がんと向き合い生きていく
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がんになったとき、患者や家族が感じる「心のつらさ」は3つある
進行したがんとなっての心のつらさ、家族としてのつらさは、つらい本人でなければ分からないことだと思います。 がんでの心のつらさには、少なくとも3つの種類があるように思われます。1つは「家族を失…
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がん検診は科学的根拠に基づいたメリットがデメリットを上回る
血液や尿1滴でがんが分かる? え~! それなら……。しかも自宅でインターネットで申し込んで、検体を採取して郵送できるって? 簡単で、しかもこのコロナ流行の時代ならなおのこと、病院に行かなくて…
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自分ひとりではない…乳がんの女性は「患者サロン」で元気をもらった
厳しい残暑が続いています。 新型コロナは5類に移行されましたが、ウイルス自体が変わったわけではありません。暑いせいもあってか、街ではマスクをしていない人が多くなり、駅前のある大型店舗では入り…
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介護はもう無理だと思う…87歳の夫を看る85歳の妻の告白
2人で暮らしているある老夫婦がいます。85歳の奥さんは専業主婦、87歳の夫は商事会社を定年退職してからは仕事を持たず、一日中、トイレなどで立つ以外はほとんどテレビの前に陣取って座って過ごしています。…
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入院生活をきっかけにひどいイビキをかくようになって…
私は大学時代、リンパ節が腫れ、不明熱が続き、急性白血病が疑われましたが、幸い「伝染性単核症」というウイルス感染症で、それでも1カ月入院しました。 この時、38度以上の発熱が2週間ほど続き、解…
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暑い夏になると高校時代の熱血先生を思い出す やかんを手に巡回
暑い暑い日が続いています。そんな夏の日の思い出話です。 高校3年生の夏休み、私は毎日、自転車で学校に通いました。到着する頃は汗びっしょりです。 学校では、窓を開けて風通しのよい廊下に…
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新型コロナは「人の別れ」に大きく関わる…まだ安心できない
「青空の会(がん遺族の会)のつどい」という会報が届きました。夫や妻、家族が亡くなった方からのお便りです。 この冊子が届くと、毎回、一気に読むのは「こころのひろば~寄せられたお便り」のコーナーで…
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検査入院の夜、突然、天井のスピーカーからコール音が響いた
先日、B病院に検査入院した時のお話です。がんの検査ではなく、心臓、冠動脈造影の検査をするためです。半年前にも受けた検査で経験していることもあり、検査そのものは安心していました。ただ以前、冠動脈に入れ…
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チャットGPTの医療への応用は慎重にも慎重であって欲しい
対話型AI(人工知能)「チャットGPT」が、ここのところ急に話題になっています。ある知人の話では、たとえば大臣の国会答弁をまずチャットGPTに書かせ、それを担当者が書き直すことで、国会答弁前夜の作業…
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UCLAの教授だった同級生の訃報…元気で会えたら聞いてみたかった
大学の同級生S君の訃報が届きました。長く住んでいるアメリカで亡くなったのです。 10年ほど前になりますが、大学卒業後40年ぶりに会った彼は、ニコニコ笑顔で、胸を張っていました。学生時代は毅然…
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コーヒーとがんの関係…抗がん剤の効果を高めるとの研究も
毎朝のコーヒーは、「今日も一日生きる」と思わせてくれる、私にとってまさに“スタート”になっています。睡眠中はあれやこれや夢を見ることが多いのですが、それから朝が来ます。熱いコーヒーはひとつの幸せです…
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抗がん剤では80%の患者に脱毛が起こる…見た目の変化が苦痛に
父の話では、私は生まれて1~2カ月後にひどい発疹にかかったそうです。発疹は体中で、頭皮にも起こりました。その結果、頭皮には多数の小さな瘢痕が残り、父がバリカンで刈った私の頭は、小学校に入った頃に友達…
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膵臓がんで亡くなった先輩医師にはさまざまなことを教わった
私の先輩にあたるB先生は、出身大学で内科講師を務めた後、上京してがん専門病院に勤務し、ご自宅のある横浜から通勤されていました。 私が国立がんセンター(当時)で3年間の内科研修を受けた際、B先…
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「がんになりやすい性格」というものは本当にあるのだろうか
Gさんは昼休みの時間に、会社の屋上で缶コーヒーを飲みながら、亡くなった上司のFさんを思い出していました。 「Fさんは膵臓がんで、わずか1年間の闘病だった。みんなから好かれ、とても良い方だった。…
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胃がんの手術から2年目、夜な夜な“盗み食い”するようになって…
知人のKさん(68歳・男性)が胃がんと診断されて、胃の半分を切除する手術を受けたのが3年前になります。 手術後、1年間は抗がん剤治療を行いました。この間、体重は手術する前の元気な時から比べて…
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かつての同僚が胃がんに…医者は自分の専門分野で亡くなることもある
研修医の研修状況を確認するため、グループのM病院を訪ねた時、元同僚のK先生に会いました。K先生とは、約20年間、一緒に胃がんの患者の治療にあたりました。 標準治療など示されていない時代で、彼…
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“診察待ち”で再会したかつての上長は3回目のがん手術を受けるという
診察室の前の廊下には長椅子が設置され、患者は壁にかかったテレビに向かって待つようになっています。患者は“呼び出し器”を渡されていて、順番が回ってくると呼び出し音と表示があり、診察室に導かれます。機器…
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入院していれば家族に会えないまま亡くなっていたかもしれない
「先生、お世話になりました。いろいろ相談にのっていただきまして、ありがとうございました。 夫は昨夕、亡くなりました。午後になって顎が動くようになり、しばらくしてすっと動かなくなりました。穏やか…
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化学療法の前に受精卵の凍結保存を選び授かった子供が希望になった
医療従事者のMさん(43歳・男性)は、ある病院で悪性リンパ腫の診断を受けました。奥さんは35歳、結婚してまだ3カ月でした。 Mさんは全身化学療法を行う前に奥さんと一緒に産科のある病院に行き、…
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末期がんの主人のさっぱりした顔を見て家に帰ってよかったと思った
親しい知人の奥さんからの電話相談です。 ◇ ◇ ◇ 夫は70歳、20年前に直腸がんの手術を行い、左下腹部にストーマがあります。最近、そのストーマからの出血があり、背中の痛みもあっ…