佐高信「追悼譜」
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徐京植も魯迅のように「暗黒」ともみ合ったのかもしれない
『獄中19年』(岩波新書)の著者、徐勝は私と同い年だが、彼は弟の俊植と共に韓国に留学中に政治犯として逮捕され、長い獄中生活を送った。京植は2人の弟である。 京植とは30年近く前に「魯迅の読み方…
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演歌歌手・冠二郎は五木寛之に励まされ、夢を叶えた
五木寛之と対談したのは『俳句界』の2020年1月号でだった。 そこで五木はNHKが懐かしのメロディーとして取り上げる戦後の流行歌について、自分の実感とはズレると語っている。 若いディ…
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井筒3兄弟・寺尾の父親・鶴ヶ嶺もマジメで言葉少ない相撲取りだった
「ドキュメント 師弟」という連載で、井筒親方と逆鉾を取り上げたことがある。フリーになってまもなくで40年ほど前のことだった。逆鉾は寺尾の兄で、その上にもう1人、やはり力士になった兄がいて、井筒3兄弟と…
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美空ひばりに「歌がうまい子」と言われた八代亜紀には雨の歌が多い
前川春雄は勲章を固辞した珍しい日本銀行総裁だった。その前川が酔うと口ずさんだのが、八代の「舟唄」である。 ただ、この歌が好きな政治家も多くて、小沢一郎や小泉純一郎もそう告白している。 …
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竹入義勝罵倒事件に見る池田大作と創価学会の体質
公明党の元委員長、竹入への『公明新聞』のバッシングは1998年9月28日から始まった。『聖教新聞』も連動したが、「天下の変節男」 「欺瞞の天才」「畜生以下の非道」「銭ゲバ」「ヘビ」等々、すさまじい限…
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西木正明は大事件ではなく「国境」に興味を抱き続けたダンディーなノンフィクション作家
西木は伊集院静と同じく女優と結婚した作家だが、ダンディーでイケメンという点では 西木の方が上まわっていたと私は思っている。 西木が直木賞を受賞した時、『週刊文春』が「この3人に2メートル以…
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ノーベル平和賞を受賞してしまったキッシンジャーで思い出す石原莞爾の神格化
池波正太郎や司馬遼太郎、そして佐藤愛子と同い年のキッシンジャーに私はいい感情を持っていない。 タカ派の中曽根康弘を弟子とする一方で、中曽根と同い年の田中角栄を、アメリカの意に逆らって中国と国…
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山田太一の骨っぽさは『岸辺のアルバム』より前に書かれた『藍より青く』に見えた
『読売新聞』と私の”蜜月時代”があった。特に出版局との関係においてだが、『週刊読売』 に3年間も時評を連載し、それは単行本として刊行された。その過程で私の監修、解説で「戦後ニッポンを読む」というシリー…
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甘利明に傾倒した伊集院静を夏目雅子はどう思うのだろうか
作家の高樹のぶ子と対談した時、高樹の出身地の山口県防府市は種田山頭火の生まれた所だねと水を向けたら、山頭火は高校の先輩だと言われた。同じ防府高校の後輩が伊集院である。笑いながら、 「誰がいちば…
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田淵義久が社長を務めた野村証券より厚かましたかったのが大蔵省だった
私が監訳者となったアル・アレツハウザー著『ザ・ハウス・オブ・ノムラ』(新潮社) は1991年夏に刊行されたが、その前の年の秋、証券取引所のある東京の兜町や大阪の北浜で、北島三郎の歌う「与作」の替え歌…
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池田大作のボディーガードをしていた後藤組・後藤忠政の正論
池田を「人間の仮面をかぶった狼」とまで罵倒したのは前首相の菅義偉である。 1996年の総選挙で神奈川から立候補した菅は相手が創価学会出身の現織だったために、そんな激しい攻撃をした。 …
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「ワイはアサシオや」にも描かれた元大関・朝潮は相撲界に欠かせない力士だった
私たちの年代では「アサシオ」と言われると、胸毛の濃かった先代の朝潮太郎を思い出す。横綱までいったが、強い時と弱い時の差が激しく、”2人の朝潮”がいると不思議がられた。徳之島出身で、高砂親方としては高…
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ホンダF1総監督だった桜井淑敏が語った本田宗一郎のすごさ
ホンダF1で世界を制した桜井淑敏の『ゼロからの挑戦』(祥伝社)に出てくる本田宗一郎がすこぶる魅力的だった。 ホンダに入社して半年後、研究所のエンジン設計部門の一員に加えられた桜井は、先輩たち…
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『独学のすすめ』『耳学問のすすめ』を書いた加藤秀俊が半世紀前にした指摘とは
『思想の科学』は鶴見俊輔を中心に、初期の同人には丸山真男もいて、主に大衆の動向に焦点を当ててきた。鶴見の兄貴分の久野収も含めて、私は『思想の科学』文化人といった分類ができると思うが、「中間文化論」で知…
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硬派の経済ジャーナリスト内橋克人が意外にも評価した谷村新司の『昴』
硬派の経済ジャーナリスト、内橋克人と私の対論『KKニポンを射る』(講談社)は 1986年に刊行された。タイトル通り、日本の会社やサラリーマンをテーマにしているが、 第6章の「時代の哀歌」で谷村の「昴…
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外資系証券会社幹部から出雲市長になった岩國哲人の「精神」
出雲市長となった岩國を彼の地に訪ねて対談したのは1992年だった。「『生活良国』のすすめ」と題したそれは『潮』の同年8月号に掲載されている。公明党と自民党が連立政権を組む前で、そのころは私も創価学会…
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高島直樹は小池百合子と創価学会に振り回されて逝った
小池百合子と公明党(創価学会)に振りまわされた男が亡くなった。「都議会のドン」と呼ばれた自民党の内田茂を支えて東京都連幹事長を務めた高島である。享年73。 公明党幹事長の石井啓一が今春、「(…
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「伊藤整の息子」という肩書に縛られた伊藤礼の”抵抗”と”復讐”
訃報欄には、「90歳 元日本大学教授、英文学専攻」に続いて「著書に、父で作家の伊藤整の歩みを描いた『伊藤整氏 奮闘の生涯』や1991年に講談社エッセイ賞を受賞した『狸ビール』などがある」とある。 …
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党首でありながら社民党を捨てて立憲民主党に参加した又市征治
原発に党を挙げて反対できず、改憲ならぬ壊憲にも正面からストップをかけられない立憲民主党に、又市は元党首でありながら社民党を捨てて参加した。だから、死亡記事に「元社民党党首」と出たことに社民党に残った…
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元フジサンケイグループ代表・羽佐間重彰はバランスがとれていた人物だったが…
フジサンケイグループ代表で元産経新聞社社長だった羽佐間の「お別れの会」が10月5日正午からオークラ東京で行われていると予告されている。 私も会ったことがあるが、羽佐間はバランスが取れた人だっ…