性感染症最前線
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性器カンジダ症<2>発症の原因は抗生物質の服用が多い
真菌(カビ)の一種のカンジダ菌が性器で増殖して発症する「性器カンジダ症」。発症のほとんどは女性で腟炎や外陰炎を起こすので、一般的に「外陰腟カンジダ症」と呼ばれる。主な症状は強いかゆみと、白色の粘度の…
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性器カンジダ症<1>男性は少ないが女性は5人に1人が経験
真菌(カビ)の一種であるカンジダ菌。健康な人でも皮膚、口の中、消化管、性器など、どこにでもいる常在菌で、他の常在菌とのバランスが崩れ、極端に増殖すると「カンジダ症」という疾患になる。増殖した場所によ…
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ケジラミ症<2>白いパンツに黒色点状のシミがつくと危ない
人に寄生するシラミの一種であるケジラミが陰毛にすみ着く「ケジラミ症」。症状は吸血された陰毛の部分に生じる“かゆみ”だが、かゆみの程度は個人差が大きい。それに股間にかゆみが出る病気には、インキンタムシ…
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ケジラミ症<1>陰毛の直接接触で人にだけ寄生する吸血昆虫
サラリーマンのAさんは、昨年の夏、股間に激しい“かゆみ”を感じた。とっさに思い浮かんだのが「インキンタムシ」。ネットで調べてみると、股間に感染する水虫(股部白癬=はくせん)とある。そこで、薬局へ行き…
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腟トリコモナス症<1>男性は99%無症状も前立腺がんリスク
「腟トリコモナス原虫」と呼ばれる大きさ平均18マイクロメートルの小さな原虫が、性器内にすみ着いて発症する。しかし、男性が感染しても99%は無症状。まれに尿道炎を起こすくらいで、特徴的な症状は女性に表れ…
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尖圭コンジローマ<2>原因は180種類以上のHPV
性器や肛門に、先のとがった小さなイボがたくさんできて、鶏のトサカやカリフラワー状に成長する「尖圭コンジローマ」。原因は皮膚や粘膜の微小な傷から侵入する「ヒトパピローマウイルス(HPV)」で、現在、1…
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尖圭コンジローマ<1>感染源は元カレ?潜伏期間は最大8カ月
夏のある日、20代前半の女性A子さんが、性感染症治療専門施設「プライベートケアクリニック東京」(新宿区)を受診した。訴えはこうだ。 「先生、アソコにイボイボができました。痛くもかゆくもありませ…
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性器ヘルペス<3>公衆トイレの便座で感染する可能性も…
「私の旦那は財産は残してくれませんでした。でもヘルペスだけは残してくれました。ヘルペスができるたびに旦那のことを思い出します」 これは性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」(新宿区…
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性器ヘルペス<2>女性の罹患率は男性の2倍で重症化しやすい
性器に小さな水膨れができて、痛みやかゆみ、発熱、脚の付け根のリンパ節の腫れと痛みなどの症状が表れる「性器ヘルペス」。病原体の「単純ヘルペス(HSV)2型」に1度感染すると、症状が治まった後もウイルス…
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性器ヘルペス<1>まず性交渉で感染 再発は性感染症ではない
性交渉で一度感染すると、ウイルスが消えることなく体内に潜み、再発を繰り返すのが「性器ヘルペス」の特徴だ。 原因の「単純ヘルペスウイルス(HSV)」は皮膚粘膜の小さな傷から侵入し、潜伏期間は2…
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淋菌<2>咽頭感染 口だけだから心配ない…は大きな誤解
新宿・歌舞伎町近くにある性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」に、20代半ばのサラリーマンがやってきた。朝起きたらペニスの先から黄色い膿が出てきて、オシッコのし始めがえらく痛いという。典…
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淋菌<1>男性感染者の95%に症状が出る性感染症の「王様」
「先生、ペニスの先から黄色い膿(うみ)が出てきました。オシッコのし始めに痛みがあります。最近、風俗に行ったので病気をもらったようです」 ある男性が性病を疑い、医療機関を受診したときのひとコマ。…
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性器クラミジア<2>保険診療医では複数部位の検査は難しい
クラミジアに感染しても男性の半数は症状が出ない。女性ではさらに分かりにくく、症状が出る人は20~30%くらい。しかも症状が出たとしても軽く、女性では「おりものの増加」「下腹部痛」「不正出血」「排尿痛…
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性器クラミジア<1>感染率は性交1回で50% HIVの50倍以上
「日本感染症学会診断・治療ガイドライン2016」には、17疾患の性感染症が記載されている。その中でも最も患者数が多いのが「クラミジア」だ。国が指定する約1000カ所の医療機関の定点報告を見ると、200…
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梅毒<3>初期症状は2~5週間で消えるが治ったわけではない
急増する梅毒の見逃してはいけない初期症状(早期第1期)は、性器や肛門周辺にできる「しこり(初期硬結)」や「潰瘍(硬性下疳=げかん)」。加えて、股間のリンパ節が腫れることがある。しかし、痛みなどの自覚…
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梅毒<2>見落とされがち 正確な診断には正直な告白が不可欠
近年、患者が急増中の「梅毒」(昨年は6700人以上)。しかし、1960年代後半から患者数が減少を続けていたことから、「昔の病気」と思い込んでいる人が多い。それに若い医師は診療経験がほとんどないので、…
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梅毒<1>典型的な症状が出ないからといって安心はできない
国内の「梅毒」患者の報告数が爆発的に増えている。戦後1940年代後半は年間22万人も報告されていたが、ペニシリン(抗生物質)の登場により約10年で激減。その後、67年の年間約1万2000人をピークに…