至福の始末料理
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【鶏皮の煮こごりとふりかけ】捨てられる食材が見事に生き返った
都内の最高気温が20度を下回り始めた過日、近所の鶏肉専門店に出かけたときのことだ。 千葉県産の地養鳥を扱うこの店には、首から足までありとあらゆる部位がショーケースに並んでいる。夕食に水炊きで…
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【チキンカレー】煮込んだスープで鶏のうま味を徹底的に抽出
自宅の冷凍庫には、鶏ガラスープを凍らせたものをなるべく常備するようにしている。 解凍してシチューやスープ、鍋のベースにしてよし。餃子の豚ひきを練るときにこのスープを混ぜれば、出来上がりがひと…
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【早生みかんのマリネと陳皮茶】身も皮もひと工夫でグレードアップ
緊急事態宣言が解除となり、西伊豆方面へ。駿河湾沿いの県道を走っているとあちこちに「みかん売ってます」の手書き文字。そう、沼津市西浦地区は有名な「西浦みかん」の生産地である。 「“顔”はイマイチ…
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【栗の渋皮煮】手間暇かけて秋を満喫、失敗しないポイントは?
父親の実家の裏庭には大きな栗の木があった。 彼岸の墓参りの時期になると、地面には栗が顔をのぞかせたイガがそちこちに転がっていた。それらを使って祖母が作る栗ごはんや甘露煮は絶品だった。 …
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【大根の葉炒めと皮のピクルス】青々とした葉がうまい!主役はむしろこっちです
車の外出で少し足を延ばすとき、決まって「道の駅」に寄る。目当てのひとつは大根。地場野菜で鮮度がいい気がするのはもちろん、まず確実に青々とした葉つきのものが売っているからだ。 近所のスーパーで…
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【関東煮】牛スジの煮込みをベースに
牛スジは時間と手間をかけてやることで、上等な料理に変身する。 長時間煮込んで味噌とみりんで味付けしたどて焼きなど、とろっとろの食感と濃厚なうま味がたまらない。 手に入れるならデパート…
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【丸ごとピーマンの肉巻き】種ごと調理して本当の良さに気が付く
この夏、ピーマンとは蜜月の関係にあった。ずぶずぶにハマったきっかけは、料理好きが高じて食べ歩きやレシピ本まで出す某バー店主のひと言だった。 「なんで種を捨てちゃうの? ピーマンだって丸ごと食べ…
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【半助豆腐】うなぎの頭の濃厚なダシとうま味
うなぎは気軽に手を出せない食べ物だ。しかし、頭の部分であれば極端な話、ただ同然で手に入る。その頭を使った、うなぎのうま味タップリの料理が今回の「半助豆腐」だ。発祥は大阪。 甘辛く味付けした蒲…
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【タコのラグーソース】2000円のマダコ 1パイで3度おいしい
西の明石、東の久里浜。築地に買い出しに出かけると、馴染みの魚屋のオヤジに声をかけられた。 「いいマダコが入ってるよ。明石と並び称される、横須賀の久里浜産だ。小ぶりだから、2000円でいいよ。ど…
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【かぼちゃの皮とベーコンの炒めもの】種までおいしく食べ尽くす
「今度、ビシソワーズを作ってよ」 ビシソワーズとは、じゃがいもの冷製スープのこと。材料や作り方はさまざまだが、基本的にじゃがいもと玉ねぎの風味を生かしたクリームスープで、涼をとるにはうってつけ…
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【オレンジ(レモン)ピール】果実の皮で作る絶品スイーツ
30年近く前の話。頂き物のオレンジピールチョコを初めて食べたときは、そのうまさに感動した。 オレンジの皮を、ビターチョコでコーティング。オレンジの甘酸っぱさとビターチョコの苦味の組み合わせが…
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【船場汁】シメ鯖にした残りのアラでうまみタップリの吸い物を
シメ鯖は自宅で簡単に作れるツマミだ。 三枚におろした鯖に、表面が真っ白になるくらい塩を振り、常温で1時間30分程度おく。流水で塩を洗い流したら、毛抜きで真ん中の硬い骨を抜き、20分ほど酢に浸…
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【鳥の煮込み】砂肝の上品なうま味と鳥皮のコクを味噌がまとめる
「始末の料理」という言葉の発祥は大阪だ。 「大阪食文化大全」(西日本出版)によれば「始末とは始めと末(終)わりを意味する。つまり物事の辻褄がきちんと合っていること、算盤勘定ができていること」「安…