オンラインマッチングは時代の最先端 ~業界No.1に聞く「イマ」と「コノサキ」~
今話題のオンラインマッチング「pato(パト)」に注目!
【第1回】 新しい出会いの場としてさまざまな「オンラインマッチング」が登場している今、特に注目を集めているサービスがある。株式会社キネカが運営している「pato(パト)」がそれだ。飲食業界は新型コロナ蔓延で大打撃を受けているなか、数多くのサービスの中でもpatoが人気となっているのはなぜか、その秘密を探った。
■日本最大級のエンタメスキルシェアサービス
今、巷で話題となっている「pato」だが、よく知らないという人もいるはずだ。まずはpatoについて簡単に説明しておこう。
「全国どこでもpatoを楽しめる」というコンセプトのもと2017年6月にサービスの提供を開始した、スキルや才能を持つ人と仕事を依頼したい人をつなげる日本最大級のエンタメスキルシェアサービスだ。ユーザーは2通りで、面接通過率10%という厳しい基準を経て登録された20~30代がメインの「キャスト」と呼ばれるユーザーと、キャストを大事な接待やイベント、プライベートの飲み会などに呼ぶ側の20代後半から50代60代まで幅広い層の「ゲスト」に分かれ、ゲストのリクエストやニーズに応じてキャストとゲストがマッチングするというわけだ。
同社によると「pato」は22年4月には全国17エリアまで提供エリアが拡大、今年5月現在では総登録会員数20万人、総登録キャスト数1万人、累計マッチング回数40万回を数え、21年度の売上は約54億円を超え、22年度は10%以上の成長で約60億円突破の勢いというから、いかに多くのユーザーにpatoが支持されているかが分かるだろう。
■TPOで「patoのサービス」を使い分ける
patoには「patoコール」と「コパト」の2つがある。
「patoコール」は募集人数、合流したい予定時間、場所、要望などを入力してマッチング成立を待つ方法。リクエストから最短30分で今いる飲食店などにキャストを呼ぶことができ、例えば失敗したくない接待の時などには、そのことを事前に伝えておくこともできるので安心して使えるのが大きなメリットだ。
これに対して「コパト」はゲストとキャストの間でメッセージのやり取りをし、お互いに合意をした上でアポイントメントを確定し合流する方法で、利用ポイント(料金)がキャストごとに設定されているのが特徴となっている。
また、patoコールもコパトも東京以外の大阪、名古屋、福岡、北海道、沖縄などでも利用できるので出張先や旅先でも楽しめる。
キャストを呼んで失敗だったと思ったことはない
実際にpatoを利用したことがあるというゲスト2名に感想を聞いてみることにした。
都内の大手不動産会社に勤務している40代のAさんは、「得意先の接待はもちろん、友人との飲みの席などpatoコールとコパトを使い分けながら今まで何度も利用させてもらっていますが、満足できなかったこと、呼んで失敗だったなと後悔したことは一度としてありませんね。とにかくキャストさんの容姿のレベルが高いこともさることながら、こちらのニーズをちゃんと汲んでその場をしっかり盛り上げてくれるんですよ。得意先の人も喜んでましたね。新しい仕事につながったのはpatoのおかげですね」と笑顔で語る。
一方、同じく都内でIT関係の会社を経営している50代のBさんはこう話す。
「patoのキャストはものすごく厳しい審査基準をクリアしている子ばっかりだっていうじゃない。それだけに比べたら申し訳ないんだけど、容姿も会話の内容もその場の雰囲気の作り方もキャバクラの子とは明らかに違っているんだよね。一度patoを体験しちゃうともうキャバクラに行こうとは思えなくなる、そんな感じかな。だから今、友人にもpatoを勧めているんだよ」
日本にもオンラインマッチングを受け入れる時代が来る
では、「pato」はどのような経緯から誕生し、ここまで伸びてくることができたのだろうか。キネカの平塚満COOに話を聞いた。
平塚COOは大学時代にキャバクラでのバイトをしたことをきっかけに水商売に興味を持ち、そのままキャバクラで働くようになった。そして数年後のある時、オンラインマッチング運営をしている人物と知り合った。
「当時アメリカではオンラインマッチングが盛んでしたが、日本ではまだ出会い系と呼ばれている頃で、いくらお金をかけても全然出会えない、サクラばっかりの怪しいサービスだといわれていました。でも、僕は構造的に変えることによって日本でも100%出逢えるサービスが可能になって、オンラインマッチングが受け入れられる時代が必ず来るはずだと思ったんです」
大事なのは口コミ
こうしてオンラインマッチングに関心を抱いた平塚COOは研究とリサーチを始める。そして、女性がマッチングされることによってお金をしっかりもらえて対価として楽しさやエンタメを提供するリアルサービスが日本にあるかと考えた時、キャバクラに近いのではないかと思い当たる。となれば、それをインターネットに置き換えたらどうなるのかということで行きついたのが「pato」というわけだ。
とはいえ、patoに対して、例えば、どうせサクラだろうとか援交じゃないのかといったネガティブなイメージを持つ人も少なからずいるのも事実。平塚COOも、そうしたイメージを払拭することがpatoを始めてから、そして今も最も苦労している点だという。
「patoが提供しているサービス内容を正しく理解されていない方、誤解されている方がまだまだたくさんいらっしゃることはよく分かっています。こうした方々をなくすためには口コミがすごく大事ではないかと考えています。ですから、ひたすら誠実に地道に取り組んで、ゲストの皆さんからよい口コミを引き出していけるかにこだわって今までやってきましたが、今後も同じ気持ちでやっていきたいと思っています」
平塚COOはきっぱりといった。
「pato」はサービスを開始して以来わずか5年で総登録会員数20万人を突破するなど急成長している。それだけに、新型コロナウイルスの影響で利用客が減少している飲食業界などpatoの勢いに期待している他業界も少なくない。
しかしその一方で、キャストの納税問題、援助交際につながるのではないかという根強いネガティブイメージの払拭などpatoが解決しなければならない課題もある。それについては第2回以降で明らかにしていきたい。(つづく)
【取材協力】キネカ