大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに
誘致計画から約10年をかけた大阪・関西万博が、13日に開幕した。開催期間184日間で来場者2820万人、1日あたり平均15万人を見込む中、最も盛り上がるはずの初日は14万人と微妙な滑り出し。「並ばない万博」のはずが、開幕直前のテストランでも指摘された入場待ちの長蛇の列は解消されず。悪天候も重なり、波乱の幕開けとなった。
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午前9時のオープン直前、会場の夢洲駅の目の前に位置する東ゲートは大混雑。入場するためには電子チケットのコード表示が必要だが、サーバーの不具合などの接続障害が断続的に発生した。入場まで2時間かかった人もいたといい、入場エラーの受付窓口には常時40~50人が並んでいたという。
天候にも恵まれず、現地は朝からあいにくの雨。開場直後に「1万人の第九 EXPO2025」が始まると、いったんはやんだものの、昼過ぎにかけて暴風雨に。お披露目予定だった「ブルーインパルス」のアクロバット飛行は中止に追い込まれ、目玉である「空飛ぶクルマ」のデモフライトも中止を余儀なくされた。
ハプニングは重なるもので、最大の見どころである全長2キロの大屋根リングでは一部、雨漏りが発生。東ゲート付近で異臭や煙が上がっているという通報があり、消防車8台が駆けつける騒ぎもあった。初日に足を運んだ建築エコノミストの森山高至氏がこう言う。
「入場は30分ほど待ちましたが、思ったよりはスムーズでした。しかし、入場したはいいが、パビリオンは予約で埋まっているし、予約なしのパビリオンも長蛇の列。工事や展示が間にあっていないパビリオンもあって、見学できたのは8つのテーマで展開する『シグネチャーパビリオン』の1つと、各国が共同で展示を出すタイプCのパビリオンだけ。食事処はどこもいっぱい。正直、巨大リングぐらいしか楽しめるものがない。もはや『リング博』です」