江藤拓前農相は米高騰の“黒幕”には使い勝手がよかった
石破総理がついに江藤農相を更迭した。例の失言騒動で、最初は続投と決めていたが、野党5党から不信任案を提出されそうになり、夏の参院選にも影響するとの判断のようだ。
当の失言は佐賀県内での講演で言った、価格高騰が続いているコメについて「私はコメを買ったことはありません。支援者の方がたくさんくださるので、まさに売るほどある」というものだ。
ご本人は「ウケ狙いだった」と釈明したが、この発言のどこがどうウケるのかわからない。ていうか、政治家の失言は、地元の支持者など比較的好意的に話を聞いてくれる人の前で気が緩み、少し笑わせてやろうとジョークのつもりでしゃべるときに起きるのが大半だ。
これを「政治家が芸人みたいにしゃべるからだ」と思っている人がいれば、少し違う。
芸人がウケを狙うときは、その場にいる万人を笑わせなければいけない。だから、全方向に失礼のないように、万全の注意を払う。どこかに失礼や暴言があっても、お客は敏感に感じ取って爆笑にはならない。あるいはそれで少し緊張させておいて、その後にそれを一瞬で救うオチネタを用意して爆笑を誘う。