距離を保ってください」 なるほど、コロナが流行…
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口腔がんの手術に臨んだ外科医の「気構え」が忘れられない
先日、G病院の外科医師から歯肉がんを患ったAさん(75歳・男性)について相談がありました。G病院には耳鼻科・口腔外科はなく、こんな相談内容でした。 Aさんは右の頬が腫れていて、歯肉に痛みが出…