スクープドッグ彷徨記 「ニュースの天才」編
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<第7回>情報を扱う仕事は常にリスクがつきまとい信用を失ったメディアは消滅する
他人を欺くセンスを持ったM記者は、数々の一流出版社を渡り歩く“ニュースの天才”だった。虚言を弄し他人を信じ込ませるサイコのような輩は、一定の割合で世の中にいる。大事なのはニセ情報を見極めることだが、…
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<第6回>経理部から「中村君ってあなただっけ?」と電話
“ニュースの天才”M記者が編集部からいなくなって、しばらくしたときのことだ。校了日に編集部で仮眠していた私を起こしたのは経理からの内線電話だった。 「中村さん、さっき提出された精算の件ですけど、…
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<第5回>久しぶりに編集部に現れたM記者の異様な姿
「私は週刊文春の取材は受けていない」 ある日、高級官僚S氏が編集部にクレームの電話を入れてきた。いったい、なんのことなのか。指摘の記事は1ページのワイド記事で、S氏は文春記者の早朝の直撃に対し…
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<第4回>「日本のメディアは腰が引けてる」と不満顔のM記者だったが…
20代でCIAなど世界の諜報機関のネタ元を持つというM記者。従順でおとなしそうな外見とは裏腹に発言内容は濃かった。公安調査庁がどうこうという話から、MI6(イギリス軍情報部第6課)がとか、モサド(イ…
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<第3回>「ネタ元は中国にもアメリカにもいるんですよ」
昼下がりの週刊文春編集部。真面目なアイビールックの新人M記者にはKCIA(韓国中央情報部)のネタ元(情報提供者)がいるという。仰天した私は、 「M君は若いのにすごいネタ元がいるんだね。相手は韓…
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<第2回>「KCIAのエージェントと情報交換したんですよ」
「僕、Mって言います。竜太郎さんは編集部の先輩ですから、よろしくお願いします」 1997年、M記者は編集部にやってきた。私より5歳ほど若い20代、礼儀正しい印象だった。色白で中肉中背。ラフな服…
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<第1回>日本では? ニュースに“本当と嘘”は存在するのか
ニュースに、本当と、嘘はあるのか? 2003年の米国映画「ニュースの天才」(ビリー・レイ監督、トム・クルーズ制作総指揮)は、1998年に実際に判明した、米国で最も権威ある政治雑誌「ニュー・リ…