至福の始末料理
-
【キャベツの芯のポタージュ】不明を恥じて作るごちそう
春キャベツがおいしい季節になった。 生で良し、煮て良し、炒めて良しの定番野菜だが、硬い芯の部分は捨ててしまう人が多いのではないか。我が家でもそうだった。 ビタミンC、ビタミンU、ビタ…
-
【かぼちゃ煮の炊き込みご飯】煮汁は最後の一滴まで食いつくす
弱火でコトコト煮るだけでおいしくなる煮物は“最強の常備菜”だが、実に悩ましいのが、煮汁である。鍋や保存容器に残った煮汁を見るたびにもったいないなあと思う。 食材のうま味が出ている煮汁を洗い場…
-
【野菜クズの絶品だし「ベジブロス」】簡単でおいしく体にいい
台所のゴミで最も多いのが野菜のクズ。タマネギの皮、ジャガイモの皮、ホウレンソウの根っこ部分、ブロッコリーの硬い茎、キノコのいしづき、カボチャのわた……。今までこうした野菜クズはシンクの三角コーナーへ…
-
【マグロのアラの漬け焼き】固い筋が溶けてトロットロに
本マグロやインドマグロの刺し身は、言わずと知れたごちそうだ。 ただし、食べるときにどうしても気になるのが筋の部分。脂の乗った腹身、つまりはトロの部分ほど、筋が強くて閉口する。 過日、…
-
【エノキの根元ソテー】いつもは捨ててしまう軸がうまい一品に
エノキの何がいいといえば手頃な価格だ。スーパーの店頭で一袋98円程度。お買い得の日となれば2袋で同じ値段のときもある。手軽さゆえに手に取ってしまう人も多いはずだ。味噌汁は定番で、豆腐や油揚げと一緒に…
-
【カニ殻だしのリゾット】アスタキサンチンを煮出して味わう
海なし県に住んでいるとカニはめったに食卓に上らないぜいたく品だが、コロナで出掛けられないということを理由に「ふるさと納税」で手に入れてみた。 ふるさと納税の返礼品としてカニを扱っている地域は…
-
【イカの塩辛】名店オヤジの格言「余計なものは入れない」がよく分かる
尾崎富士雄という渋いボクサーがいた。マーク・ブリーランドに挑戦した試合を後楽園ホールで見て、郷里の青森県八戸を訪ねた。暮れの寒い頃だ。実家は漁師で、母親がぽつぽつと話すガラス窓の向こうでイカが白く揺…
-
【出がらし茶葉の佃煮】捨てるなんてとんでもない!
近頃、緑茶はコンビニや自販機で買うことが多い。家庭ではお湯を注ぐだけのティーバッグやスティックタイプが人気のようだ。あるいは、おうち時間が増えた昨今、お茶の葉を急須やポットに入れて緑茶を飲む機会が増…
-
【大鰐温泉もやしの丸ごとおひたし】給料日「直後」のお楽しみ
もやしは給料日前のピンチを乗り切る“セーフティーネット食材”とは限らない。 津軽の伝統野菜「大鰐温泉もやし」は別格で、堂々たる見た目と力強い風味は「キング・オブ・もやし」と呼ぶにふさわしく、…
-
【サワラのアラの炊き込みご飯】400円足らずで数日間、旬のうまみを堪能
サワラは魚ヘンに春と書く。旬は春といわれるものの、最も脂が乗ってうまいのは冬、つまりはいまの時季だ。 切り身は1切れ500円くらいするし、どうせならアラを使って炊き込みご飯にしたいと思い、デ…
-
【三関せりと親鳥の鍋】主役は根っこ! これがなきゃ始まらない
案の定、店内は混み合っていた。各都道府県のアンテナショップが軒を連ねる東京・有楽町の交通会館。その日、中でも賑わっていたのが、県内の名産品が揃う「秋田ふるさと館」である。 レジへとつながる行…
-
【鯛のかぶとの骨酒】これが45円かと涙が出て申し訳なく思う
往年のマラソンランナー、宇佐美彰朗さんはかなりの料理人だった。 新潟県立巻高校から日大に一般入学して走り始めた人だが、実家が大きな魚屋で仕出しもしていた。親の仕事を見まねで覚え、その技が走り…
-
【サケのアラで手作りフレーク】バターと日本酒で「高級品」に大変身
東京・深川のホームセンター3階にある老舗鮮魚店のコーナー。ここで超お買い得品を見つけた。 塩サケの切り落としが9切れでナント505円(税別)。冷凍ものだが、立派な切り身も入っている。そのまま…
-
【牛ミノの湯引きと炒め物】鮮烈で芳醇な辛さがうま味を引き立てる
「おまえさぁ、舞妓はんひぃ~ひぃ~って知ってる?」 先だって、一緒に酒を飲んだ知人に聞かれた。 舞妓さんがひーひーと言って喜ぶものがあるのか、何なのか、それだけじゃ分からない。知人が続…
-
【昆布とひじきのペペロンチーノ】昆布締めの後のお楽しみ
昆布と急速に仲良くなり始めたのは、ここ10年くらいだと思う。きっかけはヒラメの昆布締めだ。北陸みやげとしていただいた品のとりこになり、食材に豊かな風味を加える裏方の仕事ぶりに魅了された。 水…
-
【鶏レバーとクズ野菜のペースト】濃厚でクセになるうまさ
すでに他界した焼き鳥屋の親父さんの焼くレバーは絶品だった。 通常はタレで出てくるものの、「ホントいうと、こっちの方がうまいんだから。食べてみな」と、塩と胡椒で味付け。表面はうっすらと焼き色が…
-
【自家製タバスコと炊き込みご飯】鮮烈な辛味のとりこになった
自家製の「タバスコ」を作ってみた。 きっかけは、行商のおばちゃん。毎週土曜、六本木近くの商店街にやってきて、雑居ビルの軒下を借りて野菜や手作りの総菜を並べている。埼玉にある自分の畑で丹精込め…
-
【落ちハモのアラ鍋】身なんかなくても熱燗が足りなくなるうまさ
ハモは京料理に欠かせない食材だ。 大きな口と鋭い歯が特徴で、小魚や甲殻類をパクリとやる。よく噛みつくことから、「食む」が語源とも。狂暴で生命力が強く、胴体を切り離されても料理人に噛みつく。 …
-
【ブロッコリーのラグーパスタ、ポタージュ、きんぴら】2株を使いつくして3品に
買い物に行くと、濃い緑色で丸々としたうぶなブロッコリーと目が合った(ような気がした)。晩秋から3月ごろまで国産ものが多く出回り、粒がぎっしり詰まってみずみずしい“上物”が手に入る。冬到来、もうそんな…
-
【イワシのつみれ汁と骨せんべい】信心なしでも丸ごとイケる
自宅の近所に高級な魚屋がある。 イワシ1尾が500円も600円もするのだから、とてもじゃないが手が出ない。唯一、買ってもいいかと思ったのは千葉は九十九里産というメザシ。カタクチイワシかウルメ…