著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

UCLAの教授だった同級生の訃報…元気で会えたら聞いてみたかった

公開日: 更新日:

 大学の同級生S君の訃報が届きました。長く住んでいるアメリカで亡くなったのです。

 10年ほど前になりますが、大学卒業後40年ぶりに会った彼は、ニコニコ笑顔で、胸を張っていました。学生時代は毅然として、堂々としていたS君とは思えませんでした。かつて感じられたその気迫は、彼のその後のアメリカでの経歴が物語っているように私は思っています。当時、石原慎太郎氏が書かれた「『NO』と言える日本」について、S君は「その通りだ。日本人は言葉が分からなくてニコニコしているだけではいけないのだ」といったようなことを言っていたと記憶しています。

 彼が、われわれの病院を訪れた時の、研修医に向けた講演の演題は「医師としての鍛えられ方-アメリカで生き延びる終わりのない試練-」でした。

 大学卒業の頃、私たち同級生の多くは大学医局制度反対とか、そんなことで騒いでいたのですが、彼の進路はまったく違っていました。卒業してすぐに米軍病院で研修を受け、アメリカに渡り、そのまま某病院で内科レジデント、そして某大学病院でアシスタントレジデント、チーフレジデント、内分泌フェローシップの後、内科スタッフとなり、さらに、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)助教授、准教授、そして1993年には教授となりました。日本人の彼が、米国の病院でアメリカ人に負けじと頑張り、その成果が実った結果であると思いました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」