１９７１年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。ＣＳ放送「サムライＴＶ」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。７月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」（新潮社）が、第４３回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。
芸能界と格闘技界 その深淵
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フジに大晦日の格闘技中継を諦めされるため、榊原信行が告げた腹案
フジテレビと日本テレビの2局同時放映を実現させようともくろんでいたDSE社長の榊原信行だったが、フジテレビの格闘技番組の統括責任者である清原邦夫に「大晦日に日テレでやるなら、来年からのPRIDEの放…
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フジテレビがPRIDEの中継を始めたのはK-1に対する意趣返しだった
DSE社長の榊原信行には2つの思惑があった。「大晦日にPRIDEの興行をフジテレビで中継する」「パートナーである川又誠矢の興行を日本テレビで中継させ、DSEはそこにも制作スタッフを送り込む」というも…
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日テレは破格の条件を提示「ミルコはヒョードルとやらせるまでは負けさせられない」
日本テレビ編成部長の田中晃、編成部プロデューサーの宮本修二、事業担当者、DSEの榊原信行、ケイ・コンフィデンスの川又誠矢、元K-1海外担当の今井賢一の6者会談で、日本テレビが提示した条件は次の通り。…
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「放映だけで事業はやるつもりはないんですよね」の言葉に日テレ側は…
2003年10月上旬、都内のホテルで6者会談が開かれた。日本テレビからは、編成部長の田中晃、編成部プロデューサーの宮本修二、事業担当者の3人。興行主催者側からはDSEの榊原信行、ケイ・コンフィデンス…
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興行は“綱引き”でもある「テレビ側に翻弄されたら損をするのはプロモーター」
何度も述べているように、川又誠矢と日本テレビ編成部プロデューサー、宮本修二の間を取り持ったのは、大手芸能プロダクション、ケイダッシュ会長の川村龍夫である。 2人を引き合わせた手前「どうにか成…
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日テレが提示した放映料4億円を拒否した理由「大晦日をやるとなると…」
大手芸能プロダクション、ケイダッシュ会長の川村龍夫の仲介で、日本テレビ編成部プロデューサーの宮本修二と会った川又誠矢は、「放映料は2億支払います」と具体的な数字を明示してきた宮本に対し「話にならない…
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日テレの申し入れは「2億じゃあ最初からテーブルに着くつもりもなかった」と拒絶された
「テレビと格闘技」2003年大晦日の真実（110） ◇ ◇ ◇ 日本テレビ編成部プロデューサーの宮本修二は、川又誠矢がDSEと組んでさいたまスーパーアリーナで開催する、大晦日の格闘…
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「ウチは放映料は2億円は確実にお支払いできます」と日テレ編成の担当者
川又誠矢は、ケイダッシュ会長の川村龍夫の仲介で、日本テレビ編成部の宮本修二と会った。21年前に池田高校の校舎で顔を合わせて以来の再会だったが、お互いまだそのことには気付いておらず、判明するのはまだ先…
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日テレ宮本修二と名刺交換しながら野球少年だった昔日の記憶が脳裏に蘇った
1982年の「全国高等学校野球選手権大会」（夏の甲子園）で「やまびこ打線」の雷名をとどろかせ、日本中を熱狂の渦に巻き込んだのが、蔦文也監督（写真）率いる徳島県の池田高校である。 エースで4番…
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ケイダッシュ川村龍夫会長が切り出した「年末の格闘技はフジテレビと契約しちゃったの？」
「その電話がかかってきたのは、9月に入ってすぐくらいだったかなあ。『川村さんが会いたいって言ってる』って業界の知り合いから」 川又誠矢は19年前の出来事を昨日のことのように話し始めた。 …
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「秋元康が『TBSのやつにも会ってやってくれ』って感じで言ってきた」
2003年8月10日の、PRIDEさいたまスーパーアリーナ大会でリングに登場したアントニオ猪木が「今年の猪木祭りは日本で一番高い山でやる」と発言したように、2年連続でTBSが放映してきた「INOKI…
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代理人は「むしろ総合格闘技の方がミルコは輝けるんじゃないか」と考えた
芸能プロダクションを経営しながら、K－1における“裏の仕事”を任されてきた川又誠矢が、ミルコ・クロコップの代理人となったのは2003年3月のことである。 大手広告代理店のADKと組んで立ち上…
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猪木肝いり「ULTIMATE CRUSH」失敗…棚橋弘至も「新日の方針は間違っていた」と回想
2003年5月2日、東京ドームで行われたアントニオ猪木肝いりの企画「ULTIMATE CRUSH」だがこれといったインパクトを残すことはできず、社内の反対派が息を吹き返した。事実、主力選手の棚橋弘至…
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アントニオ猪木が提案 純粋なプロレスの試合と総合格闘技は「水と油」だった
「PRIDEミドル級グランプリ」と「K-1ラスベガス大会」で、格闘技界が空前の盛り上がりを見せた2003年8月から、さかのぼること3カ月前、2003年5月2日の新日本プロレス東京ドーム大会において、前…
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アントニオ猪木の“胸の内”「自分が格闘技とコミットすることでファンが戻る」
本稿の舞台となっている、2002～03年というのは、格闘技人気が安定期に移行した数年であり、対照的にプロレス人気の低迷が顕著になった時期でもある。 K-1を立ち上げた石井和義が、プロレスファ…
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格闘技が新日本プロレスに接近したのではなく、新日本プロレスが格闘技にコミット
船木誠勝、鈴木みのるを中心に「完全実力主義」「ハイブリッドレスリング」を掲げて、1993年に旗揚げされた総合格闘技団体のパンクラスが、2003年8月31日、両国国技館で「10周年記念興行」を行った。…
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ヒクソン・グレイシーが両国国技館に現れたその時、アントニオ猪木は成田空港に
新日本プロレス真夏の風物詩「G-1クライマックス」の最終戦が行われた8月17日の両国国技館に、ヒクソン・グレイシーが姿を見せた。あくまでも客席に現れただけでリングに上がることはなかった。 そ…
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幻の「ヒクソンvs長州力」PRIDEのリングに長州が上がる話ではなかった
格闘技界が「タイソンK-1登場」「タイソンK-1電撃契約」に揺れる中、新日本プロレス真夏の風物詩「G-1クライマックス」が8月10日の神戸を皮切りに、名古屋、静岡、仙台を経て、8月15日からフィナー…
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テレビマンは谷川貞治にすり寄った 思惑通りPRIDEも秋波を送ってきた
契約金30万ドル（約3500万円）、ファイトマネー1試合につき200万ドル（約2億3600万円）、加えて複数試合という破格の条件でマイク・タイソンと契約を結んだ、K─1プロデューサーの谷川貞治は「日…
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タイソンがまたトラブル…契約は結んだが「本当に来日させられるのか？」
谷川貞治にとって、K-1プロデューサーだった2003年の真夏に出会ったマイク・タイソンの記憶は、強烈な印象とともに今も残っていた。 「当時のタイソンって感情がおかしいというか、どのタイミングで…
