ここがおかしい 小林節が斬る!
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「改憲」が自己目的化した議論の末路 「緊急時の議員任期の延長」はズレている
12月7日、衆院憲法審査会で、中谷元・与党筆頭幹事が、緊急事態時の国会議員の任期延長などの改憲条文案を作成するため、来年1月からの通常国会で作業機関を設置することを提案した。 しかし、これは…
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すでに議論は空回り…今の自民党に「憲法改正」はできない
11月30日、自民党内で憲法改正推進議員連盟の会合が開かれた。衛藤征士郎代議士が、国会で改憲論議を加速するため「議連がリードしていかなければならない」として、年内に条文案をまとめる考えを表明した。 …
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自民党の憲法感覚の歪み「人権」が理解できていない
自民党の中で改憲に熱心な議員たちは、本稿の表題を見ただけで怒りだすであろう。そして、「『人権』などとは西洋の概念で、日本では『国民の権利』が正しいのだ」と言うはずである。 しかし、「人権」つ…
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「世襲議員」はもはや憲法違反だ 日本は事実上の「貴族政治」になっている
議員の世襲の弊害については久しく議論されているが、世襲議員はますます増え続けている。岸田首相、麻生自民党副総裁等、自民党議員の4割弱は世襲である。 世襲議員を批判すると、必ず、彼らにも参政権…
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インドが「バーラト」に勇気ある国号変更 帝国主義者から与えられた国称を放棄
9月9日、G20議長国のモディ首相の卓上の国名がバーラト(Bharat)となっていた。もともと、彼国の母語であるヒンディー語では自国をそう呼んでいる。そのことは彼国の憲法にも書かれている。 …
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辺野古新基地建設を巡る2つの憲法問題 地方自治体の拒否権と司法の機能不全
憲法95条は、「一つの地方自治体のみに適用される『特別法』は、その自治体の住民投票で過半数の同意を得なければ制定してはならない」と明記している。この趣旨が、「国策として特定の自治体に特別の負担を強い…
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安全保障としての食料自給率の向上を! 速効性のある具体策を自民党に問いたい
40年も前であるが、まだ駆け出しの助教授であった私は自民党の安全保障に関する勉強会に出席していた。そこで多くの事を学ばせてもらったが、「食料安全保障」の話は今でも鮮明に覚えている。それは、いくら日本…
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これでは犯罪組織の名称と同じ…ジャニーズの社名変更は当然だと考える
ようやく、ジャニーズ事務所の性犯罪スキャンダルが解決に向けて動き出した。時間はかかるが、何よりも加害者側が事実を認めて償いの意思を表明したことは、せめてもの救いで、今後の出発点になる。 しか…
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維新・馬場代表は民主主義の基本をわきまえていない 政治家としては致命的
7月に、ネットテレビで、日本維新の会の馬場伸幸代表が、「共産党はなくなった方がいい」と発言した。抗議を受けたが、「政治家として信念、理念を持って発言している」として、謝罪や撤回には応じなかった。その…
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原発処理水を飲んだ政務官は今も健在 デマには事実できちんと対抗すべき
私は、今回の原発処理水の放出は愚策だと思う。もちろん、処理水の安全性はIAEA(国際原子力機関)も認めている。 しかし、わが国として、処理水を地上にためておく余地はまだあり、その上で、国力を…
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公人の靖国神社参拝と憲法…「政教分離の原則」における違憲な方法と合憲な方法
8月15日の終戦記念日に戦没者を追悼して平和を誓うことは、個人としても国家としても、正しいことであろう。 しかし、国家を代表する公人の行動は憲法に従わなければならない(99条)。そして、憲法…
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緊急事態条項を議員任期延長に変えた勘違い 特権維持しか考えない議員たち
自民党などの改憲勢力が、6月に閉会した通常国会までに衆院憲法審査会で29回も討論した「緊急事態条項」の新設について論点整理を行った。 その中心は、なぜか、緊急時に任期が満了した衆院議員の任期…
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「共産党嫌い」に対する反論は同党の責任だ(3)「専制政治」を敷くのか?
ロシアと中国の政治が専制であることは周知の事実である。専制政治とは独裁者による恣意的統治である。確かに、プーチン大統領と習近平国家主席の国家運営の方法はそう見える。 専制体制下では、人権は事…
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「共産党嫌い」に対する反論は同党の責任だ(2)「自衛隊活用論」はどうなったのか?
共産党はかつて、「自衛隊活用論」を主張していた。つまり、①憲法9条の本来の法意からすれば、自衛隊と日米安保条約は違憲である②しかし、現実の国際政治の中で今それを実現できるものではない。だから、現実に…
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「共産党嫌い」に対する反論は同党の責任だ(1)「暴力革命」政党なのか?
わが国の政党の中で、共産党ほど人々の好き嫌いが分かれるものはないだろう。今回も、維新の代表から「なくなったほうがいい」と言われて論争になっている。 しかし、その論争も、世論が漠然と不信を感じ…
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立憲民主党に他党が同意できないワケ 候補一本化は必要だが「野党内予備選挙」はあり得ない
立憲民主党の岡田克也幹事長が、野党候補の一本化について持論を語った。 「バッティングした場合もどこかで『客観的な手法で優劣つけて』強い方に集約するのが『普通』。政権交代ある政治を目指すために必…
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野党は「野合」批判にたじろぐ必要はない 与党にも批判する資格はない
総選挙が近くなり、野党統一候補や野党共闘の話が出てくると、必ず、与党側から「野合」批判が出てくる。 いわく、「野党は、安全保障、エネルギーなど基本的政策が全く合っていない。選挙だけが目的の組…
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自民党は性的少数者理解増進法に抵抗し、偏見を墨守しているとしか思えない
性的少数者(LGBT)に関する理解増進法が今月16日にようやく成立した。 同法は、全ての国民が「性的指向」にかかわらず、個人として(つまり「そのような自分であること」を)尊重し合いながら、共…
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国際常識を逸脱した入管法改正案 日本は文明国家でも国際国家でもないのか
難民条約(1951年採択、54年発効。日本は81年に批准)31条は、「庇護申請国へ不法入国しまたは不法にいることを理由として、難民を罰してはいけない」と規定している。さらに33条は、「難民を彼らの生…
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現実的で冷静な防衛論議を行うべき 「維新嫌い」の反発に驚かされた
本欄前稿(5月13日付)で、維新の防衛政策が、左右の両極端の中間にあって、世論の中間派(多数派)の「不安」を的確に捉えていると指摘し、改めて、民意を無視しない率直な防衛論議が急務だと提言した。 …