すべての起源は動物だが…人間のウイルスはどこから来たか
新型コロナウイルスの正式名称は、「重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス2型」であり、略称は「SARS―COV―2」となる。このウイルスは、8番目のヒトのコロナウイルスである。
メジャーなコロナウイルス群(オルソコロナウイルス亜科)は、アルファからデルタコロナウイルス属から成る。ヒトのコロナウイルスはすべてアルファとベータコロナウイルス属に属している。
アルファコロナウイルス属には、ヒトに「かぜ症候群」を引き起こすヒトコロナウイルス229EとNL63がある。
ベータコロナウイルス属にはヒトコロナウイルスOC43とHKU1、ならびにヒト腸内コロナウイルスがある。
さらに、SARSコロナウイルス1型、中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス、そして今回のSARS―COV―2がある。
ヒトに感染するこれらのウイルスは、すべて動物からやってきたと考えられる。どの動物からやってきたかは、これらのウイルスに遺伝的に近縁のウイルスがどの動物に存在するか調べることで、推定することができる。それを調べる方法が「系統樹解析」と呼ばれる手法である。