シニア初心者向け「日帰り登山&温泉」コース5選 「温泉百名山」の著者が楽しみ方を伝授
温泉紀行ライター 飯出敏夫さん
シニア層を中心に根強い登山人気。その中で注目されているのが、登山と温泉を組み合わせた楽しみ方だ。山頂からの展望を楽しみ、下山後は温泉で汗を流す。このような「温泉登山」の魅力について、「温泉百名山」の著者で、10月末に続編を上梓した温泉紀行ライターの飯出敏夫さんに聞いた。
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【Q】「温泉百名山」とは?
深田久弥の「日本百名山」にヒントを得て、山麓や中腹に名湯がある100の山を選定し、その山と温泉を紹介した本およびその活動です。
学生時代から山登りを趣味にしていたのですが、古希の記念に登り残していた百名山を踏破。その時、温泉とは無縁の百名山が多いことに気づき、ならば名湯のある名山を独自に選ぼうと決めたのがきっかけです。
とはいえ、その道のりは楽ではありませんでした。実は2011年に悪性リンパ腫のステージ4を患い、体力気力ともに著しく減退。3年間は登山する気にもなれませんでした。温泉百名山の活動を始めた後も、18年に脊柱管狭窄症の手術を受け、さらに20年には膝を痛めて手術と5週間の入院を余儀なくされました。それでも1日2万歩の歩行訓練など徹底したリハビリを行い、山登りに復帰。そして21年9月、温泉百名山の全ての山の登頂を完了。22年10月26日に出版にこぎつけました。
【Q】「温泉百名山」を出版した反響は?
時代が味方してくれましたね。コロナ禍で外出を抑えられていた時期が終わり、政府が経済優先に舵を切ったタイミングで出版できたため、新聞やラジオなどのマスコミが一斉に取り上げてくれました。そのおかげで、書店では品切れが続出。3カ月で3刷まで増刷しました。
個別には山と温泉それぞれのガイドブック的な本は多数ありますが、山と温泉を組み合わせたガイドブックはほとんどなく、さらに、私の本は単なるガイドブックではなく、個人的な思い出や経験、一緒に登った人たちのエピソードなども織り交ぜて書いています。そうした個性的な内容が読者の心に響いたのかもしれません。