語り部の経営者たち
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塩水港製糖・久野修慈会長<4>「植木鉢」にまつわる知恵
スカウトされる形で大都魚類から親会社の大洋漁業に移った久野氏。最初に配属されたのは、子会社の財務状況を調べ、立て直す部署だった。 「当時の大洋漁業は隆盛の真っただ中で、全国各地に子会社を約17…
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塩水港製糖・久野修慈会長<3>築地トップの荷受会社に就職
書生生活をやめ、政治家を目指そうとした久野氏。自民党学生部にも入っていた。だが、猛反対する者が現れる。母親である。 「商人の家に生まれ育ったおふくろは大の政治家嫌い。あんな連中はろくでなしだと…
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塩水港製糖・久野修慈会長<2>精神が養われた中央大法学部
久野氏が生まれた福井県は自民王国とも呼ばれ、保守性が強い土地柄。父親も保守的な考えの持ち主だった。 本当は早稲田大の法学部に入りたかった久野氏だが、1950年代半ばの同大は左翼の動きが活発…
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塩水港製糖・久野修慈会長<1>大空襲と大地震を生き延びた
パールエース印の砂糖や「オリゴのおかげ」ブランドで知られる製糖会社大手「塩水港精糖」。会長を務める久野修慈氏という人物、実はタダ者ではない。 久野氏は同社に来る前、大洋漁業(現マルハニチロ)…
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セゾン投信・中野晴啓社長<4>顧客からのメールに励まされ
日本の公募投資信託は6000本余り。その99%超が銀行や証券会社経由で販売されるなか、運用会社が直接販売している投信はごくわずかだ。 中野晴啓が率いる独立系投資信託会社「セゾン投信」が200…
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セゾン投信・中野晴啓社長<3>思いだけでは認めてくれない
業界で異彩を放っている「セゾン投信」。他社との大きな違いは、投資信託を直販していることと、長期運用にこだわっていることだ。 社長の中野晴啓が、「直販」というビジネスモデルに活路を見いだしたの…
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セゾン投信・中野晴啓社長<2>組成した投信が解約ラッシュ
「セゾン投信」は長期資産育成型ファンドを提供する投資信託会社だ。社長の中野晴啓が長期投資の運用に目覚めたのは、セゾングループのファイナンスカンパニーで、バブル末期から手掛けた債券運用においてだった。 …
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セゾン投信・中野晴啓社長<1>個人で買った株が暴落し大損
2007年に営業開始した「セゾン投信」は、銀行や証券会社を通さずに投信を直接販売する投資信託会社だ。直販の投資信託会社は、日本では数少ない。一般生活者の資産形成を手伝うことを使命に掲げ、毎月コツコツ…
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スペースマーケット・重松大輔社長<4>不動産流動化は進む
ホームパーティーや会議、撮影などに使えるさまざまな空間のレンタルをネットで仲介しているスペースマーケット。社長の重松大輔氏はベンチャーの事業責任者として新規事業立ち上げを成功させ、いよいよ自らの起業…
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スペースマーケット重松大輔社長<3>ベンチャーに移り奮闘
古民家、お城、野球場、無人島など、あらゆる空間のレンタルを仲介するネットサービスで急成長中のスペースマーケット。社長の重松大輔氏は大卒でNTT東日本に就職したが、29歳の頃、いよいよ転職を真剣に考え…
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スペースマーケット重松大輔社長<2>夜7時には新宿で飲んだ
スペースマーケットはパーティーや会議、撮影などに使う、さまざまな空間のレンタルを仲介する急成長中のネットサービスだ。社長の重松大輔氏は2014年に同社を起業するが、早稲田大学卒業後は、NTT東日本に…
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スペースマーケット重松大輔社長<1>あらゆる“空間”を仲介
古民家、会議室からお城や無人島まで。日本にある、あらゆる空間のレンタルを仲介するネットサービスが「スペースマーケット」だ。所有するのではなく必要な時に必要なだけ借りる、シェアリングエコノミーの進展と…
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日本理化学工業・大山隆久社長<4>「キットパス」を世界へ
日本理化学工業では、チョーク製造のほかに、いくつかの下請け作業を請け負っていた。 しかし、工賃をカットされるなど親事業者の都合に振り回されやすいことを、過去の経験から身に染みて感じていた。…
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日本理化学工業・大山隆久社長<3>理解力に合わせた環境を
自らもチョークの生産ラインの仕事をしてみると、それは想像以上に大変だった。 「この作業を8時間ずっとやるのは、自分には無理だな……」 知的障害者は、一途に取り組める人が多いという。 …
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日本理化学工業・大山隆久社長<2>広告業界から父の一言で
祖父が創業者、父が3代目社長という家庭環境にあったが、大山自身は、「後を継ぐように」と言われたこともなく、のびのびと育った。 大学卒業とともに、広告制作会社に入社、営業を担当した。 …
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日本理化学工業・大山隆久社長<1>全社員の7割が知的障害者
パワハラ、激務の果ての使い捨てなどといったブラック企業が横行する昨今だが、その対極とも言える会社がある。 日本理化学工業は「日本一強く、優しい会社を目指す。人と環境に優しい商品を作り続ける」…
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窪田製薬HD・窪田良社長<4>オール・オア・ナッシングです
創薬ベンチャー「窪田製薬ホールディングス」の創業社長、窪田良はもともと慶大医学部を卒業した優秀な眼科医である。2年前の5月まで、加齢黄斑変性の特効薬として期待されたエミクススタト塩酸塩にすべてをかけ…
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窪田製薬HD・窪田良社長<3>新薬の期待で株価10倍になるが
窪田製薬ホールディングスは、マザーズに上場している創薬ベンチャー。前身であるアキュセラのCEOの座を追われた窪田良は、株主たちとタッグを組むことで、CEOに返り咲いた。 加齢黄斑変性の特効薬…
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窪田製薬HD・窪田良社長<2>上場後、突然CEOの座を追われる
窪田製薬ホールディングスは、東証マザーズに上場している創薬ベンチャーである。創業社長の窪田良は、もともと優秀な眼科医。小さい頃から目が好きだったという。人間の目だけでなく、カエルの目やイヌの目にも興…
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窪田製薬HD・窪田良社長<1>驚きの「売上高ゼロ」上場企業
窪田製薬ホールディングスは東証マザーズに上場する創薬ベンチャーだが、なんと、その売上高はゼロである。 「日本企業として日本の市場に上場する企業としては他に例はない」と語るのは、創業者で社長の窪…