歌も踊りもやらないジャニー氏が踊るように指示できた理由
「よく家に遊びに来てね。仕事柄、洋楽も含め、かなりのレコードがうちにはありましたから、自分で手に取り聴いていました。驚いたのは、“この間の〇〇のレコードをもう一度、聴きたい”と言ってきて、私がどこの棚に入れたか忘れていると、ジャニーさんは収めてある場所までほぼ覚えている。人の家の棚まで覚えている大変な記憶力でした」
既成の歌謡曲にとらわれない新しい発想。フォーリーブスの楽曲にGS(グループサウンズ)ブームの始まりを予感するようにバックバンドに無名のブルー・コメッツを起用した。相乗効果でコメッツも「ブルー・シャトウ」でレコード大賞を取るなどGS界を牽引する人気グループになった。この成功体験を生かして生まれたのが楽器を持つアイドルとして登場したTOKIOだった。
GSブームが去ると、今度は和を取り入れた。滝沢秀明主演の“滝沢歌舞伎”で登場した和太鼓の連打。さらに上半身裸というセクシーさも同時に演出。見せる要素も前面に押し出し、ファンを飽きさせない工夫を凝らした。今もジャニー氏のこの演出は滝沢氏によって継承されている。