研究33年ウイルス学者が語る新型コロナ
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新自粛1/100作戦<2>水で頻繁に手を洗いマスクだけで十分
コロナウイルスの研究は、獣医学領域で盛んである。これまでの研究で、個体に感染するために必要なウイルス量は、感染実験により明らかになっている。一定以上のウイルスが感染門戸に付着しなければ感染しないので…
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出口戦略で都市封鎖は現実的でない…「新自粛」を提唱する
新型コロナウイルス対策の最終ゴールへ向けての戦略は主に2つある。「ウイルスからとことん逃げる作戦」と、「集団免疫により乗り切る作戦」である。どちらが良いのか。 「ウイルスからとことん逃げる作…
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コロナ禍さまざまな出口戦略…完全に逃げ切るか集団免疫か
新型コロナウイルスに対しては、世界各国でさまざまな方策で立ち向かっている。不幸にして、感染爆発して、医療崩壊が起こってしまったイタリアや、初期にウイルスの流入を防いだ台湾、新型コロナウイルスにはあえ…
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コロナ終息の条件とされるが…ワクチン開発は本当に可能か
すべてのウイルスに対してワクチンの開発が可能かどうかというと、そうではない。例えば、ヒト免疫不全ウイルスHIVは、1983年夏に発見されたが、発見後37年経った今も、いまだワクチンはできていない。 …
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出口戦略には必要だが…ウイルス検査の限界と問題点
新興ウイルス感染症が出現した場合、通常、ワクチンや治療薬はない。人の新興ウイルス感染症の場合、感染者を見つけ出して、対症療法するとともに、他の人にうつさない方策をとらなければならない。そこで重要にな…
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免疫の不思議…期待に反し抗体が感染を助長することがある
新型コロナウイルスは主に飛沫感染と接触感染で感染する。どちらも、口から出たウイルスが、さまざまな経路を介して目や鼻、口、咽頭、肺に到達し、その部位で感染に必要なタンパク質を発現している細胞に感染する…
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アルコールには弱いのにヒトの新興ウイルスになった理由
ウイルスは細胞の中にあるタンパク質合成工場を借りて、必要なタンパク質を合成する。とにもかくにもウイルスは、細胞の中に侵入しなければならない。 コロナウイルスは一番外側に「エンベロープ」と呼ば…
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すべての起源は動物だが…人間のウイルスはどこから来たか
新型コロナウイルスの正式名称は、「重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス2型」であり、略称は「SARS―COV―2」となる。このウイルスは、8番目のヒトのコロナウイルスである。 メジ…
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コロナは“お化け”のような存在ではない 動物ではメジャー
コロナウイルスは、SARSウイルスや中東呼吸器症候群コロナウイルス、新型コロナウイルスを除いては知名度が低く、ウイルスの中ではメジャーな存在ではないと思われる方も多いのではないだろうか。 し…
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コロナウイルスは最も複雑で賢い「RNAウイルス」のひとつ
ウイルスは、細胞に感染しないと増殖することができず、単独では存在し得ない。このことから、ウイルスは生物といえるのかという論争が古くからあった。この命題に対する答えは難しいが、私の答えは、「ウイルスは…
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基礎知識の不足が混乱に拍車「ウイルスとは何なのか」
新型コロナウイルスが出現して、にわかにウイルスに対する関心が高まっている。以前にも、ノロウイルス、インフルエンザの流行とともに人々の関心が高まったが、これほどまでに社会に影響を与えたウイルスは初めて…
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新興感染症はすべての動物に表れる どーんと受け止めるしかない
私はネットでは「にゃんこ先生」と呼ばれている。しかしその正体は、この道33年のベテラン獣医ウイルス学者である。私は、犬や猫、猿のウイルスを中心に、地道に33年間研究を行ってきた。これまで扱ってきたウ…