がんと向き合い生きていく
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がんと診断されて納得いく治療を受けるために必要なこと
上腹部に不快感を覚えてから3カ月、Gさん(56歳・男性)はようやく仕事を休んでC病院の内科外来を受診しました。内視鏡検査とCT検査を行い、翌週に検査結果を聞きにいくと、こう告げられました。 「…
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肝臓がんのほとんどは肝炎ウイルスの感染が原因
運送会社に勤めるSさん(65歳・男性)は、20歳を過ぎた頃から毎日のようにお酒を欠かしませんでした。 45歳の時、現在勤めている会社に入社しましたが、その際の肝機能検査でC型肝炎であることが…
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セカンドオピニオンは患者の権利 遠慮はまったく必要ない
「もう治療法はなく、あと3カ月の命と告げられました。セカンドオピニオンの紹介状は書いてもらいました。でも、もうあんなに冷たい病院には戻りたくありません。A先生の顔も見たくありません。この病院で治療して…
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前立腺がんは大きくならず一生そのままという場合もある
Cさん(62歳・男性)は、車の整備工場で退職後も非常勤で働いておられます。会社の健診で高脂血症、高血圧症、脂肪肝と診断され、2カ月おきに通院されていました。 そんなCさんが最近、「腰が痛い」…
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腫瘍マーカーはがんそのものの状態を表すわけではない
体のどこかにがんができると、血液の中にタンパク質などの特定の物質が増えることがあります。そうした物質は「腫瘍マーカー」と呼ばれ、採血検査でがんの診断や治療の指標になります。これは血液でなく、尿などの…
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いまの「ホスピス」は入院が長くなると退院を勧められる
がんは痛むのか? 死ぬとき苦しむのか? がんであってもなくても、いつか死ぬのは仕方ない。でも、痛みだけはなくして欲しい――。誰しもが思うことです。 「緩和ケア」は、日常生活上で支障となる身体的…
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胃がんに「抗がん剤は効かない」は大きな勘違い
農業を営むSさん(46歳・女性)は、3カ月前から上腹部に時々痛みがあったといいます。自宅近くの胃腸科医院で内視鏡検査を受けたところ、胃の幽門部(出口に近い)にがんが見つかり、私が勤める病院に紹介され…
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乳がんは手術から20年後に転移する場合もある
「今、娘から電話があって、乳がんと診断されたというんです」 ある日の午後、同じ職場で働いていたWさんが、涙ながらに私の診察室に駆け込んできました。 23歳で独身の娘さんは、間もなく術前…
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治療薬急激進歩も ほくろのがんは暴れ出すと手に負えない
悪性黒色腫とは、いわゆる「ほくろ」のがんのことで、メラニン色素細胞ががん化したものです。日本人の罹患率は白人よりははるかに少ないのですが、危険因子として紫外線への過剰な反復暴露があげられます。 …
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がんの骨転移による下肢麻痺は発症から48時間以内が勝負
「先生、今日はいい知らせがあります。先月ご相談したTさん(65歳・男性)が、歩けるようになってK病院を退院されるそうです。本当によかった」 F病院のS医師がニコニコしながら私にこんな報告をして…
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「悪性リンパ腫」には様子をみていいタイプもある
頚部のリンパ節が腫れる原因はさまざまです。子供では、病気でなくとも1センチ以下の小さなしこりにたくさん触れることも珍しくありません。また、歯肉や口腔内に感染があって炎症を起こしている時に、顎の下や首…
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がん手術の過去によって職場を追われた患者さんもいる
建設会社に勤めるSさん(53歳・男性)は、悪性リンパ腫の診断で1カ月の入院治療を行い、経過もよかったことでその後は外来治療となりました。当初は「会社のみんなに迷惑をかける」と考え、20年勤めた会社を…
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正常な組織は守る 副作用が少ない3つの最新放射線治療
理髪業のAさん(63歳・男性)は、頚部から縦隔にかけてのリンパ節腫大、扁桃の腫大ありで、悪性リンパ腫「ステージ2」の診断でした。化学療法を3コース行ってリンパ腫は消失。その後も化学療法を5コース繰り…
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卵巣がんの75%以上は進行した状態で発見される
Kさん(50歳女性)は2カ月前から腹満感が強くなり、近くの病院を受診したところ、腹水がたくさんたまっていました。腹水を検査した結果、中にがん細胞があると告げられたそうです。 しかし、どこから…
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早期ではほとんど症状が表れない 食道がんの知識と生存率
某社営業部長のSさん(56歳)は、1日にたばこ40本、酒は毎晩の付き合いでビールに始まり、ウイスキー、日本酒と続き、深夜0時すぎの帰宅は当たり前。そんな生活がもう20年以上続いているとのことでした。…
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科学的根拠のある代替療法はない
十二指腸に悪性リンパ腫ができたFさん(43歳・男性)は1年にわたって化学療法を受け、腫瘤が完全に消失しました。化学療法終了後は無治療となり、3カ月おきに外来で検査を受け、経過を観察していました。 …
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精巣腫瘍 薬だけで最も早く治せるがんになった
「精巣がん」ともいわれる「精巣腫瘍」は、精巣(睾丸)から発生したがんになります。肺にたくさんがんの転移を来したような場合でも、多くは抗がん剤「シスプラチン」と他剤との併用でがんが消失します。ですから、…
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胃がんの治療法は「内視鏡と手術」どちらを選ぶべきか?
かつて一緒に働いていたMさん(53歳)が、ある研修会が終わった後の打ち上げの居酒屋で、たまたま私の隣に座りました。そして、Mさんからこんな話をされました。 「先生、最近ずっと胃がきりきりして胃…
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急性骨髄性白血病 65歳未満の若年者5割が治癒する
高熱と歯肉からの出血を繰り返していた会社員のYさん(35歳・男性)を近医から紹介されました。採血の結果、白血球数の増加、高度の貧血、血小板減少があり、白血球は白血病細胞で占められ、「急性骨髄性白血病…
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死亡者数が最多 肺がんを減らすにはまだまだ時間がかかる
「喫煙者が減っても肺がん増えた」「たばこってそんな関係あんの?」――。2月末、麻生太郎財務相のこんな発言を取り上げた報道がありました。衆院財務委員会で、喫煙者が減っていることについて触れる中で、「肺が…