企業深層研究
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三菱重工業<上>創業の地「長崎」から造船の灯が消える日
三菱の企業城下町、長崎に驚きが広がった。三菱重工業が創業の地である長崎市内に持つ2つの造船所のうち、主力の香焼工場を、造船で国内3位の大島造船所(長崎県西海市)に売却すると発表したからだ。 …
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ミサワホーム<下>天才技術者が考案した接着剤でつくる家
三澤千代治は日本大学理工学部建築学科4年の夏休みに、駅のホームを歩いていて洗面器2杯分の血を吐いて倒れた。救急車で三鷹新川病院(のちの杏林大学医学部付属病院)に運ばれた。診断は肺結核だった。 …
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ミサワホーム<上>南極「昭和基地」と共に歩んだ木質パネル
プレハブ住宅のパイオニア、ミサワホームは昨年12月30日、東京証券取引所1部を上場廃止となり、株式市場の表舞台から消えた。売買最終日(12月27日)は前日比41円安の1153円で取引を終えた。昨年の…
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旭化成<下>30年余り君臨 中興の祖「ダボハゼ経営」の神髄
旭化成の前身は、戦前の財閥・日窒コンツェルンである。創始者は野口遵。未開拓の土地に建設した多くの発電設備を活用し、各種の化学工業に進出することで、日窒コンツェルンを築き上げた。「電気化学工業の父」と…
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旭化成<上>吉野彰氏ノーベル賞効果で電池材料の首位固め
2019年のノーベル賞授賞式が今月10日夕(日本時間11日)、ストックホルムのコンサートホールで開かれ、リチウムイオン電池の開発で化学賞に選ばれた吉野彰・旭化成名誉フェロー(71)に、スウェーデンの…
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三越伊勢丹HD<下>日本一の売上高 新宿本店の“強みと弱み”
三越伊勢丹ホールディングスは、国内に22の店舗を持つ。その中で最大の規模を誇るのが伊勢丹新宿本店だ。2019年3月末までの1年間の売り上げは2888億円と日本一を誇る。 2位以下は阪急うめだ…
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三越伊勢丹HD<上>大手3百貨店で営業利益率は最下位に
三越伊勢丹ホールディングスの「撤退」が止まらない。 9月30日、伊勢丹相模原店と同府中店がそれぞれ閉店した。相模原店は29年、府中店は23年間の歴史があり、当日は別れを惜しむ多くの買い物客で…
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ヨネックス<下>スポンサー契約“大坂なおみ効果”は続くか
女子テニスの大坂なおみ選手が2018年9月8日、全米オープンで初優勝した。日本人が4大大会(ウィンブルドン、全豪、全仏、全米)で優勝したのは初めてのことだ。 この快挙に、大坂選手とスポンサー…
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ヨネックス<上>世界的メーカーに育てた創業者・米山氏逝く
世界的スポーツ用品メーカー、ヨネックス創業者で、同社ファウンダー名誉会長の米山稔氏が11月11日、老衰のため郷里の新潟県長岡市の病院で死去した。95歳だった。 女子テニスのマルチナ・ナブラチ…
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日本製鉄<下>八幡製鉄所「名前」の次は高炉の火が消える?
八幡製鉄所の前身は官営製鉄所である。 日清戦争に勝利した日本は1891(明治24)年、東田第一高炉の建設を始めた。1901年2月、高炉の火入れが行われた。建設資金は日清戦争で得た賠償金で賄わ…
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日本製鉄<上>近代鉄鋼発祥「八幡製鉄所」の名前がなくなる
鉄の街、北九州市を象徴する八幡製鉄所の名称が消える。ルーツは、1901(明治34)年に操業を始めた官営八幡製鉄所。日本の近代化を支え、2015年に世界遺産に登録された。 八幡製鉄所は企業城下…
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京セラ<下>稲盛和夫氏が唱えた哲学とアメーバ経営の神髄
京セラは創業者の稲盛和夫氏抜きで語ることはできない。1932年鹿児島市に生まれた稲盛氏は、59年に7人の同志とともに京都市にファインセラミックを製造・販売する京都セラミック(現京セラ)を設立した。 …
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京セラ<上>低コスト&長寿命で注目「家庭用蓄電池」が話題
10月中旬に千葉・幕張メッセで開催されたIT・エレクトロニクスの展示会「CEATEC2019」で来場者に注目された製品があった。それは、京セラのブースにあった蓄電池だ。 というのも、その約1…
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関西電力<下>「関電の2.26事件」から変わらない経営体質
会長の八木誠、社長の岩根茂樹に引導を渡したのは、社内でも電力業界でもない。「経産省、いや官邸だろう」(自民党の関係者)といわれている。岩根の辞任の時期が第三者委員会の調査報告書提出後となったのは、「…
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関西電力<上>ガバナンス不全に陥った“関西財界の雄”の今後
原子力発電所を推進する関西電力は純粋な民間企業というより、半官半民に近い鵺のような存在だ。政治との結びつきも強い。この関電が関西財界の雄として、ずっと経済・産業界を支配してきた。 筆者も新聞…
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神戸物産<下>超激安PBを切り札に「業務スーパー」出店加速
2019年2月17日、神戸物産が運営する「業務スーパー」が話題になった。TBS系列「坂上&指原のつぶれない店」で「客殺到!! 超大量なのにナゼか超激安!? 業務スーパーSP」のタイトルで取り上げられ…
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神戸物産<上>女子高生殺到のタピオカブームで最高益更新へ
「タピる」――。女子高生たちの間ではやっている「タピオカドリンクを飲む」ことを指す流行語だそうだ。渋谷・原宿・表参道エリアは、インスタ映えする「カラフルタピオカ」の店が集まる激戦区で、店の前には若い女…
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シャープ<下>赤字体質を転換させた戴社長の「狼性を持て」
米中貿易摩擦による中国経済の減速で、業績に陰りが出ているシャープ。前期(19年3月期)は減収減益決算を余儀なくされた。 それでも、3期連続で黒字を計上しており、四半期ベースで見ても、今期(2…
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シャープ<上>米中貿易戦争の余波でまたも経営危機に直面
一度は経営破綻寸前まで追い込まれながらも、台湾の電子機器製造会社、鴻海グループの出資を受け、再建を果たしたかに見えたシャープに再び暗雲が漂っている。 シャープの前期(2019年3月期)決算は…
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新生銀行<下>いまだに公的資金を返さない「唯一の銀行」
新生銀行の初代社長は八城政基である。八城は外国企業において最も成功した日本人のひとりだ。オイルメジャーのエッソ石油社長、国際金融資本シティコープの在日代表を務めた。 クリストファー・フラワー…